土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』#02「堕ちた流星」の感想。

「それが紫苑の、本当の笑顔を見た最後…。その夜、あの東京エクスプロージョン事件のあった夜、紫苑は契約者になり、対価として両足の自由を失った。だから、僕は誓ったんだ。紫苑を守るって。それが試練なら乗り越えてみせる。だって、僕はお姉さんなんだから。」
『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』#02「堕ちた流星」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。


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 らしくねぇ!!前回のシーズンとは作風も描くものもだいぶ異なってきています。別物として見たほうがいいのかな?っていうか、ずいぶんとエンターテイメント的な要素ばっかりを散りばめて、前回のシーズンで特徴的だった心情表現への志向っていうのが感じられない。まだ二話ですから先は見えないですけど、それにしても嫌な予感がする。別に銀が死のうが何しようがいいけど、作品が軽くなってしまうことには悲しさを感じます。あの黒の間の抜けた表情はあり得なかった。東京エクスプロージョンを経て、どうすればあんな表情で落ち着くことができるのか…。あの表情からは何も内面が変わっていないようにしか受け止められませんでした。うーん、微妙。画の動きとかガジェットとか客引きのための要素とか、そういった目立つところは巧妙にできているんだけど、本質的な部分で残念なことになりそうな予感を強く感じています。

■エンターテイメント性の強化と前回のシーズンとの決別?

 いや、アニメっていうメディアは少なからずエンターテイメント性を追求する性質を持っているのは当然ですから、それを否定しようっていうわけじゃない。だけど、そればかりに固執して人間ドラマだの思想性だの作家性だの本質的な部分を忘れてしまったら本末転倒でしょ。しかも、DTBのように前回のシーズンが本質的な部分で評価されるべきような作品でありながら、エンターテイメント性にばかり志向してしまうのは残念としか言いようがない。そういった役割は、他のギャグアニメとか京アニが担当していればいいだけのことじゃないのかな。。。
 では、具体的にどのような点がエンターテイメント的な要素として働いていたのか検証してみましょう。まず、OPでの水着の画。本編はロシアなんですから、あんな南国ビーチみたいな状況っていうのは想像することが難しいと思います。なのに、あんな画を挿入するっていうのは、いわゆる「水着回」と呼ばれるものの代替物としか思えません。前回からロシア設定には疑問が多くありました。学校の机を二列くっつけて配置するのは日本式じゃないの?ロシアってくっつける文化なのかなぁ…とか、服装がやけに軽装じゃね?あんな雪が降っているのに、寒いわけがないとか。今のところロシアを舞台にすることの意味合いが理解できていないのですが、その設定を超えて水着絵を出したことには強くエンターテイメント性への志向を感じます。単なる客引き要素でしょ?w
 評価できる点として言うこともできるけど、作画がかなり良かった。戦闘シーンの動きやワイヤーのしなり具合なんかも鳥肌が立つ感じです。加えて、違和感なくCGを上手く取り込んでいるところにも好感触。しかし、それって見栄えはするけど、中身がともなってからの話だと考える場合には客引き要素にしか見えません。
 あと、OPを見ているとずいぶん新キャラクターがたくさん出てくるようですが、キャラクターの記号化が明らかに進んでいると思う。すでに蘇芳は僕っ娘、貧乳、ロリっていう記号的要素を装備しており、その行動の目的も冒頭に掲げたセリフからもわかるように簡潔なものとして示されています。決して何か複雑な心境を抱えているようには描いていません。誰もがぱっとわかってしまう、そんな安易なキャラクターに仕上がっています。それに、対価がキスだっていう契約者も羨ましい、じゃなかった、客引き要素でしょw「口なおしだ…」とか言って女の子にもキスする始末。。なんか、どのキャラクターも解りやすいんだよね…。双子も出てくるみたいだし。ものすごくライトな感じが漂っています。前回のシーズンでは二話ごとにゲストが出ていましたけど、ここまで記号化されていなかったし、安易じゃなかった。
 さらには、黒のことを真っ黒親父呼ばわりするのは笑えなかった。だって、前回のシーズンのようなシックな感じの作風であれば、絶対にこんな言葉のチョイスはしないでしょ。確実に明るい雰囲気を打ち出すための選択であるし、それは前回のシーズンからの決別を告げるようなものだった。そして、あの間の抜けた黒の表情っていうのも笑えなかった。
 ぱっと見て「楽しそう」っていうイメージを与えて一過性でもいいから娯楽的な気分にさせるっていうのがエンターテイメントだと思います。簡単にテキトーに言えばねwファッションとかスナックとかバラエティ番組とか、みんな何か内容を消化して糧とするのではなく、単に物事を消費して充足感を得るだけの行為じゃない?でも、そういったものは繰り返し見させるような内容にはならないし、それは商売的にも一過性のものになりかねないと思うんだけど。。どうなんでしょう。

■黒の仮面

 なぜ、ここに来て黒は仮面を脱がないんだろうか…。もはや顔を隠す必要性はないんじゃないのかな?前回のシーズンでは殺人を犯すことに躊躇いがあったということですから、ひとつの心理的な区切りとして死神仮面を付けていたものと思われます。仮面を被っているときは割り切って人を殺すみたいな。今回もそのままの設定を引き継いでいるのかな?それとも、この仮面だけが前回シーズンの名残になっちゃうの?w
 黒はCIAに雇われて行動しているようですが、その目的は今のところ不明。とにかく流星核を追っかけてます。そのため、紫苑と蘇芳のパパも躊躇いなく殺しました。だけど、蘇芳はなぜか助けた。この行動に一貫する黒の心情ってなんなの?なぜ仮面にそこまでこだわるんだろうか…。まるで仮面とそれを身に付けた黒が前回シーズンとのつながりを保つための象徴的な意味合いしか読み取れなくって、どうにも解せないw
 どうも蘇芳や新しいキャラクターはそれで新しい物語を紡ぐ道具立てとして機能していますけど、黒だけが新しい話の流れに前回シーズンの影を無意味に投下しているようで気持ち悪い。しかも、何か黒の心境に変化があったとは今のところ描かれておらず、むしろ何も変化していないような様子さえ感じられます。本当に過去の遺物って感じ。黒って今回の話に必要あるの?w

■合理性の破綻

 どうやら紫苑は蘇芳のフリをして脱出を図ったようです。つまり、蘇芳を囮にしたってこと?でも、蘇芳は流星の欠片だか核だかを持ってるんだよね。。どういうことなんだろう?とにかく、そういった蘇芳を囮にする行動っていうのも「合理性」から来るものなんでしょうけど、もう合理性っていう設定そのものが破綻寸前な気がするw
 蘇芳と黒の問答で、契約者は躊躇うことなく人を殺すことができるのはなぜだっていう問いかけをしていました。けど、人間だってた躊躇いなく人を殺すことだってあるでしょ?それって契約者の合理性を言うものじゃないよ。すでに「合理性」っていう言葉の意味合いが字面を離れちゃってますよね。正確に言うならば、むしろ「無感情」と呼んだほうがよっぽど適していると思うんだけど。なぜ合理性にここまでこだわるんだろうか。初回の話のときから合理性を強調するような状況を好んで取り入れていましたけど、何か意図を感じます。前回シーズンと同様にドールのような無感情な存在でも感情を宿すことがあるとか、契約者のように合理的な判断を下すとされる存在でも他者のために自己の不利益を顧みないこともあるとか、そういったことをやりたいのかな?そうなれば、結局は合理性を判断するには主体の感情が欠かせないという、主題へのアンチテーゼを示すことになっていいと思うんだけど。ことさら合理性を強調するここ二話に良からぬ先行きを見てしまいますw

■様々なガジェット

 やけに「意味ありげ」なセリフを連発していたのも良くない傾向を感じます。ラノベ病でしょwひとつは『孫子』からの引用で、もうひとつは『日本書紀』や『古事記』に見られる神話の引用です。これはCIAの工作員と誰かさんがエジプトらしき場所で話しこんでいる場面で使われたセリフなんですけど、神話はともかく、孫子をわざわざ使った意味ってあったの?やっぱり単なる「難しそう」とか「インテリっぽい」っていう記号を提示したかっただけに受け止めちゃうwまぁ、原文を引用して、私に書き下しを試みてみましょう。

①『孫子』第三篇 謀攻
「知彼知己、百戦不殆。不知彼而知己、一勝一負。不知彼、不知己、每戦必敗。」
「彼を知り己を知れば、百戦殆ふからず。彼を知らずして己を知れば、一勝一負。彼を知らず、己を知らずば、毎戦必ず敗る。」

②『孫子』第十三篇 用間
「明君賢将、所以動而勝人、成功出于衆者、先知也。先知者、不可取于鬼神、不可象于事、不可驗于度。必取于人、知敵之情者也。」
「明君賢将の動きて人に勝ち、成功、衆に出づる所以のものは、先知なり。 先知は鬼神に取るべからず、事に象とるべからず、度に験すべからず。 必ず人に取りて敵の情を知る者なり。」

 要は、何かの企みにおいて神様に成功をお祈りするよりも、人事によって用意周到な根回しをして成功を求めることが肝要であるっていうことかな?敷衍しすぎだけどご容赦をwwラングレーの人は極東での不手際を挽回するために、女の人に依頼することによって何とか事態の収拾を図ろうと考えているようです。それに対して、女の人は「先知は鬼神に取るべからず」と返したっていうことは、神頼みはするなってこと?それって自分が神と同格であるって言ってるの??驚きだねw
 そして、伊奘諾が出てきました。国生みの神ですから、何か東京エクスプロージョン的な世界の改変に関わりそうなネーミングです。。流星核と何かつながるのかなぁ。こっちは単なる「意味ありげ」なだけではなくって、しっかりとした伏線になりそう。とは言え、安易なネーミングですよねw
 他にも、「えむいーすくいーざー」とかいう機会っぽい名前が出てきたり、対戦車ライフルを構える蘇芳の画がOPで流れたり、いろいろと話の道具立てが出てきました。これが行く先でどうなることやら(^_^;)

■今後の展望

 結局、今期はジュブナイル的な要素を組み込んだのかなぁ。。蘇芳を主人公としたジュブナイル。話の構造が一期とはだいぶ異っていますから、あり得ないことはない。ニカっていう脱走者を事態を知る部外者として客観的な視点に置き、蘇芳の行動力によって話を牽引していけば、ひとつの筋のもとに順調に話しを展開することができると思います。やっぱり前回のシーズンとは別物と考えるべきなのかな?



 っていうか、秘密基地に対戦車ライフルもデジカメのプリンターも普通は完備してないだろwいろいろとご都合的な世界観の設定が見え隠れしています。まずは、ひとつの娯楽作品として視聴を継続です。なんだか肩透かしというか、残念というか…。この後の展開で今回の分析が間違いだって否定されることを楽しみにしていますw

テーマ:DARKER THAN BLACK 流星の双子 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/10/16(金) 05:12:21|
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