土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『BLACK LAGOON』#01「Tha Black Lagoon」の感想。

「男ならラムだろ?ま、女の勝負も受けられねぇタマなしなら、無理にとは言わないけれどよ?そのときゃ、スカート履いて、キレイなリボンつけて、ダンスパーティーへ…。」
「俺は、一気飲みなんて、大嫌いなんだ!だけどなぁ、大学のコンパで、会社の接待で飲まされ続けた、日本のサラリーマンを舐めるなよっ!!」
『BLACK LAGOON』#01「Tha Black Lagoon」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。


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 うーん、何度見てもいいなぁ~☆この作品って簡単に言ってしまえば「ハレ」と「ケ」の論法でまとめられるんだけど、それじゃぁ味気ないw基本的には日本の安定した秩序のもとに生活していたロックがアウトローな生活に身を投じる話なんだけど、実際にはアウトローに染まらせないでグレーゾーンにロックを留まらせているところがミソなのかも。カッコイイ決め台詞はたくさんあるけれど、そんなことより日本のサラリーマンをアウトローな世界に放り込んだ発想が素晴らしい。そのことによって、逆に対象化される現代の日本社会っていうところが意外なんだよね。外面的にはマフィアの抗争やガンアクションを扱った作品に見えるけど、内実は極めて社会的な内容を扱ったもの。ロアナプラという架空の町に虚構を求めつつ、そこから透けて見える現代社会の矛盾やアホらしさみたいなものが本質なのかもしれない。ってことで、具体的に各話を見ながら感想を書いていきます。
 さて、今のところ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の感想を走ってますが、これから他の作品も走っていこうと思います。候補としては『機動戦艦ナデシコ』『RD潜脳調査室』『十二国記』『電脳コイル』ってとこでしょうか。更新頻度を上げるとともに、内容を充実させようと思いまして…。目標は一日に一回の更新かなぁ。。たぶん…w

■日本での日常からロアナプラでの非日常へ

「日本の居酒屋…、ああいう無警戒な笑顔が俺は好きなんだよ。」

 ロックが攫われましたw日本の国立大学まで出て、コンパで一気飲みを強要され、会社でも上司に尻を蹴られ、秩序に対して従順に生きてきた彼ですが…、アウトローな非日常の世界に行った途端にそんな生活がバカらしく見えてくるのが不思議w
 いや、日本の生活っていうのは社会の仕組みに忠実に生きていれば悪くないのかもしれない。だからこそ、血ヘドを吐くぐらい勉強をしてより良い大学への進学を目指すんだろうし、それが安定した生活への切符みたいに思われているんだと思う。大事なのは誰もがそれを信じているっていうところなのかな?今は崩れつつあるのか、逆に信じられているのか…、よく解らん。不況のときってだいたい学歴信仰が盛んになるような気もするけど…wあるいは、飲み会で一気飲みを強要されるのだって、断ればいいのに断らない。これって先輩とか権威者への媚びですよね。我慢して我慢して、ようやく立派なマイホームを買って、結婚して、人並みの生活を手に入れるってラインです。居酒屋の店員が無警戒な笑顔を振りまいて、客に対して従順であるのも象徴的。そうしないと儲からないのかな。でも、それは既成の秩序に則って行動し、自らもその概念を引き継ぐことを前提にした場合の話。
 近いところで言えば、『東のエデン』で言ってた「アガリを決め込んだオヤジたち」っていうのが言い得て妙なセリフなのかもしれない。あの作品って、このセリフだけで意味のあるものだったのかもしれないよwwただし、大事なのはそんなオヤジたちを批判的に捉えることではなくって、そんなオヤジたちの存在を許容しながら、自分たちも将来的にはあんな立場になろうとする動機を持つ、一連の秩序の継承関係にあると思う。負の継承関係とでも言おうか。。権威主義とも違うんだろうけど、似ているのかな?やられたことはやり返せ。自分達が権威に従って得た「アガリ」はそれとして、代償も同じかそれ以上に受けたわけで、同じ代償を後輩たちにも強要するんだろうなぁ。だって、自分達は嫌々ながらも我慢してやってきたことを、後輩たちが何の代償も受けずにやるっていうのは「不平等」だって思うんじゃないのかな?平等という幻想に囚われた場合にはそんな思考になるんだと思う。

「せっかく国立出て、いいとこ就職したのに、これじゃぁ、あんまりだ!」
「わめくなバカ。人生は楽しまなきゃ、損だぜ。」

 一方、レヴィたちは簡単に言えば「その日暮らし」と言ってもいいんだと思う。運び屋を稼業としているんだから、安定した収入は求められないし身の安全だって保障されない。そんな人々の生きる世界にロックが放り込まれることになるもんだから、よっぽど発想を転換しないといけない。未来の安定した生活を求めて頑張ってきたのに、報われる前に違った秩序の社会に移ることになるんだからなおさらでしょう。

「なんなんだ、これは…。映画なのか?」
「バカ言うな。ハリウッドなんざより、よっぽどエンターテイメントじゃねぇか。」

 そんな日本のサラリーマンであるロックからしてみれば、目の前で起こっているできごとが映画と同じように思えて当然なのかもしれない。映画も言わば非日常の世界なわけだから、ロアナプラと同一視するっていうのは仕組みとしても整然としたものだと思う。ただし、映画をエンターテイメントと言うのはよしとして、ロアナプラでの出来事をエンターテイメントと言うには少し考えなきゃいけないところがある。同じようで同じでない。一番の違いは、日本でのエンターテイメントは日常には存在しないっていうこと。映画だって、わざわざ映画館に足を運んで区切られた空間の区切られた時間にならないと享受することができない。いや、自宅で借りてポストへ返却するのだって映画だしエンターテイメントなんだろうけど、、それは他の議論として。その点、日本でのエンターテイメントは非日常にのみあると言ってもいい。反面、ロアナプラでは日常にエンターテイメントが存在するという部分は日本のエンターテイメント感覚と大きく違うところ。レヴィたちロアナプラの住人たちは「その日暮らし」なわけで、それは場当たり的な享楽主義を導きやすい環境でもあると思う。その場さえ楽しければいい、という発想も明日のわが身がどうなっているのかわからない人々にとっては重要なんだろうし。。ロアナプラで繰り広げられる出来事を映画本編の内容だとすれば、それを見ている観客の位置にロックがいて、さらにはそんなロックの内面を覗きつつ両者を観察しているのがブラックラグーンの視聴者という構図になるのかな。ある意味では劇中劇というメタな構造を巧みに仕組んだ作品だと言えるのかもね。。
 とにかく、しだいにロックを非日常へと導いていくのが初回のあらすじでして。まだまだ日本社会の秩序のもとに明るい場所に立っているロックだけど、話が進むにつれてロアナプラ流の暗い場所へと身を移し始めます。

■ロックの誕生

「くそっ、俺に向かって好きなことやるだけやりやがって!みんなで…、部長まで…。なんで俺が、こんな目に会わなくちゃいけないんだよっ!!」

 ロックが吹っ切れますw部長に見捨てられる=日本社会に見捨てられると同義になりますから、まぁ当然なのかなwwだって、ロックに死ぬよう命令を出したわけですから、今まで従順でいた社会に見限られたことになります。これって、いわゆる「日常」での社会的な死を意味するわけで、六郎という人物はそこで一度死亡を迎えることに。それと同時に、ダッチに「ロック」として新たな「名付け」が行われ、そこでは新たに「ロック」の誕生を読み取ることもできると思う。これって単に人格の再生を意味するわけでもなく、従来の従属的な個人からの脱却も含むと考るべきじゃないかな。。以前は社会に付き従って個人のコの字も抑圧されるような環境であったのに対し、ここで初めて個の確立を見ることも可能なんじゃないの?そういった意味で、本当に名実ともにというか、日本社会との決別と六郎という戸籍との縁切りとロアナプラ社会への異動も合わせて「ロックの誕生」と捉えられると思う。



 そうそう、最近気になっているのは、日常と非日常の混濁に加えて、それらが表裏一体の関係にあるんじゃないかっていうところ。さっきの自宅で見る映画っていうのも具体例のひとつとして興味深い。旧来は日常と非日常は明らかに分けられていて、たとえばお祭りやイニシエーションやイベントといった時間的に区切られた非日常や、神社の鳥居や注連縄や洞窟や橋や階段といった空間的に区切られた非日常などがあった。けど、今はこれらの区切りってあんまり意識されないよね?日常の中に非日常が入り込むし、非日常の中に日常が介入することもある。加えて、誰しも表向きは社会の秩序に従順な顔をして集団生活を送っていながら、特にネットが顕著な広がりを見せるようになってそこに裏向きの顔を持つようになった。表は従順でいて、裏では表とは異なったというか、表の部分で抑圧された意識なんかが表出するようになる。表の日常に本来的な個人の意識が表出されない環境があって、一方で裏の部分に抑圧された意識が溢れ出るっていう現象が起こっているように思う。この間の『化物語』で見られたキャラクターの捉え方っていうのも具体例になるのかな?まぁ、ここらへんの話は改めて論としてまとめたいと思いますので…、いつになるかわからないけどww

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/11/15(日) 21:24:06|
  2. BLACK LAGOON
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