土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『夏のあらし! 春夏冬中』全13話の感想。

「つまりね、はじめちゃん。どんなに素敵なことであっても、こういう非現実的な経験って、後から来るたくさんの現実に押し潰されて、すぐに信じられなくなっちゃうの。夢のような、幻のような、曖昧な子どものころの勘違いになって、やがて忘れていく。みんな、大人になるの。そういうことなんだよ?」
『夏のあらし! 春夏冬中』#09「淋しい熱帯魚」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。


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 今回は潤の恋心を基本軸に据えながら、アラソとハジメの関係を描いた感じでした。#09あたりのラストの余韻は良かったなぁ。。#12のラストはニヤニヤさせるような展開だったしwギャグやパロディーといった要素をふんだんに盛り込みながらも、シリアスな展開も忘れないという両刀遣い。。なかなか演出も上手いなぁと思いました(^_^;)客引き要素として初回から水着回と温泉回を持ってきたのも、一期を終えた作品だからこそできる展開だったと思う。それに、ギャグの中にも潤のハジメを見る視線を微妙に差し込んでるあたりが憎い感じです。最初はギャグで押し通すのかと思ってげんなりしてたけど、最後まで見てみればいい感じにまとまっていたと思う。

■ハジメ×アラシの関係を描くための潤視点

01:水着回、潤のカミングアウト⇒ハジメ×潤のフラグ成立
02:温泉回、アラシの告白⇒ハジメ×アラシ×潤の三角関係成立
03:やよゐ回、やよゐの通じる相手登場、アラシとハジメの出会い
04:潤の家でドタバタ、潤の恋心
05:加奈子回、美少女戦士
06:冷やし中華
07:こばやし茶碗
08:アラシのかぞえ唄
09:漬物回⇒タイプトラベル、アラソ×ハジメの関係に亀裂
10:ハジメが幼少期のアラシと出会う、ハジメ×アラシの関係修復
11:潤の誕生日、潤の恋心
12:マンガ家の話、ハジメ×アラシの関係良好
13:キューティーキウイちゃん⇒タイムトラベル

 全体のバランスやシリアスを差し込むタイミングが絶妙だったと思う。まぁ、少しギャグやパロディー要素が多かったようにも思うけど…。初回から水着回をやるという暴挙に出たことでツカミはオッケーといった感じだろうか。加えて、温泉回を持ってきて畳み掛ける感じwそんな中でも潤が女であることをアラシに告白する場面があったり、アラシがハジメに対する微妙な思いを潤に告白する場面があったり、シリアスな内容が織り込まれていました。上手い具合のバランス感覚だなぁ。。とりわけ、今回は潤の視点からハジメとアラシの関係を描くことを行ったのが良かったと思う。潤の一人称的な視点が入ったことによって潤の内面が描きやすくなっていただろうし、一本気なハジメや自らを語らないアラシの心情を外側から上手い具合に引き出していた。潤にハジメを意識させるっていうのは、結局はハジメとアラシの関係を描くためのシステムに過ぎなかったとも言っていいのだろうか…w潤にはかわいそうだけどね(^_^;)だって、最終的に潤がハジメに対してどうこうするっていう展開はなかったわけだし。。ハジメとアラシがいちゃいちゃしていても、その場面に潤が割り込むことは少なかったと思う。

■屋根裏の漬物はいつ存在を確定させたのか

「アラシさん、思ったんスけどねぇ。歴史って先に決まっているわけじゃなくて、量子論で言う、確率的に存在している過去が、未来から行った俺たちの行動によって、確定しているんじゃないかなぁって。」
「なぁに、それ?全然わかんない。」
「現在だろうと、過去へ行こうと、俺たちは、まだ知らない自分の時間を前に向かって進んでいることに変わりはなくて…。ほら、俺が指きりヤマと戦ったとき、もし怖気づいていたら、俺が大怪我していたかもしれない。そうならないためには、俺が頑張るしかなかった。今日も諦めず頑張って、三つ目を探していたら、カヤさんはキューティーキウイちゃんを食べずに済んだのかなぁ…。本当のところはわからない。でも、いやだからこそ、歴史や運命が決まっていようと、努力を諦めちゃいけないんじゃないかなって。」

 #09の漬物回が一番の典型だったけれども、この作品における時空間転移の解釈ってよくわからないんだよね。。量子論によって解釈を行っているのか、従来の作品が作り上げてきたタイムパラドックス展開を伴ったタイムトラベルを描いているのか、どっちなのかがわからない。前者であればタイムパラドックスは起こらないことになるんだろうし、後者であればお約束のパラドックスを題材にした話を描くことになる。実際、過去に飛んだ段階で過去の自分に近付くと自分の存在が消えそうになるっていう設定を用いているだけに、おそらくは後者であろうと思われる。けれども、#13のラストではハジメが量子論による時空間転移について言及しているんだよねぇ。。量子論で言った場合には、むしろ過去の自分たちに認識されないと自らの存在を安定させることはできないような気がするんだけど…。いや、存在が重なるために消えそうになるのか…。よくわからないなぁ。。。
 たとえば、漬物の話では漬物を誰の目にも留まらない屋根裏に置いたというところがポイントだったのかもしれない。現在の時空間をA点として、やよゐとハジメが転移した時空間をB点とした場合、漬物を認識している主体であるやよゐとハジメは過去の自分が存在しているB地点に行きつつも、最終的には屋根裏に漬物が存在しているB点から新たに分岐したC点(A点に対して、やよゐとハジメの認識では同じ時間位置にある)へと転移したことになるんじゃないのだろうか。。あるいは、B点に存在している二人以外の存在は漬物の存在を認識していないため、B点からA点へと推移するにあたって漬物の存在は確定しておらず、二人がA点に戻った段階で初めて屋根裏の漬物の存在が確定したことになるんじゃないだろうか。その場合、漬物は同時に二つのものが存在していなかったことになる。やはり、認識の主体としてのやよゐとハジメに限定して漬物を認識しているという点がミソなのかもしれない。ただし、実際に漬物が過去へと戻った分だけ漬かり具合が進行していることを考えると、漬物もB点からA点までの時間的位相を推移させていたことになるため、その点では漬物はB点から継続して存在を維持していたことになる。だとすれば、B点からA点へと時間的に推移している間に漬物を認識する存在が不在であるにも関わらず、漬物は存在していたことになる。その場合には、やはり、やよゐとハジメの主観によってA点から継続した時間位置にあるC点を想定するべきとも考えられる。すなわち、やよゐとハジメはB点に戻ったと同時にA点(あるいはB点)から新たに分岐した漬物が二つ存在していた時空間へと新たに転移した可能性がある。あ~、意味がわからないww要は、この話において屋根裏という誰も認識の及ばない空間が、シュレーディンガーの猫の実験における箱の役割を果たしていたことは言うまでもない。すでにA点において誰も認識していない屋根裏には漬物が存在している可能性と存在していない可能性の二つが想定され、やよゐとハジメがB点に時空間転移を行ったという体験を持ったことによって漬物の存在が認識・観測されることとなり、漬かり具合の進行した漬物が登場することになったと考えるのだろうか。とにかく、わけがわからないww
 そもそも、量子状態にないハジメや潤が時空間転移できるっていうことからして不思議ではあるし、誰が認識の主体として存在しているのかっていう部分が曖昧になっている以上、この作品における量子論的な時空間転移の解釈について結論は出ないのかもしれない。時空間転移は他の作品でもよく取り上げられるガジェットでもある。たとえば、『トップをねらえ!』のウラシマ効果は時空間転移の派生として考えられるし、『機動戦艦ナデシコ』のボソンジャンプは時間転移が空間転移を伴ったものであることを示したし、『ノエイン~もうひとりの君へ~』は量子論による時空間転移をアニメの中に持ち込んだ最初の作品として見ることができる。どれも時空間転移のシステムに疑問が尽きないけれども、そういった設定によって新たな人間ドラマのフィールドを獲得できたことは確かだと思うし、それこそ重要な点なんだと思う。アニメで扱うこういったSFチックな設定は現実味や科学的な裏づけなんか関係ない。それよりも、「なんとなぁく、筋道が通っているような設定」であることが大切だし、そういった新鮮味のある設定のもとに展開されるドラマにこそ焦点を当てて考えるべきじゃないのかなぁ。。そういった意味では『ノエイン~もうひとりの君へ~』は成功していた。けど、この作品の場合には、あまりに設定の考證がなおざりな気がするし、量子論を持ち出さずに今まで通りのタイムトラベルという幻想をそのまま継承したほうが無難だったんじゃないのかなぁ。。



 と、まぁ、考えてみたはいいけど、よくわからないってのがオチでwwとにかく、時空間転移はアニメにおける大きなロマンなわけです。その設定の奥にある広大な幻想空間にこそ魅力を感じるし、その空間の下支えに量子論を用いようがバック・トゥー・ザ・フューチャーのようなタイムトラベルのような発想を持ってこようが、そんなのどうでもいいんです。問題は、そこでどんな人間の活動を描くのか。ハジメとアラシの恋ってのは、なかなか切ないものがあったなぁ~。 そういえば、ブログの更新も時空間転移にあたるんだろうか…。この記事は2009年12月30日に書いているんだけど、設定を変更したことで29日に投稿したことになるんだよね。。さて、この記事の存在はいつ確定したことになるんだろうかww

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/12/29(火) 00:01:00|
  2. 夏のあらし!
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