土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『コードギアス 反逆のルルーシュ』#25「ゼロ」の感想。

「ここから先のことは、お前には関係ない!!お前の存在が間違っていたんだ!!お前は世界からはじき出されたんだ!!」
『コードギアス 反逆のルルーシュ』#25「ゼロ」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。


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 谷口悟朗~!!あんなラストを用意するとは憎らしい…。。。何、ルルーシュとスザクのどっちが撃たれたの?ナナリーは?カレンは??お預けだなんて、我慢できませんw本編ではいろんな人物それぞれの物語を交錯させながら、本当にいろんな設定を凝縮させた感じ。スゴイよ、スゴ過ぎるよww表情の描き込みもさりながら、ルルーシュとスザクのやり取りが鮮烈な印象を残すものだった。やっぱりルルーシュは英雄になれないんだね(^_^;)最後のC.C.の語りでも説明されているように、この作品は世界と個人の関わりを描いたところにひとつの核心があるのかもしれない。さしずめ、ルルーシュはそのモデルケースってところかな?従来の作品ならばスザクこそ正義の味方のポジションで取り上げられて、ルルーシュは悪役に徹する側になるはずだった。それを逆手にとって、悪役のはずのルルーシュを主役にしたっていうところから、大多数に共有される正義ではなく個人の小さな正義を扱う作品としての方向性が出ていると思う。いわゆる、ダークヒーローってやつだね☆ポストモダンとダークヒーローの登場…、これを合わせて考えるのって敷衍が過ぎるかな??

■英雄になれない、英雄と呼ばれないルルーシュ

「お前が生きる目的なのだろう?」

「人は、人間は、幸せを求める存在である。ブリタニアの少年、ルルーシュが望んだことは小さな幸せに過ぎなかった。特別なことではない。少なくとも行動の根源には、人としてごく当たり前の、とてもささやかな願いしかなかった。そんな夢を、そんな誓いを、誰が否定できるのか。誰にそんな資格があるというのか。だがしかし、人は誰しもが否応なく、他者と、世界と関わることによって自らを規定され、定めされてしまう。ならば、個人の思惑など、世界の意志を前にしては、どうしようもなく流されてしまうはかない存在でしかない。罪と罰、運命と裁き、ルルーシュの前に立ちはだかったのは、自らが生み出した過去であり、人が人であるが故の憎しみか。それでも今は、感謝すべきであろう。そう、少なくとも、人が幸せを求める存在であることに。一縷の望みは、ほのかなる願いは、絶望からこそ生まれ出る。」

 どうしてもルルーシュってナナリーのことを切り捨てられないんだよね。。ナナリーが誘拐されたことを聞いて、黒の騎士団の悲願である日本の独立を捨ててまでナナリーを助けに行くわけでしょ?ナナリーを「生きる目的」とするのも家族なんだから当然なんだろうけど、それにしても全ての動機をナナリーに求めるのは少し物語りが過ぎるんじゃないのかな?wナナリーが幸せに暮らせる世の中へと作り変えるっていうことは、かえってナナリーの日常からルルーシュが離れてしまうことになる。そうなると、ルルーシュの行動には常に矛盾が付きまとうとこになるんじゃないのかな。ルルーシュが頑張れば頑張るほど、彼はナナリーの生活から離れてしまうじゃないか。世の中を変えるっていうのは多大な労力と時間を要するんだから、達成されたところでナナリー自身の幸せに還元されるかと言えば、必ずしもそうではない。けれども、ナナリーの本当の幸せを求めて世の中へと働きかけを行おうという信条は揺ぎ無く描かれる。これこそ、C.C.のセリフにある「小さな幸せ」を追い求めるルルーシュの一途な性格が表れているんだろうね。
 結局、ナナリーという個人的な執着を動機として世界を動かそうとするルルーシュなんだけど、目的はナナリーが幸せに暮らせる世の中なわけだから、他者の存在なんて第二・第三の話になる。極めて個人的な動機だと言える。だから最後に現場を離脱するという暴挙を取ることができた。生まれは皇族でも日本に流されたという零落っぷりを見せるし、ナナリーは過去の襲撃によって身体が不自由となってしまうし、初めから「世界」に見放された兄弟とも言える。社会は他者との関係性から成り立つものであって、個人の我侭を聞いていたら社会なんて成り立たない。けれど、彼らルルーシュ兄弟を理不尽な境遇に置いたのも、また他者との関係性から来るものでもある。この個人と社会の関係性から生まれ出る矛盾を突いたってことかな?まぁ、これは個人の権利と公共性のどちらを優先して扱うべきかっていうバランスを捉えた、現代社会の矛盾のひとつってところだと思う。ルルーシュの行動はブリタニアという社会の公共性には著しく反するものであるし、むしろ社会をぶち壊すものだった。
 政庁陥落に王手をかけた状態でルルーシュが現場を離れたっていうのが、ルルーシュらしい行動だよねwやはり彼の全ての動機はナナリーなわけだし、黒の騎士団という社会の求める「正義」としての日本独立でさえ、ルルーシュにとってはどうでもよかった。もしも彼がナナリーよりも騎士団の至上命題である日本の独立を優先したならば、それは従来のヒーローと何ら変わり映えのしない、単なる日本側の社会を背負う正義の味方にしかなれなかった。だけれども、彼は個人の動機を社会の求めるルルーシュのありようよりも優先させて行動した。ここが画期的なところだと思う。
 ルルーシュは黒の騎士団を率いてブリタニア打倒を目指すけれど、誰も彼のことを革命家だとか英雄とは言わないんだよね。全編を通して、そんなセリフはなかったと思う。おそらく、これは意識的に貫かれていたものなんじゃないのかな。絶対にこの手のキャラクターには「革命家」とか「英雄」っていう言葉が付きまとうはずだもん。意識的に外したとしか思えない。それと言うのも、今まで記述してきたように、彼は社会の期待を背負う「正義の味方」や大衆の求める偶像としての「ゼロ」を否定する立場として描かれてきた。そんなものよりも、個人の幸せが大事じゃないか、社会から規定される自己なんてぶち壊してしまえ、なぜ社会の公共のためという名目によって生活を縛られなければならないのか、彼の強烈な自我とともに、そんな主張が見え隠れするように思う。彼にとってしてみれば、自分のありようと規定してくるブリタニアはクソ食らえだったろうし、同時に黒の騎士団でさえも自分の像を規定しようものならぶっ潰すことになるはず。
 その点、最後の最後でC.C.が解説してくれているんだよねw具体的な事例は今までの話で展開させてきたもので、それを最後にC.C.が種明かししてくれたような感じ。親切なもんだww

■「大きな物語」からの脱出

「便利な力だな、ギアスとは。自らは影に隠れ、責任はすべて他者になすりつける。傲慢にして、卑劣。それがお前の本質だ。」

 スザクは旧来のアニメなんかで描かれてきた「正義の味方」そのものなんだよね。彼は社会のルールに従って生き、それに反する者たちを憎む。大多数の人々に共有されている最大公約数的な利益を尊重するだろうし、そのためであれば個人の尊厳なり利益というのは多少なりとも否定されたところで苦に思わない。一度は軍規に従って死を覚悟したこともあった。そんな従順な性格を持っているのがスザクなわけだった。これって、いわゆる正義の味方じゃないかw自己犠牲の精神もあって、他者への奉仕を第一と考えるような性格。そんな社会に付き従うことを是とするスザクだからこそ、ルルーシュのように社会よりも個人の利益を第一に考え、優等生ぶってルールを守ろうとする人をあざ笑うかのような生き方をする人間を、傲慢だと思うことになるんだろうね。。ちょっとスザクのセリフには嫉妬というか、羨ましさも感じられない?
 いやぁ、それにしてもルルーシュの仮面が割れたときの表情は良かったなぁ。。彼の髪の毛で隠された暗がりからギアスの赤い目が表れる場面なんてのは、ゾクゾクきた。そして、あの見事に「へ」の字の口であるwさらには、スザクの凄まじい表情っていうのもスゴかった。やっぱりスザクも感づいていたんだけど、信じたくなかった。そんな信じたくもない事実を突きつけられたときの表情っていうのは、あんなものなんだろうか。。要は、親友が自分の恋人を殺した犯人だったっていうことでしょ?まぁ、スザクの心中も複雑だよね。。
 だがしかし、そんなスザクの心中っていうのがミソだった。先ほども言ったように、彼は個人よりも社会、自分よりも相手の立場を尊重するようなタイプの人間だった。だけど、ユーフェミアの死をきっかけとして、だいぶ行動様式が変わってきた。もしも初回あたりの思考をもってスザクがラストのシーンを迎えたならば、ルルーシュを説き伏せて投降させて、観衆のもとに裁判を受けされることを望むはず。それが基本的な手続きでしょ?だけど、彼は銃をかまえてプルプル震えながら撃とうとする。これって、大きな変化だよねw彼はユーフェミアの死という事実を受けて、抑えきれない個人的とも言える衝動を前面に押し出したことになる。これって、言ってみればスザクの敗北だよね。。彼は結局のところ社会に従順であることを貫くことができず、個人の動機を前に屈したわけだ。

「すべては過去、終わったことだ。」
「過去っ…!」
「お前も父親を殺しているだろう?懺悔など、後でいくらでもできる!!」
「いいや、君には無理だ。君は最後の最後に世界を裏切り、世界に裏切られた。君の願いは叶えてはいけない!!」
「バカめ…。理想だけで世界が動くものか!」

「ここから先のことは、お前には関係ない!!お前の存在が間違っていたんだ!!お前は世界からはじき出されたんだ!!」

 ここらへんもスザクの敗北宣言って感じがするなぁwwルルーシュのことが羨ましくって仕方がないって感じ。ルルーシュは社会のしがらみから逃ようとしていたからこそ、自分を規定しようと襲いかかるブリタニアや黒の騎士団ってのを否定してきてしまった。それは確かに「世界を裏切る」行為であったと言える。そして、そんなルルーシュは世界から見放されることにもなる。社会が規定するルールに従わないなら、騎士団の求めるゼロ像を維持できないなら、それぞれの集団で生きていく隙間をルルーシュに与えることはない。それは「世界に裏切られた」ということになる。
 そこまではいいんだけど、スザクに「願いは叶えてはいけない」とか「お前の存在が間違っていたんだ」という宣告をする権利は与えられていないのだよwまるで世界を代表しているかのようなセリフだけど、スザクはそんな立場にはない。ここらへん、屈折してるよねw彼は優等生であったことの評価として、自分が世界の代表として認めてくれることを自負していいとでも思ったんだろうか。。少なくとも、ルルーシュのような生き方を認めてしまっては、自分の信じる生き方を否定しなければならなくなる。自我の存立が危うくなる。彼にとってルルーシュのような生き方というのは反社会的であって、それは社会から逸脱したルール外のものになってしまう。それを認めてしまうと、社会に従順に生きている自分っていうのがバカらしくなるもんね…。だから、ルールを守らない人の利益を守る必要はない、願いも叶える必要はない。。
 結局、ルルーシュは自分に素直に生きたかっただけって感じだなぁ。。なんで周囲の人間から自分のありようを規定されなければならないのか、それが納得できなかった感じ。そうそう、ルルーシュが本気でキレている場面ってこれしかないんじゃないのかな?見境をなくしているルルーシュってのは、急に幼稚に見えるよねw
 こんなルルーシュが主人公として描かれ、それを受け入れられるっていうのはポストモダンにもつながる気がする。「大きな物語の終焉」ってやつだね。もはや大衆が同一の社会的規範や思考を共有できるような時代は終わったわけですよ。そんな「大きな物語」を信じて滑稽にも踊っているのがスザクであって、そんな「大きな物語」から脱出して「自分の物語」を綴ろうと必死にもがいているのがルルーシュって感じ。

 それにしても、事前にギアスをかけられているスザクとカレンしか、あの場に居合わせなかったというのは…。こうなってはルルーシュもギアスを使った戦略的な行動は取れないことになるし、ルルーシュ自身に素直にさせる場を作ることになる。脚本・演出もなかなかの策士だなぁwそして、あのタイミングでEDに入ると…ww

■他者存在を消去するギアス

「人間はとても壊れやすいって。その肉体も、心も、互いの関係も…。」
「だからと言って、思い通りになる人や世界なんて…。」
「でも、僕はそういうパーツが欲しいんだ。枢木少佐がダメなら、次のデバイサーを探すだけさ。」
セシルさん、ノーブラ!!

「取り返しに来ただけだよ…。ランスロットとか、いろいろ。」

 セシルさん、ノーブラにパイロットスーツを着ているんですねwwちょっとびっくりした。。
 そんな与太話はさておき、ロイド博士にこんな重要なセリフを言わせるとは…、それもびっくり。というより、この場面って、あんまり前後の脈絡がないんだよね。。どうも突然この話になったようなところもあって、ちょっと意図的にこのセリフを半ば強引ながら挿入したようにも思える。
 この「思い通りになる人や世界」っていうのは後のルルーシュを意識して考えるとわかりやすいかもしれない。ここでは単にロイドの人間を材料か部品くらいにしか考えないマッドサイエンスティックなところを言ったものとして出てくるけど、後のルルーシュにも当てはまる。ルルーシュのギアスは他者の意志を捻じ曲げてでも屈服させる能力だから、もしも世界の全員に服従の命令をギアスでかけたとしたら、その世界はルルーシュの思い通りになる。それは揺らぐことのない絶対の人間関係を構築することになるし、相手の心もすべてルルーシュの思い通りになる。
 だけれども、それでは同時に「他者」という存在すら消してしまう。すべてルルーシュの意志を映すだけの鏡になってしまって、誰もルルーシュと違った意見や見方をする人がいなくなってしまう。畢竟、彼は彼自身を認定してくれる「他者」がいなくなってしまうために、自己崩壊をおこすってことになるんだろうね。。これをC.C.は「孤独」と言って初回からルルーシュに伝えていたんだと思う。これからの話では、彼が他者を尊重できるかどうかっていうところに、ひとつの注目点が出てくるんだろうね。。

■それぞれの物語の交錯

「オールハイル、ブリタァニアァ!おや、あなた様はゼロ!!何たる僥倖、宿命、数奇!!」
「まさか、オレンジか!?」
「お、おっ、お願いです。死んで頂けますか?」

 オレンジくん、復活!笑えるw彼の衝撃的な復活と言い、ニーナの執念と言い、玉木のダメっぷりと言い、ゼロの正体を確信しているシャーリーと言い、ルルーシュにキスをするC.C.と言い、本当にいろんな人物の物語が今回の話で見事にからみあってきたと思う。濃密すぎて、息苦しさを覚えるくらいだよwスゴイよねぇ。。
 だけど、そんな複雑な展開を持っているにもかかわらず、見事にスマートなカットのバトンタッチが行われていた。主にセリフを呼び水として次のシーンへと移るっていう手法を取っていたように思うけど、ずいぶんとスムーズに脈絡を保ちながらバトンタッチができていた。



 さぁて、前半戦が終了となります。あのEDが、またいいんだなぁ。。「スザァク!ルルーシュ!!」「ぱぁ~ん」ナナリーの画が入って、「モザイク…」と。。鳥肌立ちまくりだよwR2の初回の導入もまたいいんだよねぇwもう、たまりません。今回の感想も前半最後ということで少し長めに総括めきながら書いてみました。それでは、次回に続きます。

テーマ:コードギアス 反逆のルルーシュ - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/01/26(火) 00:01:00|
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