土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『デュラララ!!』#08「南柯之夢」の感想。

「な、おかしいだろ?思い出せないよなぁ、変だよなぁ、空き地って。なくなってみると、何があったか忘れちまう。この間まで、あったわけだろ?なんか、それなりにでっけぇやつがさぁ。」
『デュラララ!!』#08「南柯之夢」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 今回のテーマは「さがしもの」でした。二度目のセルティ回になるのかな?前回と前々回が少し軽めの話だったこともあって、少し本筋に戻しながらの展開みたいです。第一、セルティが可愛らしいw顔がないのに表情が見えてくるっていうのは奇妙な感覚だよね…。今回、新羅とのやり取りで「百年前の記憶」っていう言葉が出てきたから、やっぱりセルティはそれだけ長く存在しているみたいだった。でも、北欧生まれで時代も異なるセルティが、池袋っていう空間に馴染むことができるんだろうか…。まぁ、そんな基本的な疑問は考えちゃいけないんだろうねwwそれにしても、チャットの「ばんわー」を声に出して読むと、なんだか情けなくなるよ。。あれは文字の上でだけって感じ。

■喪失したもの=「空き地」「首」

「ときどき、思う。こちらが眠っているとき、あちらでは目覚めているのではないか。記憶があやふやになってから、時間の流れもあやふやになっている気がする。いつからだろう、私は、ひとつであった自分を、もう夢にさえ見ない。あちらと、こちら…。こちらとは違うあちらでは、どんな景色が見えるのか…。」

 結局、「南柯之夢」の意味はどこで語られたんだろうか…。南柯之夢、一炊の夢、胡蝶の夢、表層的な意味合いでは似たような故事も多くあるけど、なぜこの言葉を選んだの?そこらへんがよく解らなかった。。っていうか、無理に四字熟語を宛てたような気が…w意味合い的には「何かの夢」でよかったと思うww
 要はセルティの身体が見ている夢と、首が見ている夢と、その設定の奇妙さみたいなものを取り上げたかったってことだろうか。もしくは、セルティが首を追い求めて已まないことに対して、新羅が必要のないことだと思っていることを表しているから、それを「はかないこと」という意味合いで「南柯之夢」としたのだろうか。。

「何をやっているのだろう。首を探すのは諦めろと言われると、私は怒る。でも、仕事をしたり、友達のようなものができたり…、まるで、人間になった気でいるのか?」

 セルティの求める首とはなんだろうか、なぜ首が必要なんだろうか、まるで幻を追いかけているように見えるセルティの行動は確かに「南柯之夢」なのかもしれない。ただし、その場合にはセルティが寝ている間に見ている夢のことではなくって、首を追い求めている行動そのものを「夢」と指摘していることになると思う。寝ている間の夢や、身体と首の両方が何を夢見ているのかといったことを言うとすれば、「南柯之夢」の意味合いとは離れているようにも思えるんだけどなぁ。。さぁ、どうなんでしょう?w

「な、おかしいだろ?思い出せないよなぁ、変だよなぁ、空き地って。なくなってみると、何があったか忘れちまう。この間まで、あったわけだろ?なんか、それなりにでっけぇやつがさぁ。」

 一番の問題になるのがこの部分。いやに暗示的だよね(^_^;)つまり、「空き地」を「首」に譬えているものと思う。記憶ってどこにあるんだろうね?セルティは首に百年の記憶があるって言っているけど、それは本当なんだろうか。。空き地の例で言えば、記憶というのは空き地そのものには存在していなかった。だから、何がそこにあったんだか思い出せないわけで、セルティが観察していたからこそ思い出したってことになる。どうも記憶は自立していないっていうことを暗に示していたように思った。
 記憶は記録足り得ない。もしも自分しか持っていない記憶があったとしたら、それに意味はあるんだろうか。誰もその記憶について保証してくれる人はいないし、もしかしたら自分だけの錯覚や思い違いなのかもしれない。記憶っていうのは何かしら自分以外の外部の存在(無機物でも有機体でも)によって証明を受けないと信憑性がなくなるし、他者と共有されたものであるからこそ意味合いが出てくるんだろうと思う。
 なくしてしまったことすら思い出せないってのは、記憶の象徴的な特徴のひとつだよねw記憶が欠落したからといって、必ずしも不都合が生じるわけではない。日々にいろんなことを忘れながら生きているし、すべてを覚えているわけではない。今現在の自己存在っていうのは、それほど記憶に依存して成立しているわけではないってことでもあると思う。第一、首がなくったってセルティは新羅とともに不自由なく生活できているし、それはそれでひとつのセルティとして新羅に認識されている。だけど、もし首がセルティのもとに戻ってきたらどうだろう。過去のセルティと今のセルティは同一のものとして両立することができるのだろうか。。たぶん、そんな不安も新羅にはあるんだろうと思う。
 たとえば、『攻殻機動隊S.A.C.』で出てくる「外部記憶装置」っていう言葉が「セルティの首」を説明するにはちょうどいいんじゃないのかなぁ。。セルティの首もセルティだけど、首がなくたってセルティはセルティである、みたいなwセルティは自分の顔でさえ忘れてしまいそうになって、それで首を追い求めているんでしょ?彼女が首に求めていることは自己の存在証明であって、その意味では攻殻で言うところの「外部記憶装置」と同じものだとも考えられる。少佐の腕時計、バトー君の筋トレマシーンがそうっだよねwどれも自分が自分であることを確認するためのものだった。

「私はここにいる。ここにいる…。」

 そう考えると、最後のセリフも納得の行く感じがするw存在証明として首が機能しているってことだろうね。。まぁ、記憶からの規制を受けるのか、あるいは解放を求めるのかは本人次第ってところだろうけど、もしも首側の誠二と一緒にいたセルティが元に戻ることを拒んだとしたら面白くなりそうだよねww
 でも、これまで考えてきてもスッキリしない。。。首に記憶はあるの?セルティは首に記憶を求めていないようでもあった。むしろ、単に自己同一性の問題として首を追い求めているんでしょ?そう考えると、あんまり空き地の比喩が生きてこないんだよねぇ。。さぁて、何を言いたかったんでしょうか。。

■セルティと新羅

「感謝はしている。それに、近頃は二人でいると、たぶん、これが恋慕という感覚なのだと、わかるようになった。」

 あぁ、やっぱり、そんな関係を考えちゃうんですねw今回のケンカは、もはやカップルの痴話ケンカを見ているだけのように思えたwwよもやセルティまで料理下手なヒロインの系譜に名を連ねることになるとは…。。まぁ、ヒロインってわけでもないか。不器用ながら料理を手作りで彼氏に作ってあげるっていう構図は、健気な可愛らしさをアピールすることになるんだろうね。。『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』の三枝も、ミナ姫が料理下手であることを知って「ずるいな」って言ってたと思う。。普通に料理を勉強して、上手な料理を彼氏に食べさせるっていう健気さは採用されないんだろうか。なんだか理不尽を感じなくもないw

「彼はこうして、ない顔の顔色を読む。」

 まるで『ワンピース』のブルックみたいなギャグを言うんですねw実際に新羅もロシア寿司を食べているときに、「そう、喜ばれるとな…。」だなんて、セルティの見えない表情を読んでるしね。。見ていて確かにセルティの表情が浮かび上がってくる気はする。。せめて、お店に入るときくらいヘルメットを脱げばいいのにと思うけど、、さすがにセルティが脱いだらホラーになっちゃうよねw

「何百年前もの記憶なんて、必要?だから、いつも言ってるだろ?君はそのままでいいよってことだって。」

 本題はここからになる。なぜ新羅はセルティの首を必要としないんだろうか。。確かに、新羅の好きなセルティっていうのは首のないセルティであって、もしかしたら首が戻ってしまったらセルティが自分の手元から離れてしまうかもしれない。そんな変化を望まない姿勢が表れたっていうことだろうか。なんだか誠二も同じようなこと言ってたよね。。未来も過去もいらない、みたいな。。現在の相手を否定することなく、そのまま受け入れるっていう姿勢はいいとは思うよ。だけど、それって一過性の関係にしかならないんじゃないのかなぁ。。
 相手の存在っていうのは長い相手の人生の中に成り立っているんでしょ?それなのに、前後の人生を切り捨ててしまって、相手の何を好きになるっていうんだろうか。というか、相手はそこにいるの?新羅や誠二にとってのセルティとはなんだろうか。。自分に頼ってくる女の子が好きで、別に女の子の中身を考えていないようにも見える。セルティの首が戻ってくるってことは、そのままセルティが自分に頼る必要がなくなるってことでもあると思う。ん?いや、新羅からは離れないのかなぁ。。少なくとも、新羅がセルティに対して首を追いかけるなというのは、どうもそんな「頼られる自分」を守ろうとしているように感じる。二人の時間を作るために電話線を抜くっていう行為もそうだったんだけど、なんだか内的にまとまろうとしている方向性が見えて好きになれなかったなぁ。。極めて現代的というか、一過性の享楽的な人間関係というか、他者とつながっているようでつながっていないような、、よくわかりませんw
 確かに、無常だとか人生を仮の宿りと考えれば、そんな記憶を追いかけることに意味はないのかもしれない。それに、未来や過去なんてものも関係ない。そのままで生きるっていう、執着のない生き方も出てくるのかもしれない。だけど、それって堕落や怠惰と紙一重だよねw
 新羅は首のないセルティのことをセルティとして認識しているからこそ、首は必要がなくなる。そう考えると、さっきの空き地の比喩も生きてくる。セルティを見ているのは新羅なわけだし、その時点で今のセルティの記憶を保証するのは新羅になるんだよね。。別に首がなくったって、今のセルティに対して自己同一性を保証する存在として新羅がいるわけだから、その意味でもセルティにとって首は必要がなくなる。果たして、セルティが自分の首を取るか、新羅を取るのか、どっちに転ぶんだろうか。。
 そういえば、矢霧製薬で新羅が仕事をしているときに、妙な会話があった。新羅は矢霧製薬が人体実験をしていることは知っているみたいだったけど、もしかしてセルティの首があることについても知っているのかな?製薬側の人間も新羅に対して「風変わりな人と同居している」ということを知っているらしかったし、そこらへんで何か隠し事があるみたい。
 セルティが自分の首を取り戻して自己の回復を図るのか、新羅と今の関係を見つめ直して首を夢のことだと諦めるのか、これからどうなるんだろうねぇ。。どちらにせよ、依存しているのは新羅のほうなんだよねw次回の話も矢霧波江の話で恋愛ものが続くみたいなので、そこらへんを成田さんがどう捉えているのか見所って感じ。

■線の細い女の子

 今回のセルティも可愛かった。料理の味付けがおかしいと気付いてからの素早いタイピングもコミカルだったし、新羅との関係についてうっすらと恋慕の気持ちを感じ始めているっていういじらしさも良かったし、休みに手料理を作ろうとするのも可愛らしいし、子どもっぽく拗ねるところも可愛いし、宇宙人を怖がったり、静ちゃんと一緒に首を傾げたり、いろんなところで小動物のような可愛らしさを発揮しているような感じがするw
 それにしても、この作品には線の細い女の子しか出てこないよねw唯一、天使の羽の生えた山姥的な女子高生が例外になるかもしれないけど、それでも細々としていた。マゼンダちゃん然り、園原さん然り、波江さん然り、セルティの首も然り。。タイプ的に偏っているように思えるし、あんまり、たくましい感じの女の子が出てこないよね…。最近の作品で言えば、『亡念のザムド』に出てきたイシューくらいかな?男勝りとは違うんだけど、どことなく女性的などっしり感のあるキャラクターって感じ。イシューの場合は、なんとなぁく『天空の城ラピュタ』のドーラおばさんが元ネタとしてあるように思えるんだよね。。それに比べると、どうしてもマゼンダ・園原・セルティ・波江は線が細いように思える。
 ここらへんの設定は視聴者層をどこに絞るのかっていう狙いもあるんだろうか。。。基本的に、この作品ってF1層をコアに狙ってるんだよね?女性の目線で言って、やっぱり男性が多く登場するっていうのは喜ばれるんだろうし、それは男性を視聴者のコアに選んだ場合のハーレム型の展開と同じことだと思う。基本的にはコアな視聴者として想定している同性を主人公側に据えて、あんまりキャラを立たせずアクのない感じに仕上げるってことなんだろうか。感情移入のための媒体って考えれば、あんまり濃いキャラクターを出しても仕方ないしね(^_^;)まぁ、この作品の場合は主人公っていう発想があるのか微妙なところだからねぇw成田さんの理想とする女性が並んでいるだけなのか、それとも視聴者層を意識してのことなのか、来週の波江さんがどんなキャラなのかっていうところにも関わってきそうです。

■今後の展開

 そろそろ園原さんの影の部分を描いて欲しいかな。。ずぅっと、彼女に影があるっていうことを折に触れて示してきたけど、もう引っ張るのも潮時じゃない?次の次くらいで少し取り上げて欲しいところ。それに、次回で波江さんが出てくるだけに、矢霧製薬とセルティの首に関することも少しは進むんだろうか。。大きくわけて、①セルティの首、②園原の影、③カラーギャング抗争としての黄巾賊やダラーズ、この三つに話の筋をまとめることができると思う。何クールでやるのか知らないけれど、そろそろ起承転結のうちの「転」に差し掛かってもいいと思うんだよね。



 う~ん、「なくしたもの」の看板を持った外国人女性のスケッチブックに「つながり」って書いたのは誰だろう?前回の話を踏まえての表現だったとしたら、おそらくは静ちゃんだろうという推測が立つんだけど…。特定せずに、全体的な傾向としての「つながりの喪失」っていう意味合いで受け取ってもいいんだろうか。。意味があるような、ないような…、この手のラノベの悪い癖だよねw

テーマ:デュラララ!! - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/02/27(土) 01:00:00|
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