土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『デュラララ!!』#09「依依恋恋」の感想。

「幼い頃から、私は人形が好きではなかった。」
『デュラララ!!』#09「依依恋恋」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 今回は「愛」がテーマだったみたいだけど…、何が言いたいのかわからなかったし、付いていけなかったwここで言っている「愛」って、なんだろうね。。波江も誠二も新羅も張間セルティも、四人とも一方的な想いを語っているようにしか見えなかったなぁ。ここまで「愛」という単語を連発されると、逆に嘘のようにも見えてくる。

■人形を愛でる人々

「私にとって、あれはただの人形だった。」

 あれっていうのはセルティの首のことです。叔父から人形をたくさんプレゼントされていた波江にとって、あの首も人形と同様のものだったっていうこと。首がひとりでに話し始めるわけでもないし、何か人格や意志をもっているわけでもない。そういう意味では確かに人形ではないと思う。そして、「幼い頃から、私は人形が好きではなかった。」とも波江は言う。これって、今の視点から言っていることだから、おそらくは人形たるセルティの首が張間さんの身体とくっついて歩き始めた状況を踏まえてのことでしょ?そう考えると、「人形が好きではなかった」っていう意味は「セルティが好きではなかった」と同義になる。後半のセリフでは「なんて図々しい…。人形は人形らしく、大人しくしていればよかったのだ。私の愛を邪魔せず…。」とも言っているから、誠二の気持ちがセルティに向いてしまっていることを嫉妬する気持ちもあって、彼女のことを「人形」と言いながら嫌っていることになるんだろうね。

「ひとつ聞くけど、その、首に傷のある女の子にやきもち焼いてるの?」
「どうして?あの子に嫉妬するはずない。」

 とは言え、臨也から聞かれたときには否定しちゃうんだよねw意地というか、歪んでいるというか…wwまぁ、同性愛とか近親愛とかっていうのは、確かに憚られるような雰囲気でもあるからねぇ。。単純に「はい、そうです。」と答えるわけにいかないのも理解できるけど。。むしろ、波江の場合には嫉妬していることを認めたくなかったのかもしれない。認めてしまえば、それは誠二と張間セルティが互いに恋愛関係にあることを認めたことと同じになってしまうし、それは自分の誠二に対する愛が受け入れられていないことを認めることにもなる。そう考えたほうがいいんだろうか…。

「誠二が愛したのは人ではない。心もなく、身体さえなく…。」

 そして、波江はとことんセルティの存在を否定することになる。誠二に対して愛を捧げるのは自分であって、セルティは単なる人形であるということを何度も繰り返し自分に言い聞かせているようにも見える。最後には「誠二が必要としているのは、私…。」とまで言い切っちゃうんだよねw臨也は波江のことをストーカーだとか思っているみたいだったけど、確かに誠二の気持ちを考えない状態でここまで言い切ってしまうとなると、ストーカーやブラコンと言われるような状況になっているんだと思う。

「あの子がここを逃げ出して、誠二と一緒になったときも、私の愛は何も揺るがなかった。私の愛を踏み台にして誠二の愛があり、誠二はそれを知っていて、知っていることを私も知っている。何もかもが歪んでいて、それでも…。」

 結局は誠二の気持ちってどこにも出てこないんだよねw誠二が波江のことを当たり前の存在のように思っていると同時に、波江自身も誠二が自分を頼っていることを当たり前のように思っている。セルティは人形であって人間ではないと言い聞かせながら、誠二は波江自身の気持ちを理解してくれていると信じながら、自分の愛に酔っている感じがする。でも、やっぱり嫉妬しているだろうし、セルティの首を誠二に見せたことを後悔してるんだよねw

「みんな、みんな、偽者。世の中にあふれてる…。愛してるとか、好きとか言って、束縛するだけ。こっちを向いて、側にいて、求めるだけ。甘えるだけ。私の愛は違う。もっと広くて、もっと完全なもの。」

 冒頭部ではこんなセリフから始まるんだけど、何を言いたいのかわからないw誠二と張間セルティの二人は自分たちの間に愛があると思っているみたいだから、ただ二人の言っている「愛」を「世の中にあふれている」と否定したいだけなのかなぁ。。誠二は張間セルティについて「彼女は、俺がいなくちゃダメなんだ…。」と身勝手なことを言っているし、張間セルティだって誠二の携帯電話を捨てて波江とのラインを絶とうとしているし、どっちも確かに相手を束縛しようとしているようには見える。でも、それは波江も同じだよねwこの冒頭のセリフこそ、波江の愛というものが歪んでいて、なおかつ嫉妬に満ち満ちているために自分のことを棚上げにしたような言い口でいるっていう状況を表していると思う。愛は盲目とはよく言うけれど、こうまで歪むものなのかなぁw
 大事なことは、波江にとっての誠二は人形でしかないように見えるっていうこと。今までのセリフでも確認できるように、波江の視点には誠二が自分から発した気持ちっていうものが見られないんだよね。。そんなの考えずに、私は誠二のことをすべて理解しているつもりでいるから、わざわざ誠二の気持ちを確認する必要も出てこないんだろうか。いかにも相手不在の愛というか、愛している自分に愛しているというか、どうにも気持ち悪い、病んでる感じがするよねw
 ただ、その相手不在の愛っていうのが波江だけに留まらないのが不思議なところ。誠二だって「彼女は、俺がいなくちゃダメなんだ…。」と張間セルティの気持ちを勝手に決め付けている部分があるし、それは首を追いかけることを無意味であるとセルティを説得する新羅にも共通する部分だと思う。新羅にとってのセルティは今のセルティがいいわけであって、首など関係ないんでしょ?だけど、セルティ自身にとって首というのは自己のアイデンティティを証明するものとして重要なものだって言っている。そりゃぁ、今の張間セルティから首を取り上げるっていうのも気がひけるけれど、新羅の言っていることは単にセルティを自分のもののままでいて欲しいという気持ちがあるようにしか思えない。もしもセルティに首が戻ったとしたら、彼女は自立することができる。新羅に頼ることなく自らの存在を保証できるんだから、それは新羅にとって不安な状況ではあるよね。。
 依存の連鎖とでも言えばいいんだろうか。。波江や新羅や誠二や張間セルティには、依存して欲しい、依存されたい、相手を自分のものにしたい、相手は自分のものだ、そんな独占欲のようなものがあるように見える。でも、そういった関係性の中には「相手」という存在が見えないんだよねぇ。。人形を相手に愛でていることと、何が違うのかわからないwこういった特徴を四者に共通させたのはどういう意味があるんだろうか。やってることは四人とも変わらないじゃんw

■新羅の影

「認めたくないんだ。私の首と私の記憶は失われたと…。自分のしてきたことが、この20年間がすべて無駄だったなんて…。」
「無駄なんかじゃないさ…。」

 なんだか新羅が怪しいんだよなぁ。。上手くセルティを言いくるめているという感じがする。。第一、このセリフを言っているときに目を映してないでしょ?これって、映像表現的には言っていることが嘘だというお約束が成り立っている表現なんだと思うけど…。要は、首を追いかけることは無駄だったけど、自分のもとにいてくれた年月は無駄なんかじゃないってことかな?ちょっと含みのある言い方であることは間違いないんだけど、何を含んでいるのかは微妙だよね。。

「君を見て、悲鳴しかあげなかった首と?一人の人間として生きているらしい首をどうしようっていうの?君のために、その首を身体から切り離すとでも言うのかい?」

 こうやって痛いところを突いてくるのもねぇ…w今までだって、「君はそのままでいいんだ」みたいなことを言ってきた新羅でもあるから、よほどセルティに首が戻ることを好ましく思っていないように見える。

「たとえば、体格のあいそうな女の子を見つけて、適当に首をすげかえたんじゃないのかなぁ。できたてホヤホヤの死体があったとか…。」

 ただし、それが今の自分に依存してくれるセルティに対する独占欲から来るものなのか、それとも別の動機があるのかは判断の難しいところだと思う。どうやら新羅って、セルティの首が張間セルティのもとにあることを知っていたんじゃないのかなぁ。。前回でも微妙にそんなことを匂わせる表現があったし、今回だってこれほど実際にあったことを「たとえば」の話とは言えそのまま語っているっていうのは、何かしら裏があることを思わせる部分ではある。っていうか、このセリフは推測なんかじゃなくって、自分の手でやったことなんじゃないの?w基本的に新羅ってマッドサイエンティスト的なキャラクターだから、ありえなくはないと思う。。だとすれば、セルティに首が戻ることを拒むのも、ただ偏愛から来るものではなくって、もっと実際的な問題として実験なんかの名目上で首が戻ると不都合が生じるっていう場合も想定される。さて、どう展開させるんでしょうか。。。

■孤独ながら愛を求める臨也

「楽しみだなぁ、楽しみだなぁ、楽しみだなぁ…。この街は、情報屋の俺でも知らないことが、まだまだまだ溢れ、生まれ消えていく。これだから人間の集まる街は離れられない…。人、ラブ!俺は人間が好きだ、愛してる!!…だからこそ、人間のほうも、俺を愛するべきだよねぇ。」

 久しぶりに楽しそうな臨也を見たなぁwどうやらナクラの名前で張間セルティとメールのやり取りをしていたから、臨也は実際に起こったできごとを俯瞰していたような位置に立っていたんだと思う。さすが情報屋wでも、そのことは波江には伝えてないんだよねww人間観察を趣味とする彼にとって、この渦巻く人間模様っていうのは見ていて楽しいんだろうね。
 たぶん臨也だけが双方向の愛を語っているんだと思う。なのに、相手から愛されないから、ずっと孤独でいるっていう感じwそもそも、人間観察が大好きな臨也にとっては相手の気持ちや言動っていうのがまず第一に考えられることになる。そうすると、相手不在には絶対にならないよねwまぁ、「人間」と押し広げて言っているところからして、それがどれだけ個別の事例にあてはまるのかは微妙なとこなんだけど…。人間から愛されないからこそ「俺を愛するべきだ」とか言っちゃうところは、さっきの波江の歪んだセリフと同じ仕組みのように思える。愛されたいキャラっていうのは孤独だねぇw

バッカーノの悪魔

■微妙な演出

 ちょっと、演出どうしちゃったの?wいろんなところに綻びが見えてるんだけど…。
 最大のミスは誠二が静ちゃんに投げられている場面かなぁ。あれってイマジナリーラインを超えているんじゃないの?静ちゃんが投げた位置から、誠二がトラックにぶつかって、さらには逃げる張間セルティたちが見えるっていう場面について、その空間的な設計がどうなっているのかも理解できなかった。カメラの位置が交錯しているから、方向がぐちゃぐちゃになってるように感じるんだよねぇ。。わざわざ意図的に混乱させることに意味があるような場面ではないし…。第一の不審ですなw
 イマジナリーライン絡みで言えば、誠二が静ちゃんの足にボールペンを刺している場面だって違和感があった。なんだか誠二がふっと湧いてきたような登場だったんだよねwあの状況ならば、誠二は静ちゃんの後ろ側にいたはずなのに、いきなり正面に出てきているから違和感がある。これはイマジナリーラインとは別物なのかもしれないけど、空間的な立ち位置が微妙にズレてるように見えてしまうんだよね。。これが第二の不審。
 それに、時系列に関しても第三の不審がある。Aパートの段階で波江のもとに警察から連絡が入ったのは夕方の場面だった。おそらくはBパートはそれに至るまでの経緯を描いたものであって、最後に誠二が静ちゃんから頭突きをされた後に警察に身柄を押さえられたところでAパートのラストにつながるものと思われる。
 だけどさ、Bパートの冒頭で「きみはまだ追われている」っていうメールを張間セルティに臨也が送っているでしょ?Aパートのラストで警察から連絡が波江に行った状況で、この連続的な表現をやられてしまうと、意味合いが変わってくるでしょ。波江の捜索は警察から連絡があったから解決されるけど、君はまだ追われているっていうメッセージにもなる。だけど、張間セルティの横には誠二がいるんだよねwwってことで、おそらくは波江に連絡が行くまでの経緯をBパートでやってるんだろうなっていう理解になる。でもでも、波江が二人を追っていることは臨也が直接波江に会ってから聞いたはずでしょ?なんで臨也はあの段階で張間セルティに忠告ができたの? 他にも、臨也がセルティへの依頼をしていたでことも理解できないんだよねぇ。。。あれは後になってからキャンセルになったらしい…、と。つまりは、誠二の捜索をセルティに依頼しようとしていたんだけど、静ちゃんの頭突きなんかの後に警察が絡んできたことによって依頼は不要になったということにも考えられる。そうじゃないとも、考えられるwなんだけどねぇ、なんだかつじつまが合わないように感じる。どうも時系列に関して不具合というか違和感を感じるんだよねぇ。。
 まぁ、張間セルティが帝人のノートにある名前を見て、それを臨也に伝えているっていう文脈を映像ながら表現しているところは良かった。それに、新羅の目を映さないで「無駄なんかじゃないさ…。」って言わせるのも、表現として意味のあるものだったと思う。なんだけどねぇ(^_^;)微妙にボロが出ているように感じたw



 静ちゃんって完全に東池袋向けなキャラクターだよね…。脚本に女性が多いのも関係あるんだろうかw「あぁ、俺は大丈夫。痛くないから…。」とか、有り得ないでしょwwどうやら物語は帝人のもとに集約しているようです。彼がキャスティングボードを握ったということかな?セルティも首を求めて帝人を追いかけるし、誠二と波江だってそうなるだろうし、臨也はそんな帝人を観察するだろうし、すべてが巻き込まれ役の帝人に目を向けている感じ。なんだけど、ここに来てセルティの首に関して強い疑問が出てくるんだよなぁ。。あれって、どこに意志が存在するの?張間セルティの感情ってのは誰に由来するものなの?今のセルティはどこで考えてるの?二人のセルティが別々の意志を持っているから、なんだか意味がわからなくなる。。ちょっと設定について、まだまだ理解できないなぁ。。

テーマ:デュラララ!! - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/03/05(金) 22:24:46|
  2. デュラララ!!
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