「二人を助けなきゃって思ったとき、なぜか、怖くなかった…。」
『機動戦艦ナデシコ』#08「温めの『冷たい方程式』」より
以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。
シリアスかと思えば、すぐコメディーにしちゃうんだよね…。そんなバランス感覚がナデシコらしいというか、なんとうかw一方ではフクベ提督との別れがあったり、軍への編入があったり、まさしく戦争の真っ只中にいるナデシコが描かれる。だけど、もう片方ではアキトを中心としてラブコメが展開されていて、戦争やってるようには見えないんだよね。。アキト自身も戦争にどう関わっていくのかといった態度が曖昧なところで、今回はその点について掘り下げたような回でした。
■誰かを守るための戦争
「オレは戦いを好きでやってるわけじゃない!」
アカツキ・ナガレの登場もあって、アキトは自身のパイロットとしての資質について考えるんだよね。なぜ自分はエステバリスに乗って戦争に参加しているのか…。まぁ、相手は無人機なんだし、それほど良心の呵責がないって背景もあるんだろうけど、コック兼パイロットであるアキト自身の問題としてエステに乗る動機付けが必要になったってことなんだろうか。
「何かを守るために、何かを捨てるんじゃ、軍と同じだ!」
そんな疑問の提示があって、どうにか無理やりアキト・ユリカ・メグミの三人の密室状態に話を持っていくんだよね。。あれってさ、完全にご都合主義だよねw第一、遭難したアキトを艦長という立場にあるユリカが迎えに行くのが変だし、加えてメグミと二機で出るっていうのも意味がわからないwwそして、蜥蜴の無人機に追われていたにも関わらず、なぜか追い払われてるし。。いろいろとSF考證的には問題のありそうな場面が多かったなぁ(^_^;)とにかく、一連の展開はあの三人で密室の状態にすることが目的だったわけで、それが達成されれば良かったってことだよね。。
そして、アキトはこんなセリフにたどりつくことになります。戦争をしたいわけじゃないんだけど、軍に入りたいわけじゃないんだけど、今の自分を取り巻く仲間を守りたいから戦いに参加するってことだと思う。
「二人を助けなきゃって思ったとき、なぜか、怖くなかった…。」
決してエステバリスに乗ったことで感じる闘争本能から戦いに参加するわけじゃなくって、誰かを助けたり守ったりするために戦いに参加するってことなんだろうね。実はこれも伏線で、後の話になって木星蜥蜴が同じ人間であるとわかってから、このアキトの意志っていうのが効果的な意味合いを出すようになるから、そういった意味では重要な話だったように思う。
■ゲキ・ガンガー3という物語の背景
アカラ様が出てきてたw「地球人にも愛があるのか!」と驚いていたけど、これも後の展開に向けた伏線だよね。。実際には#16「『僕達の戦争』が始まる」で月臣が「地球人にも俺たちと同じ愛があれば…。」っていうセリフを言っているから、それに向けた伏線だったと思う。とは言え、こんな細かい場面を覚えてないよねwwアカラ様が着ていた紫色の服も木連の服に似ているし、あのアカラ様の存在そのものが木星蜥蜴が人間だったという展開を暗示しているものになっていたことになる。他の場面でもそうなんだけど、たびたびゲキ・ガンガーの内容と本編の内容が重層的な意味合いを打ち出していることがあって、それがナデシコの特徴的な構成になるんだよね。。
★今日のマキ・イズミ★
「聞こえないねぇ、ありゃぁ…。」
とうとうリョーコがアキトのことを名前で呼び捨てにするようになりましたw今まではテンカワとだけ呼んでいたのに、なぜか名前の呼び捨てに…wアキトがピンチになっているときも「アキト~!!」って声を掛けるんだけど、すかさずイズミが「聞こえないねぇ」とか言って、大きな声でリョーコに「アキト」と叫ばせるんだよねw完全にイズミはわかった上で遊んでたと思う。まったく、キャラをいじるのが好きだよねww
今回の冒頭でアキトとイネスさんが手をつないでいたのも、最終回までつながる伏線なんだよね。。なんだかコメディーをやたらと展開しているから気を抜いて見てしまうけど、意外なところで細かい伏線が張られているんだよね。。なかなか、あなどれません(^_^;)ルリルリも遊ばせ始めたしねぇ。。だいぶ世界観が落ち着いてきたように思います。