土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『デュラララ!!』#12「有無相生」の感想。

「本当に日常から脱却したければ、常に進化し続けるしかないんだよ。目指すものが上だろうが、下だろうがね。日常を楽しみたまえ。」
『デュラララ!!』#12「有無相生」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 よかった…。よかった、よかった。。こんなふうに料理できるものなんだね、やっぱり『デュラララ!』の演出はスゴいよ。。見事にまとめあげてきた感じだった。そして、原作者の成田さんに少しばかり嫉妬をしてしまうくらい、恋愛のオチがよかったwあんなセルティは可愛い過ぎる!!やっぱり非日常は日常へと回帰していくもんなんだよね。まさしく、非日常は日常空間を規定するための一時的な仮想空間でしかないのだよ。いやぁ、物語の仕組みといい、演出といい、大満足でした。。

■落とされたセルティ

「君は次にこう言いたいんだ…。お前は知っていたんだな、私の首があの研究所にあることを。お前の親父も、お前も、最初から矢霧製薬に協力してたんだな。もしかして、私から首を奪ったのは、お前の親父じゃないのか。それなのに、お前は私にそれを隠し、死にかけた女の顔を勝手に切り刻んで…。私も化け物だが、本当の意味で人を食らうお前こそが化け物だ!…ってとこかな。」

 やっぱり新羅は知っていたんだね。。#09「依依恋恋」のときに新羅の眼を映さないでセリフを言わせていたから、だいぶ新羅が首のことを知っていることは予測できていた。今回も首に関することを言っている場面では、新羅の眼を映さなかったりメガネを白く塗りつぶしたりしていたからね。。それにしてもさ、さすがに新羅はセルティの気持ちを代弁し過ぎでしょwいくら気持ちがわかるからって、ここまで正確に言い当てるのは有り得ないと思ってしまうw

「お前は私の考えてることがわかるのか…、かな?うん、わかるよ。君のことが20年も好きだったんだ。これぐらいのことはわかる。」
「何をいまさら、ならば、なぜ今まで首のありかを黙っていたのだ。」
「君が好きだから。だからこそ、首のありかを黙ってた。首を手に入れたら、君がどこかへ行ってしまう。それが僕には耐えられない。君の幸せのためなら諦める、とは言わないよ。これは君と僕との愛をかけた戦いだ。僕は決して君を離しはしない。そのためなら、他人の愛も死も僕自身も、矛盾してるようだが、君の想いすらも利用してみせる。」

 もっとダークな展開を予想してたんだけどなぁ、見事に新羅がクリーンヒットを打っちゃったよw新羅にとってしてみれば、セルティを自分のもとから離したくないっていうのはわかる。それだけだったら、新羅の恋っていうのも誠二なんかと同じ偏愛であって、相手不在の一人よがりな恋愛なんだと思っていた。でもさ、ここまでセルティの気持ちを代弁されちゃうとねぇw最後に二人で殴りあったり、抱き合ったり、もうニヤニヤしながら見てたよw
 う~ん、セルティが首を心底求めていた気持ちは理解できるのに、でも、自分の思うようにずっと側にいて欲しいから首を隠すって新羅は思うんだよね。。何か変なような…wそれって、、やっぱりセルティの気持ちは考えられてなくって、新羅の一人よがりを延長しているだけなんじゃないのかなぁ。。首がなければ新羅のもとを離れてしまうっていうのは、それはセルティの問題じゃなくって新羅自身の問題になるでしょ。それを恐れているっていうのは、どうも勝手な気もするなぁ。デュラハンっていう特殊な相手と設定だから微妙なところだけど、ちょっと疑問ではある。果たしてセルティと新羅の恋愛は双方向のものなのかって考えると、、最後の最後で新羅の言う「君の想いすらも利用」されてしまっているように見える。上手く言いくるめられたというか、セルティもシチュエーションに落とされちゃった感じだねwセルティも可愛らしい女の子だってことなのかな。。まぁ、見事なオチだったと思う。

「自分で自分の死を管理したいと思うから、首を求め続けていたんだ。」

 んで、首どうすんの?wここまで追い求めていたのに、首を手元に置くことは止めるの?二人の関係がハッピーエンドに終わったのはいいけれど、第一に首を手元に置くっていう話が出てくるんじゃないのかなぁ。。ここが棚上げになっている気がするwそこは新羅に譲って、首を手元に置いたらセルティがセルティでなくなるっていうことで、今の新羅との関係を優先したセルティは首を諦めたっていうこと?ちょっと新羅に勝ちを与え過ぎじゃないのかなぁww首の補完場所はわかっているんだろうから、新羅から聞き出せば、なんとか首を取り返すこともできるだろうに…。
 この点、もう少し掘り下げて欲しかった。セルティはどんな判断のもとに、首を手元に置かなかったんだろうか。もしも自分が新しい今のセルティとしてのアイデンティティの獲得に重きを置いてのことであれば、それは一つの大きな意味を持つことになると思う。要は、デュラハンとしての過去を捨て去って、新羅とのラブラブな生活を選択したっていうこと。化け物としてのデュラハンに戻るのではなく、新羅の彼女であるセルティでいることを選択したっていうこと。これって、大きな選択でしょ?その経過を描かずに、新羅のくどき文句のもとにうやむやなまま次のストーリーに進むっていうのも味気ないよ…。セルティは普通の女の子になっちゃったんだろうか…w

■上級者過ぎる誠二と美香

「ま、君は本物と偽者の区別すら付けられなかったわけで、あんたの愛はその程度ってことだねぇ。ご苦労さん!」

 イザヤ…、あの位置にいるのは完全に配置からしておかしいでしょwまったく、このセリフを言わせたいがために、無理して位置をああした感じだよね。。いやぁ、イザヤも面目躍如たるセリフだったねww気分爽快!!ww
 事の真相は張間美香がセルティの首を演じていたっていうことだったんだよね。誠二が美香を殺していたときに不思議と顔の部分を映さなかったから、何かあるとは思っていたけど…。っていうかさ、美香がストーキングしている場面って小説では一番最初に描かれているんだよね。。ここらへんも、ストーリーを整理した演出の妙ってところ。いやぁ、よかった。

「君に何がわかる?俺はガキの頃から、彼女をずっと見続けてきた。解放してやりたかった。広い世界に、自由にさせて、俺もその場所で一緒に暮らす。そんなことばかり、いつもいつもいつもいつもいつもいつも考えてきた。やだなぁ、愛の力は誰にも止められないんだよ?それに引き換え、お前はなんだよ。さっきも今も、数だけに頼って…。俺の愛はこの程度じゃ砕けない!」

 勝手な妄想だよね…。。っていうか、セルティは首だけだから、喋らないしwwなのに、その首の気持ちを知っているかのように語る誠二。。やっぱり帝人の言う通り、張間美香と二人は似ているよね。もう愛してる自分が好きなのか、相手の気持ちも不在なまま、人形を愛でることが好きなんだろうねw人形は話すことがないから裏切らない、自分が妄想している気持ちを簡単に押し付けることができるから完全に両想いになれる、そんな閉塞した関係性に魅力を感じているんだろうか。。
 これって、少なからず新羅にも共通しているよね。今の関係のままだったら、ずっと幸せでいることができる。首を取り戻そうとするセルティの幸せなんてどうでもよくって、自分の愛のために犠牲になってもらう部分もある。。どちらのカップルも最終的にはいい雰囲気になっている様子が描かれてはいたけど、あんまり好きになれないなぁ。。

「俺は、お前を愛していない。だけど、お前を見ている限り、俺は彼女への愛を忘れることはない。だから、俺はお前の愛を受け入れる。いつか、彼女の首を取り戻すまでは…。」

 なんだ、この歪んだ恋愛の理由は…w上級者過ぎる…wwもはや二人ともストーカーだから、理解を超越している関係だよ。。前回の話では帝人が「ありふれてること」の力を語っていたし、今回だって日常への立ち返ることが大事だみたいなことをイザヤも言っているけれど、描く恋愛は飛びぬけたのばっかりなんですねwお約束や無理やりのハッピーエンドが大好きだとか言わせておきながら、結局は人目を惹くような「ありえない」恋愛を描いているんじゃん。。ちょっとずるいかな。まぁ、今回の二組のカップルだって、無理やりのハッピーエンドだったけどwそれもまた一興なのか…。

「えっと、君が命をかけて彼女を取り返そうとしたことはスゴいと思う。僕は張間さんのことを誤解してました。確かに彼女は性格に問題があるけど、決してストーカーじゃないです。だって君は、矢霧くんのために命を張った。それは、自分の身勝手な欲だけじゃできないことなんじゃないかな。殺されかけた相手をまだ好きってのは、スゴいと思うよ?いろんな意味で。張間さんは、矢霧くんとスゴく似てるんだと思う。」

 フォローするタイミング間違ってるでしょwいつも帝人ってなんだかズレてるよね…。正確な分析はここで必要ないし、二人も聞いてないでしょ。。っていうか、十分、張間美香はストーカーだしw帝人は「自分の身勝手な欲だけじゃできない」と言うけれど、それも違うんじゃないのかなぁ。だって、自分の身勝手な妄想を相手に押し付けて、それを貫徹するために命を張っているだけなんだから、結局は自分のために命を張ってるのと同義になるんだと思う。別に彼らは相手の感情や情動なんてのは考えてなくって、相手不在のまま恋愛が成立しているんじゃないの?それって尽くすとか相手の立場を考えるとかっていう関係じゃないと思う。だからこそ、張間美香は誠二に「お前を愛していない」と言われても平気なんでしょ?二人の関係性には付いていけないよ…(^_^;)

■日常への回帰

「ただ、帝人くんは日常からの脱却を夢見ているようだけれど、東京の生活なんて、半年も過ぎれば日常に変わるよ?さらに、非日常に行きたければ、よその土地に行くか、あるいはもっとアンダーグラウンドなものに手を出すしかないねぇ。でも、そっち側も踏み込めば、たぶん三日で日常になってしまうんだろうねぇ。本当に日常から脱却したければ、常に進化し続けるしかないんだよ。目指すものが上だろうが、下だろうがね。日常を楽しみたまえ。」

 非日常の世界を描いてきておいて、結局は日常への回帰を促すんだよね。。まぁ、常套手段かな…。たとえば、お祭りなんてのは非日常の典型だと思う。あそこでは神輿に挟まって人が圧死しても事件にはなることはないだろうし、交通ルールは無視するし、おいしいお水をみんなで昼間から飲むし、とにかく日常では有り得ないルールのもとに執り行われる。とにもかくにも、あれっていうのは日常のルールがどうして必要なのかっていうのを客観的に再認識する意味合いもあるんだろうね。非日常になってこそ理解できる日常の規則の意味合いみたいな。。非日常は憧れの対象ではあっても、非日常そのものになってしまってはダメなんだろうね。それと同じように、今回の『デュラララ!』の描いた非日常も日常の風景を客観視するための仮想空間だったっていうことだと思う。「日常を楽しみたまえ!」とはよく言ったもんだ。
 こういった日常への回帰を仕込んだ作品としては『涼宮ハルヒの憂鬱』が先行している。あれも、散々にハルヒが非日常への橋渡しをするんだけど、最後の最後でキョンが日常の大切さや面白さに気付いて元に戻るっていうシナリオだった。ほぼ同じ路線なんだよね(^_^;)いやぁ、ハルヒも先見の明があったというか、なかなかどうして流行る理由もあるもんなんだね。。

「矢霧波江の行方は知らない。だが、どうでもいい。私は私、何ら不足はない。いつも通りの日々。過度の希望も絶望もない日常。何も変わらない。だが、なんという充実感に満ち溢れていることか。私はここにいる、あなたはそこにいる。私があなたの救いなら、あなたも私の救いだ。」

 こうやってセルティが日常の側に来ちゃってることからして、彼女も普通の女の子になっちゃったって感じがするよねw幸せそうだなぁ。。。これこそ、まさに非日常を味わった後に感じる日常の充実感なんだろうか。彼女はもう「進化」することはないんだろうね。ずっとこのままなのかもしれない。結婚のことを「墓場」だなんて言う表現はよく聞くけれど、恋愛という非日常も結婚という日常になると閉塞感たっぷりの進化しない関係性のもとに充実感を味わうことになるんだろうね。日常万歳って感じww



 お祭りが終わっちゃった感じだよねぇ。最後のほうでセルティがナレーションをやりながら帝人たちの生活を描いているあの場面、読後感の余韻とともにすぅっと物語がひとつの区切りを迎えている瞬間っていうのは、たまらなく幸せな気分になる。まだまだ次回からも続くんだろうけど、二つの恋愛のオチとともに気持ちよくEDを見ることができました。

テーマ:デュラララ!! - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/03/26(金) 04:42:06|
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