土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『テガミバチ』全25話の感想。

「危険を承知で、手紙を運ぼうとした君のお父さんは、手紙の大切さを知っていたんだと思う。その心を無駄にしちゃダメだ!手紙は必ず届ける。アンのお父さんの心と一緒に、僕が必ず届けます!!」
『テガミバチ』#23「ハニー・ウォーターズ」

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 ロダってメスだったんだ!w今シーズンの最後にして衝撃の事実だったよ…。おそらくは最初から次のシーズンがあると想定された上で組まれていたのではないだろうかと思うほど、今回の25話分はまったりしていた感じがした。話の決着もほとんどついていないし、というか、本筋たるべきゴーシュの後追いや首都の話に関してはほとんど触れられなかった。今回の感想はあくまで中間報告的なものとして書きます。ちなみに、印象としては今のところ星はひとつっていうところかな。心を届けるテガミバチを中心としたファンタジーの基本的な世界観や設定には奥深さを感じるけれど、中身がどうしようもなく薄っぺらになってしまっているように思う。ラグ・シーングの成長を描きながら世界観の説明ともどもボトルショー的に挿話を行っているけど、人間ドラマとして浅い部分にしか触れていない感じがする。せっかく話数には余裕があるんだから、もう少し掘り下げてほしかった。本筋を追いかけないで人間ドラマを描こうとしている中で、その部分が薄っぺらになってしまっていることは致命的と言わざるをえない。

■ハイファンタジーとして

 ファンタジーをやるからには、もっと人間の普遍的なありようみたいなものを徹底して描かなければならないんじゃないのかなぁ。。世界が虚構として組まれているだけに、そういった面で現実世界とのつながりを保たないと、作品として何も訴えることがなくなってしまうように思う。あぁ、こういう世界だったら夢みたいで楽しいですねってだけじゃぁ、ファンタジーとしては成立しない。とりわけ、25話も尺があったんだから、もっと中身を盛り込んで欲しかったなぁ。本筋と言えるようなゴーシュ絡みの話って、そのうちの数話程度でしょ?今回のシーズンの大枠は主人公たるラグ・シーングの成長譚にあって、テガミの配達に伴ってゲスト出演するキャラクターたちの人間ドラマだった。心を届けるのがテガミバチの仕事なんですと言いながら、描かれる気持ちっていうのはどこかで見たことのあるような手垢のついた人間ドラマでしかなかった。まだ子ども向けの童話とかだったらわかるけど、深夜帯でしょ?っていうか、童話のほうが、まだ普遍的な人間性みたいなものにあふれていて中身が充実していると思う。それくら貧弱なドラマしかなかったかな。。
 ファンタジーの代表でもある『ロード・オブ・ザ・リング』とか『ゲド戦記』をはじめとして、多くのファンタジー作品は虚構世界での人間のありふれた行動原理やら感情の起伏やら人間関係といったものを描いてきたと思う。そりゃぁ、魔法とか妖精とかが出てくるって言えば夢みたいで楽しいけれど、別にそれを本題として描いたわけではない。指輪物語なんてのは、これ以上ない緻密な世界設計と土くさい生の人間やエルフやドワーフの生活を描いたものだった。とこに投影されるのは現実の人間の生活であって、そういった人間ドラマまでが嘘八百の虚構であることは決してない。日本の作品で言えば、『十二国記』がアニメ化されたファンタジーとしてあるし、それも主人公の精神的な成長を精密に描いてみせたものだった。それに、最近の『精霊の守り人』だって、主人公の成長とそれを取り巻くキャラクターたちの人間ドラマを主に描いたものだった。ファンタジーと言えば、そういった印象が強くある。
 あるいは、ノンフィクションとして描くには憚りのあるような内容を虚構の世界で風刺するっていう方法もある。実際の現実社会でのこととして描くとリアル過ぎるけれど、虚構の世界で思考実験的に物語を展開することで浮かび上がる人間模様だってある。特に『ハリー・ポッター』なんてのは皮肉や風刺が随所に見られる作品だったし、最新の『十二国記』シリーズである「落照の獄」だって裁判員制度へのアプローチをやった内容だった。
 どこかのキャッチコピーか文章で『テガミバチ』を「ハイファンタジー」として捉えているものがったけど、どこが?って感じ。いかにもライトノベル的な軽いノリのファンタジーだよねw描かれるべき「モノ」がまったくと言っていいほどない。そもそも「ハイファンタジー」なるジャンルの定義が微妙だからよくわからないけど、ファンタジーとしてもお粗末な感じはするよね。。何度も繰り返されるラグ・シーングの「テガミは心を届けるものなんだ」っていう言葉が、口だけに聞こえて上滑りしてて、空虚さが際立って響くよ。。

■バリエーションのない女性像

 すいずん勝ち気な女性が好きな人なんだねw出てくる女性がほとんど同じ性格な気がする…。シルベットがその代表格だと思うんだけど、他にゲスト出演する女性がそろって似たもの同士だった。ハニー・ウォーターズにいたサラやアン、ユウサリでパン屋を営んでいる夫婦のサラ、すでに亡くなっているテガミバチのエレナ、他にも名前も忘れるくらいのゲストキャラも含め、どことなく同じ匂いがする。男に対して勝ち気に振舞うんだけど、いざというときになると、ほろっと弱弱し一面を見せるような感じかなぁ。。外観は変わるんだけど、物事に対する考え方とか反応とかが同じで、基本的なスペックが一緒って感じ。ここらへんも貧弱な中身って感じがする一因だと思われる。

■まだ見えない世界観

 結局、アカツキの太陽がなんなのか不明なまま、飛行船に関する話はちらっと伏線を張っただけで手付かず、身分制度によって居住地区が分かれることについても説明がなく、ゴーシュ失踪の理由や消息も最後になって本人を登場させただけだった。いろいろと気になる設定を見せびらかしてはいるものの、それらの成立している背景や具体的な話はほとんど触れてこなかった。これで25話もやったんだから、ある意味ではスゴイよねwしかも次のシーズンが折り込み済みで決まっているとは…。よっぽど次のシーズンは面白くなるんだろうねww



 どうしてこんな企画が通ったのか不思議でならない…wどんな視聴者層をターゲットにしていたのか見えないんだよね。。。ジャンプで連載しているからっていうだけじゃ根拠として薄弱だろうし、別に従来のアニメの主要なターゲットである「オタク」と呼ばれる層に受けるような要素もツンデレと幼女と声優ネタくらいだったw野心作や意欲作として世に送り出すほどの作品の質があるわけでもないし、なんだか検討がつかない。。次期の展開に期待です☆

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/03/31(水) 00:01:00|
  2. テガミバチ
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