土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』#12「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」の感想。

「ねぇ、アキラ。誰かを愛するのってきっと、その人に狂うってことだよね?そう…、私も、そして君も、狂ってる。蝶のくせに花に焦がれて、身体も心も、血の一滴まで捧げても後悔しない。」
『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』#12「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 まさか美刃がラスボスだったとは…w考えてみれば解りきった伏線だったのに、ずっと気付かなかった。。ちょっとショックだね(^_^;)てっきり、前回の流れからはミナと美刃とアキラの三角関係を展開させるのかと思ってたよwwいやはや、三人目の刺客が美刃だとはつゆとも思わなかった。ただ、最終回のオチの付け方としては、少し強引な感じもして微妙だったかなぁ。。三支族との主従関係に関してもご都合的に片付けちゃった感じだし、結局は裏ミナ姫の登場で二期フラグを立てていながら、終わったのか終わらないのか中途半端な形で終わったように思う。ミナ姫を中心として政治や謀略といった要素を割合に強く打ち出していながら、その面については設定の甘さも見られたかな。やっぱり、ミナとアキラの恋愛物語ってところが一番の見所だったみたい。中でも、ヴァンパイアが永遠の寿命を生きながらえる上で、世の中と自分を結びつけるために愛情や忠誠といった気持ちを誰か特定の対象に抱かずにはいられないという設定が上手く生きていたと思う。何も現世に執着することがなければ、永遠の命とは言っても呆けちゃうよねw逆に、命に限りのある一般的な人間からしてみれば、死ねばすべて終わるという観念から、執着を嫌ったり、恋愛といっても一過性のものになったり、そんなこともあり得る。そんな人間と対照されたヴァンパイア設定のもとに、アキラとミナの恋愛や、ヴェラや会長の忠義や偏愛といったものが展開されていて良かった。でも…、それだけだったかな。。。ちょっとミナとアキラの恋愛を成立させるために強引な展開が用いられた気配もあるし、作品世界の深みはそれほどなかったように思う。

■身も心も相手に捧げる愛

「忘れないで、蝶がどれだけ望んでも、花とは決して結ばれないってことを…。」
『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』#10「ワルプルギスの夜」より

 結局は、この風蝶草の喩えがミナとアキラの恋愛の背景にずっと張られていて、ミナが永遠の命を生きるよすがとしてアキラを恋愛の対象として離さないということの二点が大事な設定だった。前者に関しては、いわゆる実らない恋や障害のある恋といった典型的なパターンを呼び起こすものだった。後者はヴァンパイアを登場させる物語という特性から、ヴァンパイアらしい要素として恋愛にからめられていた。これがなかったら、単なる人間同士の悲恋と変わらなくなっちゃうもんねwヴァンパイアの物語を成立させるためにも、後者の設定はかなり重要だったと思う。今までの『BLOOD+』をはじめとしたヴァンパイアの物語と比べても、その点では新しい要素だったと思うし、よく考えられた設定だと思って感心しちゃったw

「これが…、これが姫さんの作り上げたもの。姫さんの、守ろうとしているもの。」

 ミナ姫のクローンみたいなものがたくさんいる場面を思い出して、ミナ姫に対して疑心が生じたアキラだった。けれど、牙なしの人々がミナ姫に大きな期待を抱いていると知って、アキラはミナ姫への忠誠を再認識することになるんだよね。もしもミナ姫がクローンだったりしても、今のミナ姫がやっている政策によって牙なしたちが恩恵を被っていることになる。っていうことは、それだけ今のミナ姫は大切な存在としてバンドの住人の気持ちに投影されているってことだよね。たとえミナの出生にどんな秘密があったとしても、とにかく今のミナ姫は守るべき存在に値すると実感した瞬間だったと思う。

「もし記憶が完全なら、君は今と同じ態度でいられるはずがないからなぁ。君がそれを取り戻したとき、どんな反応をするか…。それ次第では、俺は三支族の味方をするかもしれない。」
『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』#11「アンダーワールド」より

 前回の話の中で、俺は姫様を絶対に守るんだとか青臭いことを言うアキラにアルフォンソ・ボルジアーニがこう言ってた。あのときは意味がわからなかったんだよね。。アキラの記憶が解禁された今となっては、要はアキラがミナ姫に疑心を抱いて反旗を翻す可能性があることを示唆していたことと推測される。その場合には、アキラのことを殺すっていうことなのかな?ってことは、今回の牙なしの人々を登場させて、わざわざ今のミナ姫を持ち上げるような三文芝居をやらせたのも、アキラにミナ姫への愛情や忠誠に揺らぎを持たせないようにするためだったと思われる。でも、ちょっと説明が足りないよねw文脈が飛んでいるというか、急に牙なしがミナ姫を持ち上げるもんだから、ちょっと戸惑う。。

「ねぇ、アキラ。誰かを愛するのってきっと、その人に狂うってことだよね?そう…、私も、そして君も、狂ってる。蝶のくせに花に焦がれて、身体も心も、血の一滴まで捧げても後悔しない。」

 ここで美刃が風蝶草の比喩を最大限に生かして死を迎えることになる。たとえ相手と同じ種族でなかったとしても、相手に身体や心を捧げることこそが愛するということだって言っているんだよね。要は、愛情とは相手に尽くすという主体的な行為によるものであって、それを受け入れてくれさえすれば相手との間に身体的な一致がなくとも構わないっていうことなんだろうか。ヴェラにとってのミナ姫であったり、会長にとってのゆづるくんであったり、ヴァンパイアが永遠の命を生きながらえる上で執着の対象となる相手が必要であり、その相手に衷心から愛情を以て接するということの意味がここにも反映されていたように思う。ここらへんの「愛」に関する描写は、この作品の一番のポイントだったよね。良かった。

「また…、泣かせちまった。」

 にしても、アキラのダメっぷりは最後まで発揮されていたよねwこんなアキラのどこがいいんだか、、ミナ姫もどうしようもない男を見初めてしまったもんだよねwそれが最後、永遠の命とともに終身かけてアキラのことを思い続けるとは…。そのほうがよっぽど悲劇だよww

■美刃というキャラクターに見る矛盾

「あの方は、私に生きる意味をくれた。私と同じように虐げられ、存在を消し去れて…。それでも強く生きようとする、私の姫様。」

 美刃も裏ミナ姫に自分のすべてを捧げたタイプだったってことだね。でも、このキャラクターに関しては矛盾や疑問がたくさんあって、作品の中で上手く機能していなかったと思う。
 前回まではアキラを自分の側に引き込もうとしていたけど、アキラがミナ姫との関係を諦めないと悟ってからか、今回は容赦なくアキラを殺しにかかってきていた。でもさ、なぜアキラを引き込もうとしていたんだろうか。殺すタイミングならたくさんあったはずだし、最後の最後でわざわざ正々堂々の勝負をしなくっても良かったと思う。そこらへんは、最後くらいアクションでしっかり動かそうだとか、何か物語の山場が欲しかったっていうことなんのかなぁ。。

「ねぇ、アキラ…。どうして私達の姫様は、一人じゃなかったんだろうね。」

 とは言え、やっぱり美刃自身はアキラが同じ扱いを受けてきた、同じ境遇の存在ということもあり、少なからず共感する部分もあって自分と一緒に行動して欲しい気持ちがあったのかもしれない。そういった意味では、美刃とアキラの恋愛関係っていうのは、アキラとミナ姫の愛とは別種の意味で成立していたんじゃないのかなぁ。。要は、相手に無償の愛を捧げるというよりも、双方向にお互いに共通する部分が多くあって、それをきっかけに行動を共にしたいという意識が芽生える感じ。これはこれで、もうひとつの恋愛の形態が示されていて良かったように思う。

「お前言ったよな。本当にわかりあえるのは、俺たちだけだって。確かに俺たちはよく似てる。なら、わかるだろ?俺が約束した姫さんは、あの姫さんだけだ!」

 けどさ、これを言ってしまったら風蝶草の喩えが生きてこなくなってしまうwアキラは相手に自分を捧げる愛を選んでミナ姫との関係を肯定するんだけど、美刃だって裏ミナ姫と同じ関係にあったってことでしょ?だとすれば、美刃は風蝶草の喩えを使ってアキラのことをどうこう言うことができないじゃんw結ばれないとわかっていながら相手へ奉仕するっていうのはアキラも美刃も同様に行っていることだし、それを言ったら美刃は自己否定を行うことになりかねない。単にアキラをおちょくって、ミナ姫のことを諦めさせようとして言う方便だったならわかるけど…、そんな節はなかったしね。ミナ姫に対して裏ミナ姫を登場させたのと同様に、アキラと美刃が対応する関係に位置づけられるからには、こうなると風蝶草の比喩を美刃がアキラに突きつけることの意味合いが格段に落ちてくる。だって、美刃の言っている喩えは、そのまま自分にも当てはまることなんだよ?自虐ネタっていうか、そこらへんわかってやってるんだろうか。。
 それに、今回の話で美刃がテロメアの一派だということがわかった。その上で、美刃は裏ミナ姫を世界の王として据えることを考えていた。でもさ、学校の教会を襲ったテロメアを率いていたジャン・マレイ・デルマイユはミナ姫を世界の王にしようとしていたよね?ここらへんの整合性はどうするの?wテロメアって内部で対立でもあるんだろうか。。でも、そこらへんは描かれないわけだから、話の筋としては明らかな矛盾が生じることになる。

■安易な文藝性への志向

「クレイドルと呼んでおる。生きとし生きるものすべてが、生ある故の幻想から逃れ、永遠にまどろむためのゆりかご。」

 まどろっこしいw要は墓場だって言いたいんでしょwwこんな臭いセリフを言わなくってもいいよ。。前も『赤毛のアン』だとか、ミナの博識な文学作品の知識とか、やけに背伸びしたような表現が目立った。
 考えてみれば、この作品の描く恋愛って、悲恋だとか障害のある恋にしても、既存の作品が多く描いてきた典型とも言えるようなパターンをなぞっているようなもんなんだよね。身も心も捧げる愛っていうのも、何かしら踏まえた作品があるんだろうし。。こういう内容を漫画やアニメでやるっていうのは、ある意味では他のジャンルから要素を輸入することになるからいいんだろうけど…。でもさ、あえてアニメでこういう類のことをやらなくってもいいよねwそこらへんは高尚と言われる小説様に任せておこうよwアニメはアニメらしく、アニメが築き上げてきた文脈の中で作品を作ればいいと思う。



 あんな脅しで三支族が頭を垂れるわけないじゃんwあそこでミナ姫に従ったところで、結局は後継問題では三支族に頼らなければならないわけだし、軍事的に三支族に負けたミナ姫勢力が単に直系だという理由だけで三支族を従えることは無理でしょw協調して攻めてこられたら終わりだし。ちょっと最後の三支族は料理しきれなかった感じ。シャフトも今までとは雰囲気の違う作品に手を出したけど、それほど振るわなかった感じだよね。。結局、どこまで行ってもシャフトはシャフト。可もなく不可もないような、人口に膾炙するだけの作品に終止する域を抜け出せない感じがする。そんな俗っぽいシャフトが純愛や文藝性に手を出してみたはいいけれど、やっぱりそれ以上にはならなかったかな。二期は遠慮しますw

【言及リンク】
http://blog.livedoor.jp/koubow20053/archives/51526328.html

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/04/01(木) 22:00:00|
  2. ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド
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