土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『HEROMAN』#06「バックラッシュ」の感想。

「街に居ついたスクラッグもまだ追い出せてないんだぜ。」
「でも、ホワイトハウスを無視するわけにはいかない!」
「センターシティーはどうなってもいいのか!?」
「もちろん、よくない…。」
『HEROMAN』#06「バックラッシュ」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 心に響いて来ないなぁ。子ども向けということで内容をシンプルに簡略化させているのはわかるんだけど、必要な部分まで削ってしまって何も残っていない気がする。やっぱり簡略化なら『アンパンマン』とか『おじゃ魔女どれみ』とかのほうが、よっぽどスマートにやっていると思う。ベタをベタとしてやるには、あまりにも真面目にやり過ぎていて白けてしまう。全体的にツッコミ待ちなセリフや展開も多くあって、本来ならばギャグにしかならないようなものをシリアスにやっているところが不味いのかもしれない。中身が何にもないにも関わらず、ギャグでもないっていうのが厄介なのかなwう~ん、王道にもならないし、ベタな勧善懲悪にしても実りのない感じ。別に鬱な展開を求めているわけではないんだけどね…(^_^;)せめて、もう少しジュブナイルな要素ぐらい持ち合わせて欲しい。

■煮え切らない内面描写

「街に居ついたスクラッグもまだ追い出せてないんだぜ。」
「でも、ホワイトハウスを無視するわけにはいかない!」
「センターシティーはどうなってもいいのか!?」
「もちろん、よくない…。」

 ここらへんに見られるジョーイの葛藤は以前から進展がない。ヒーローとして人助けをする責務を果たすことを念頭に置けば、当然のこととしてスクラッグを蹴散らして「みんな」を守らなければならない。だけど、ジョーイが戦う動機としては身近な人を守ることが優先されてしまっていて、いまだヒーローに求められる公共の精神までは踏み込めていない段階にあるらしい。
 とは言え、展開としてホワイトハウスに迫るタマを止めるのも、センターシティーを守るのも、どちらもスクラッグの母船を攻撃すれば解決するっていう方向に導いてしまった。結果、この悩みは解消せずともヒーローすることができてしまうんだよねwなんのために、ジョーイに悩ませたんだか…。

「危険なのはわかってる。でも、これは私の問題でもあるの!お願い、手伝わせて。」

 今回はリナとジョーイの関係性が進んだ。兄貴がいないだけに、リナも好き放題だねwっていうかさ、手伝う気持ちがあるのならば、まずはチアの衣装を着替えて来い!!w
 そんなツッコミもなんのその、「私は大丈夫よ、ジョーイ。」と言って強がってみせたり、急に自分も手伝わせろと会話に入ってきたり、フリーダムな感じだったw本気で兄貴のことを助けようとしているのか、ジョーイの気を惹きたいのか、はっきりして欲しいところ。自分の兄が肉体を改造されて洗脳されたショックがあるにも関わらず、これほど精神的に安定した状態でいるっていうのはリアルさに欠ける。

「リナは強いんだね。他のみんなは、もうとっくにこの町を逃げ出してるのに…。」
「私だって怖いわ…。それに、ジョーイに比べたら、こんなの大したことないわ。」
「そんな、僕なんて…。」
「なんで、こんなことになっちゃったんだろう。ちょっと前まで、普通に学校行って、普通にチア・リーダーの練習して、普通に友達と遊んでたのに…。お兄ちゃん…。」

 ジョーイの行動のどこに強さを感じているんだろうか。。具体性がない分だけ、より一層、リナがジョーイの気を惹こうとする気持ちが表面に出てきている。お兄ちゃんのことを心配もしていて、忙しいことだ…wどっちにしても、中途半端にそれぞれの思いを表出させているから、どうもリナのキャラクターが定まらないような感じだよね。兄の洗脳を嘆くならもっと他のセリフが出てくるだろうし、自分も鉄だって兄を助け出そうとするのであればジョーイに構うのも不思議だし、煮え切らないなぁ。。そこがいいところなんだろうか…。

■ご都合のもとに文脈を失った表現

 一番の問題は文脈もなしにストーリーが展開していくため、あらゆる言動が記号化されて見えてしまうところにあるんじゃないだろうか。ベタはベタでいいんだけど、ベタの上にベタを重ねてしまうから、砂上の楼閣の如く安定感がなくなってしまう。
 早くもウィルに対して「お兄ちゃん」とリナが叫んだことで、過去の記憶が呼び覚まされて自我を取り戻すっていうパターンはいかにもベタだった。スクラッグは「記憶領域に外的ショックを受けた。」と分析しているところから察するに、彼らは兄弟愛などの感情に対して疎いのかもしれない。これって、後々の伏線でもあるんだろうか…。味方が敵に洗脳されてしまうっていうのはベタな展開なんだけど、それまでウィルが「自分がヒーローになる」と言ってジョーイを敵対視していたセリフが生かされずにいて消化不良ではある。ここらへんは文脈の断絶を感じるところで、単に敵に洗脳される味方というパターンを継ぎ接ぎした印象を受ける。
 他にも、核の使用を躊躇う大統領っていうのも滑稽だったwもはや、核の発射スイッチを握る大統領の権力に付きまとう葛藤をヒーローちっくに描いただけで、なんの内面描写も引き出すことができていない。ジョーイたちに休息が必要だと言っていたにも関わらず、眠ることなく買出しに出るジョーイとリナというのも不自然ではあった。スクラッグに「見つかった!」と言っていたけれど、あんな目立つところにいたら見つかるのは当然でしょw単にジョーイたちをデントンハウスから追い出すきっかけを与えるためだけの、強引な展開にしか見えない。サイだって戦車の上に乗っかってカッコつけてる場合じゃないでしょw
 様々な表現に理念を感じない。キャラクターの息遣いが感じられないというか、簡略化するあまりに表現が記号的になってしまって、物語の奥行きを失ってしまっている。ジョーイはしばしば「僕も戦わなきゃ!」と言って前線に立つけれども、その動機すらまともに描かれたことがない。大人向けにしては他の作品に比べて極めて薄っぺらになっているし、子ども向けにしても子どもをバカにしているように思う。コンセプトがわからんw

■ぬるい兵器

 あの「敵ですよ~」「悪ですよ~」っていう記号しか背負っていない兵器には愛想が尽きてしまうw
 あのタマって各地に散った上で母船と同様にキノコ型の基地へと変化するんだろうか。そうなれば、少しはまともな兵器に見えるんだけど、無人なんだよね?ダメじゃんw各地の首都を知っているくらい情報収集をしていながら、なぜ初回ではヘボ研究者を捕獲しようとしたんだろうか…。もはや設定にすら場当たり的な感じさえ漂っているw第一、同じタイミングでトゲを出すからって、どうして無人だと言えるんだろうか…。それに、無人だったとしたら、兵器としても効率の悪いことになるように思う。同じタイミングでヘリに攻撃って、どんだけバカなんだよww
 それに、今回の見せ場で戦った三角錐の敵もなんだったんだろう…。あんな浮遊技術があるのであれば、タマよりも早く首都への侵攻が可能だと思うんだけどねw単なるヤラレ役として出しただけなんだろうか。。なんだろう、兵器としての理念が感じられず、本当にジョーイたちを打倒しようとする意図が感じられない。

■独善的な内容を示す素地

 大統領を前にした会話で、タマが国境を越えればどうでもいいような発言があった。カナダさん、同情しますw以前からそうだったんだけど、この自国中心な考え方はなんとかならんのだろうか…。これだけの被害があって各地の首都への侵攻が確実な上は、もはやアメリカだけの問題ではないだろうに。。世界の警察としてのアメリカという位置付けを用いるならば、もう少し違った描写を行うはずなのに、そういうわけでもない。宇宙からの侵略という地球規模での事件なのにも関わらず、アメリカ一国との関係で物語の枠を決めてしまっているのが不自然に思う。
 今回はやけにデントン押しだったwなぜヘボな彼にカッコつけさせるようなセリフを多く与えるんだろうか。。たとえば、「取り乱して解決するなら、私もそうするさ。」っていうのもどこかで聞いたようなセリフだし、リナが手伝うと言ったときだって「歓迎するよ。」とか上から目線で話すし、どんだけ空虚なカッコよさを打ち出したいんだか…w爽快なバカってわけでもなく、変に彼のキャラクターがジョーイたちに認められているだけに、なんだか釈然としない部分があるw



 あぁ、ついつい批判ばかりを書き連ねてしまう…。今回で毎度の感想はストップして、最後にまとめて書こうと思います。次回からドクター・ミナミという新キャラクターが登場するみたいなので、ちょっとだけ期待して…。

テーマ:HEROMAN - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/05/09(日) 00:01:00|
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