土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『さらい屋 五葉』#04「加減がねぇ」の感想。

「ここにいるみんな、事情持ちなのはお互い様。妙な詮索は野暮ってもんさ。」
『さらい屋 五葉』#04「加減がねぇ」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 いい雰囲気だなぁ。作品全体に流れている砕けた空気感がたまらなくいい感じwてっきり近江屋の一件で弥一の過去を一気に暴くのかと思っていたけど、だいぶ時間をかけるみたいだね。まだまだ誘拐した子どもを近江屋に返してないみたいだから、今回の話はもう少し引っ張るのかもしれない。政之助がやけに弥一の過去を詮索したがる中で、次第に弥一の行動についても変化がみられてきている。完全にアウトローな弥一に対する政之助って、『BLACK LAGOON』で言うところのロックと同じ立ち位置だよねw仕組みとしては弥一×政之助がレヴィ×ロックの関係性と重なっているように思う。

■社会の隙間に生きる五葉

「梅どのは、五葉を義賊と思ってないので?」
「お絹の手前はそう言ってる。最初は確かに、悪人への報復が目当てだった。でも今は、ただの賊だ。金目当ての。…おめぇの事情は知らねぇがな。」
「それがしのこと、弥一どのから聞いていないので?」
「なんも。それに、おめぇのを聞いといて、やつは自分のこと話したか?」
「いや…。」
「話すはずがねぇ。やつは自分のことは何も言わねぇよ。」

 前回もあったように、五葉の目的は第一に金であって、それはメンバーそれぞれに事情を抱えてのことだった。岡場所の女郎が「妙な詮索は野暮ってもんさ。」って言っていたのが象徴的で、この作品で描かれるキャラクターは堅気の世界では生きていけない事情を抱えた人物が多い。だからこそ、五葉のような「かどわかし」を生業とする集団が立ち現れる。なんだろう、江戸時代のああいう風景って、そんな堅気でない人々の生きる場所があちこちに潜んでいる感じがする。社会としての余裕というか遊びというか隙間みたいな空間があって、それで世の中が回っている感じがして好ましい。今から考えたら、ほとんどの人間が刑務所行きでしょw
 でも、そんな多くの人間が悪とされてしまう社会システムも問題あるとは思うけどね…。なんていうか、社会の規律云々よりも、ゆるやかな秩序が成り立っているような雰囲気が流れているのが癒される。その上で、なぜ弥一のような生き方をしなければならない人間が出てきたのか、そういった視点からも問題提起を読み取ることのできる作品だと思う。弥一は養子に出された先の都合で一方的に殺されかけた、要は堅気の社会性故に犠牲となった人間でもある。それが原因となって、生家にも養子先にも帰ることができず、社会的に殺されてもなお生きながらえた彼にとって、残された生きる方法は少なかっただろうと察せられる。その結果としての弥一の人格形成であって、五葉の活動なんだろうと思う。果たして、そんな彼を社会のタテマエで刑に処することが妥当と言えるのか。難しいねぇw
 そんな中で、政之助だけは堅気とアウトローのどっちつかずの位置に立たされて、その視点からアウトローの生き方が照らし出されるという寸法になっているのかな。弥一の生い立ちは複雑で影を落としたものになっているけど、それに対して政之助は影がない。確かに、彼も藩主から暇を出されたということから社会的に排除された人物であり、その点では弥一と共通する部分を持つ。そのため、五葉の面々とも重なる境遇となり、彼も関わりを持つことになる。ただし、政之助の場合は堅気の世界に未練たらたらなんだよねwそこが他のメンバーと大きく違うところなのかもしれない。いまだに用心棒に拘るし、五葉の一味であることを受け入れてないし、けれども、生活があるから分け前は受け取ってしまうw彼なりに自分の行動に整合性を持たせようと、五葉の活動が義賊としてのものであると信じたいみたいだけどね…。実際に今回の近江屋も「近江屋は米相場の上昇に一枚噛んでるんだ。」と弥一が言ったように、義のあるものでもあった。そこらへんで納得したんだろうか。。弥一も政之助の扱いが上手いよねw

「今回の分け前だ。」
「それを受け取って、郷里へ送ってよいものでござろうか…。それがしは一味として仕事したつもりはないし、報酬というのは割り切れんのでござる。」
「おめぇさん、頼られてるんだろ?だが、次の仕事はしばらく先だ。それまで、提灯作るのか?」

 やっぱり堅気に未練たらたらだよwはっきりしないよねぇww弥一もどうして政之助に拘るんだろうか…。松吉がそこらへんを突っ込んでるけど、今のところ具体的な言及はされていない。これからの話で触れられるんだろうか…。弥一のカエデ型のアザの話から五葉の名前の由来が語られるころには、政之助への執着に対する理由も何らかのかたちで表現されるといいなぁ。。

■政之助に背を向ける弥一

「あの家に来たばかり、しかも、厳しい母御のもとで寂しい思いをしていて、そんなところにかどわかしなど、気の毒に思えてしまって…。」
「政、つまらねぇよ。」

 いやぁ、これは政之助も酷だねwまさに弥一の過去を照らし出したかのようなセリフだった。これって、そのまんま弥一の生い立ちじゃんwやっぱり近江屋の息子と弥一の過去は入れ子構造になって重層的な意味合いを醸し出しているよね。
 政之助は優しさから子どもを気の毒に思っているんだろうけど、実際に弥一はその気の毒な目に逢ってきた。実子が産まれるために邪魔になった養子の弥一を捨てた親がいる一方で、全うに生きようとしている政之助からこんな言葉が出る。これは両方ともタテマエの上でのことだよね?社会的なタテマエを通すために親は弥一のような養子を上手いこと誘拐を装って処理したわけだし、政之助が近江屋の息子に同情するのだって社会的なルールに反して誘拐された境遇を気の毒に思ってのことだった。だけど、そんなタテマエの犠牲になった弥一のような人間がいる以上、そんな社会に少なからぬ矛盾を感じたんだろうか。あるいは、そういった複雑な事情にも気の届かない世間知らずな政之助に対して苛立ちを覚えたんだろうか。今回は政之助に背中を向ける弥一の姿が多くを物語っていて、かなり良かった。

「弥一どのは本心を見せぬ人なのに、この間、それがしが目的を問うたときは、さらりと答えてくれた。弥一どのの目的は、金にないのではござらんか?」

 これは前回のセリフで引っかかったところ。あそこまで慎重な弥一が、五葉の目的については簡単に答えていた。これは、嘘だと見破られるヒントにもなっちゃうよねwさしずめ、五葉の目的は義賊というよりも社会に対する復讐っていう感じなんだろうか。このセリフを聞いても、弥一が背中を見せたところは良かった。

「つまらねぇな。バカなところが気に入ってるのに…。」

 そう、弥一の口車に乗せられてすぐに五葉の片棒を担がされ、変に堅気でいようとする意気はあるものの、細かいことにも気付かない、いるのかいないのかわからない昼行灯の如き性格が政之助の長所だったwなのに、妙に詮索してくる。まぁ、それが政之助の優しさなんだろうか。。ちょっと、なぜ政之助が弥一の過去に興味を持っているのかという動機について、あんまり描かれなかったのが残念ではある。

■詮索する政之助

「おめぇさんは、女に騙される手合いだろうな…。疑うことを知らねぇから。」

 ここまで弥一が政之助にちょっかいを出すのも不思議だ…w桂屋の用心棒を紹介するくらいの面倒見の良さっていうのはどこから来るんだろうか。そんな桂屋で、松吉が近江屋の反応を「あの用心棒は子守すらできない男だ…と。」って報告するところがシュールだよねwそのときだって、松吉と政之助にお茶を出すなんてのも、あんまり弥一らしくない行動として松吉に受け止められていた。

「らしくねぇ。イチさんは無駄なことはしねぇ。干渉されるのが嫌ぇだから、人にも干渉しねぇ。以前はそうだった。」

 以前は…、ってことは、やっぱり政之助と接触するようになったことが弥一に影響を与えているんだろうなぁ。たぶん「疑うことを知らない」政之助っていうのが気に入っているところなんだと思う。「バカなところが気に入ってる」とも言っているしねw弥一も過去の経験から疑って生きることしか許されないような生い立ちを抱えているんだろうけど、そんな中で政之助のような人間というのは気の許せる人間として貴重なのかもしれない。

「知りてぇのは人柄かい?…素性かい?」
「人柄でござろうか。」
「そうかい。なら、長い付き合いになるといいな。」

 ここでも弥一に影が入った。正直なところ「素性」と答えたかっただろう政之助も、さすがに「人柄」と答えざるを得なかったよねwあの間が面白かった。今回はだいぶ面白い回だったなぁ。演出も良かった。



 江戸煩いって、脚気のことか。梅の店で白米を食べすぎてるからかな?wいったい、なんの伏線なんだか…。そして、次回は五葉の初仕事に戻って過去話を展開するみたいだ。だんだん楽しくなってきた。

テーマ:さらい屋五葉 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/05/11(火) 00:01:00|
  2. さらい屋 五葉
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