土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『デュラララ!!』#19「蒼天已死」の感想。

「どうして、こんなときに沙樹に会いたいだなんて…。」
『デュラララ!!』#19「蒼天已死」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 いい感じに盛り上げてくるねぇw佳境に入ってきた感じ。ラストに向けていろんなキャラクターを巻き込み始めているし、勢揃いでクライマックスを迎えようとしているような流れだった。とは言え、今回はナレーションばっかりでどうしようもなかったなぁ。。キャラクターの具体的なセリフや行動によって表現されないまま、説明口調のナレーションで片付けられてしまうのは考え物だ。設定資料を読まされている気になってしまい、何も物語が感じられない。感情や設定などなど、なんでもかんでも説明しちゃう風潮っていうのは他の作品でも見られるけどねwわかりやすさ、公共性、エンターテイメント性、そんなことを考えてのことなんだろうか。でも、解釈を限定する行為っていうのは作品の豊かさを損ないかねないように思う。なんだかなぁ。。そうそう、考えてみれば、今回は静ちゃんが背景にすら出てこなかった。珍しい…w

■すべては臨也の盤上の駒として

「彼らの中で、一瞬にして情報の断片が統合される。切り裂き魔のような刃を握った侵入者、それを助けに来た黒バイク。そして、黒バイクはダラーズだという噂。彼らはひとつの結論に至る。切り裂き魔はダラーズ。少年は自分の結論が正しいのかどうか、わからない。ただ確かなことは、彼がどう考えようと、この事態を体験した仲間たちを、もはや制することはできないということだ。」

 これって臨也が仕組んだことだよね?おそらく次回で種明かしになるんだろうけど、筋書きはこうだろうと思う。臨也は杏里が黄巾賊のアジトにもぐりこんでいることを知り、そこで身元がバレそうになることを想定して、セルティにお持ち帰りを依頼した。そうすることによって、ダラーズのメンバーとして知られるセルティと杏里がグルであることを露見させ、黄巾賊の面々にそのつながりを印象付ける。おそらくは、杏里も追い詰められれば罪歌の能力を使わざるを得ない状況になることは安易に想像できることだし、十中八九で黄巾賊の追いかける切り裂き魔とダラーズのつながりを示すことができる。結果、ダラーズと黄巾賊の一触即発の緊張関係を演出することができる。そんなところだろうか。杏里が自分の正体をバラしたくないと思っていることが作戦のポイントだね。さぁて、来週の種明かしがどうなることか…。当たってるかな?w
 そう、もはやトリッキーな展開を楽しむようになってきている。三者鼎立の関係性や、そこから連想された三国志に由来するサブタイトルや、過去のトラウマに対峙する正臣の心情や、自分を守ってくれる正臣の追いかけている相手が自分自身であることに戸惑う杏里や、事態の収束を図ろうと闇雲に臨也からの情報を請う帝人や、それぞれ面白そうな設定やシチュエーションではあるものの、キャラクターの感情が乗らない。まるでシチュエーションそのものを楽しむかのようで、まさしくラノベ的な手法だなぁと思う。

「ところで、罪歌さん。黄巾賊っていうカラーギャング、わかります?」
「街にいる、黄色い布の人たちですか?」
「そうそう、それです。もうひとつ、ダラーズっていうよく似た集団があるんですけどね、その二つの組織が、この前の切り裂き魔事件のせいで、今、いろいろと危ない状況なんですよー。」

「この間の切り裂き魔事件、結局、犯人捕まってないじゃないですか。で、黄巾賊にもダラーズにも被害者が出てるんですけどね、どうも、お互いがお互いを犯人だと思ってるっぽいんですよねー。」

 遡って、チャットの場面でも臨也は三者鼎立と事態の悪化を目論んで扇動していたwっていうかさ、杏里の声だったwひらがなだけでチャットに参加している姿や、内緒の会話を全員に向けて返信してしまうところを見ると、パソコンには慣れていないみたい。まったく、いじらしいw臨也が今までの罪歌のメールに対してウイルスだとか慣れていなかったとかでフォローしていたのがバカらしかった。セルティから杏里に対して内緒モードでフォローがあったことに対しても感付いたみたいだったしね。それぞれの正体がバレている中では、あのチャットルームがただの茶番にしか見えなくなってきた。
 ところで、臨也の目的はデュラハンの首を覚醒させることにあるわけだから、あの池袋を舞台に抗争を起こす必要があった。そのための情報操作であり、そのためのセルティと杏里の結びつきの提示だった。黄巾賊には切り裂き魔がダラーズの仲間であると思ってもらいたい理由はそこにある。そのために臨也は先のようにセルティに杏里の救出を依頼した(たぶん)んだろうし、チャットで杏里の罪悪感を煽って黄巾賊のアジトにもぐりこませる動機を与えたんだと思う。すべては臨也の盤上にある感じ。
 ここで疑問が出る。なぜ帝人はチャットルームで自分の正体を明かさないのか。同様の疑問はセルティや正臣や杏里といった他のキャラクターにも言える。杏里は正体を隠したいという動機があるからいいにしても、帝人や正臣に関しては隠す理由がわからない。もしも誰かが自分の正体を告げさえすれば、それが臨也の策略に対して最大の抑止効果を発揮すると思うんだけどなぁ…。だって、そうなればそれぞれの勢力のトップ会談がすぐさま実現するんだよ?ものごとは万事解決、事もなく終わる。チャットやメールといった手段からは情報があふれていて、互いにつながっているように見えるけれども、実は情報が遮断されている部分から生じる誤解があるように思う。臨也の情報操作っていうのは、そこらへんのズレを使った手法なんだよね。帝人や杏里にもう少し情報リテラシーがあれば、今回の事件は起こらないようにも思う。そんなことやってしまったら、シチュエーションが破綻するんだけどねwというか、今回の三者鼎立の関係性や誤解のありさまは、それだけの砂上の楼閣でしかないってことなんだろうか。何の根拠も提示しない臨也の情報を鵜呑みにするキャラクターたちっていうのは、どことなくリアリティーに欠けるし滑稽に見える。ともあれ、これからラストに向けて、この「ズレ」とか「誤解」っていうのをどのように処理していくのかが重要になってくると思う。単なる物語を面白くするためだけの安易な設定だったのか、もしくは何か理由があったのか…。どうなんだろう。

■正体露見の恐怖と事態悪化の責任感の間で揺れ動く杏里

「紀田くんが…、何か違う。」

 正臣が友達からの誘いを言い訳にして黄巾賊に顔を出すことに敏感に気付いた杏里がいる一方、帝人は「気のせい」とか気楽なこと言ってるんだよねwもう帝人は杏里の相手をすることで頭がいっぱいだから、正臣のことなんか考えてられないっていう感じw

「捕まったら、どうなるんだろう。自分が化け物だと、少年に知られてしまう。少女はその恐怖に戦く。」

 ここらへんのナレーションが実に残念な感じだと思う。本当はしっかりとセリフや行動を伴って描写されるべきところなんだろうけど、尺の関係なのか仕様なのか、キャラクターの内面をナレーションで語ってしまうんだよね。なんだか素っ気無い。
 杏里は「誰も、傷付けたくない。」という動機や、帝人や正臣との関係保全のために自分の正体を隠したいという動機を持っている。この純情さを臨也に上手く利用されちゃうんだよねwとは言え、罪歌の子が行った切り裂き行為によって黄巾賊とダラーズの抗争へと発展しそうになっているんだから、杏里としても内心は複雑なところ。この「誰も傷付けたくない」や「正体を隠したい」っていう気持ちと、抗争を止めるためには名乗り出るか正体を見せないといけないという気持ちとの間で、杏里の葛藤が描かれるといいなぁと思う。

■正臣に死亡フラグが立ったのか

「なんとかしなければ…、額縁を通して世界を見てきた少女は思う。しかし、額縁を超えて彼女の世界を訪れてくれた少年は、すでに捕えられていた。自らの過去という重いくびきに。彼はもう、逃れられない。」

 この「額縁を通して世界を見てきた少女」っていうのはいい表現だと思う。今までの杏里は自分を無感情に差し置き、自分に向けて発生している外での出来事をすべて人事のように考えてしまう表現が行われてきた。その自分のことを他人のことと客観的にというか存在を放棄して見てしまう行為を「額縁を通して世界を見る」という言葉に集約したところがよかった。自分と外界との境界を「額縁」に置き換えて、まるで世界を自分とは関係のない二次元的空間のように見る意味合いが込められていて、なかなか言い得て妙だと思った。が、如何せん、ナレーションですべてを語ってしまうところが残念なところ。こんな表現は本人が言うはずもないんだけどねw正臣が過去に囚われていることに関しても、前回から何度も表現されているだけに、わざわざ語らなくても伝わっていたと思う。
 そんな正臣のトラウマも、杏里を守れなかった事実を前にしてフラッシュバックのように迫ってくるんだろうね。沙樹を守れなかった過去の自分に対する悔しさがあったわけだけど、それが杏里を守れなかった事実に置き換わってしまって、それが正臣の黄巾賊復帰の動機にもなっていた。それだけ、帝人や杏里との付き合いというのが正臣にとって重要なものになっていたんだろうし、彼らこそ今の正臣にとっての「居場所」「帰るべき場所」だという表現もあった。

「どうして、こんなときに沙樹に会いたいだなんて…。」

 このセリフってどんな意味だったんだろうね。前後の文脈から言えば、「誰かが死ぬのかもしれない」っていうナレーションを受けてのことだから、走馬灯チックに沙樹を思い出したっていうことなんだろうか。今でも沙樹のことが好きなんだね。一途なことだw
 っていうか、これって明らかな死亡フラグ?wそんなパターンだよね…。沙樹はかつての正臣の存在を保証してくれる大事な相手だったわけだし、今の正臣にとってしてみれば、それは帝人や杏里ということになる。その中で、なぜ沙樹に会いたがったんだろう…。今まではむしろ会おうと思っても躊躇われたような存在だったのに、ここに来て第一に沙樹のことを口走ることの内心が読めない。結局は自分の戦っている意味も、帝人や杏里がきっかけにはなっていたけれど、大本の沙樹との因縁を断つことにあるっていうことなんだろうか。ちょっと今のところの表現では読みきれない部分だなぁ。
 さて、正臣は杏里を傷つけた相手を許すまじということで行動しているけれど、その犯人が実は杏里自身でもあるっていう事実に対して正臣にどんな反応をさせるんだろうか。相変わらず「尼さん愛せば、袈裟まで愛す。」とか言っておどけているけれど、正臣のトラウマはいまだ払拭されないでいる。ラストが待ち遠しいね。。

■今後の展開と三国志

 これからどうやって展開させるんだろうなぁ。。いろいろ想像はできるけど、どのルートを選ぶのか楽しみ。解散したブルースクウェアが黄巾賊に流れ込んでいるという臨也の情報も嘘か本当か新しいものだったし、セルティが杏里の救助がてらに正臣と杏里の関係に気付いたことも大事なポイントだったと思う。ここらへんの伏線をどうやって展開しつつ回収するのか見ものですなw
 今回の次回のサブタイトルは三国志にまつわるものらしい。知識がないからわからんけど、調べたら『後漢書』列傳第七十一「皇甫嵩傳」の中に該当する記述があった。「蒼天已死、黄天當立、歳在甲子、天下大吉。」だってさ。訓詁は面倒だから勘弁してください…w正史の『三国志』には検索かけても一致する文字列はないみたいだ。あのナレーションで言うところの、三国志の中で黄巾賊が旗印にした言葉だっていう根拠はあるのかな?演義のほうなんだろうか。それにしても、三者鼎立の関係を作って物語を面白く作ろう⇒鼎立って言えば三国志だな⇒黄巾賊とカラーギャングって結びつくんじゃね?⇒ついでに三国志からかっこよさげな言葉を抜き出して使おう…っていう思考の流れが透けて見えるような設定だなw正臣も黄巾党の首領である張角よろしく死ぬっていう筋書きを用意するんだろうか。そういえば、張角は「天公将軍」と称していたらしいことからすると、正臣が「将軍」と呼ばれている理由もそこらへんにあるんだろうか。だったら、ついでに正臣も呪術を使えるような設定にすれば良かったのにw



 またセルティの警察怖いネタ使うんだね…w今回は絵も話も全体的に暗めだっただけに、あのギャグっぽい要素だけが浮いて見えた。あと、サイモンの人間寿司もそんな感じだった。出前取るとコサック踊るっていうのもなんだろうね…。いやぁ、このラストスパートに向けた緊張感っていうのはいい感じだ。アドレナリンが放出される感覚があって、妙に高揚感がある。この感覚を味わえるだけでもマシなほうなんだろうか。

テーマ:デュラララ!! - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/05/20(木) 23:59:00|
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