土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『デュラララ!!』#23「千錯万綜」の感想。

「何を迷ってたんだろう。簡単なことだったのに。俺は俺。それだけのことだったのに。沙樹、俺はもう怖くない。追いつくぜ、もう少しで俺の過去に…。」
『デュラララ!!』#23「千錯万綜」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 みんなの大好きなハッピーエンドかぁ。。いろいろありすぎるご都合と矛盾の波に飲まれつつ、物語だけは先走って面白そうな方向へと向かっている感じ。今回の話はセリフばかりが浮付いちゃって微妙だったなぁ。どうしてもシナリオを優先して考えたために、キャラクターの持ち味が失われているように思えて仕方ない。持っていこうとしているシナリオの方向性ばかりが骨ばって生々しく見えて、本来あるべき肉付きのいいキャラクターそれぞれの「らしさ」が見られなくなっている。これと言って内面的な成長が描かれているわけでもなく、むしろ省略され、あてつけがましい筋書きだけが表立って見えているように思う。今まで積み上げてきたものが崩されたような感じが強くって、本当は盛り上がってアドレナリンでまくりな感じで見るはずだったラストの場面も、三人が舞台に出揃ったところで背筋がゾクゾクすることもなくスルーしてしまったw前回は杏里の内面が描かれていながら、どことなく矛盾をはらんだものだった。今回は正臣の内面を取り上げたようだったけど、言動の裏付けになるような具体的なできごとの露出が少ないだけに伝わるものも伝わらないって感じがする。いやぁ、残念な感じに仕上がってきたw

■トラウマを払拭して脱皮した正臣

 始めに前回の杏里の内面描写に関しておさらいを…。杏里は額縁を通して自分を取り巻く出来事を見ていたために、何が起こっても自分のいる世界とは違う世界で起こっているものと見てしまう癖があった。それは罪歌によって死んでしまった両親のことがあってのことなんだけど、前回はそれを乗り越えて自分から世界へと関わろうと動き出す様子が描かれていた。結果、頑張って正臣を助けようと動いたけど、本人を前にして何も言えず逃亡。

「一人でいる時間は長くて、私はたくさんたくさん考えました。そうしていると、二人の顔が浮かんできて、二人の笑顔が浮かんできて、消えません。」
『デュラララ!!』#22「解散宣言」より

 セルティに連れられて、しばらく考えた結果がこれだった。これじゃぁ、今まで両親が笑っている夢を見てきたのと同じになってしまう。結局は杏里も前に進もうとしていたにも関わらず、後ろに下がってしまったのが前回だった。そして、今回は正臣を中心にした話として考えたのかなぁ。。

「最低だ、俺の中で疑念が渦巻いている。帝人はすべてを知った上で、ダラーズを動かしていたのか。杏里は帝人とつるんでいたのか、それとも、利用していたのか。どれも最低だ。だけど、一番最低なのは、そんな想像をしている、この俺だ。どうしよう、どこへ行こう…。俺の行くとこなんて、もうどこにも…。」

 一昔前は沙樹を自分の「帰るべき場所」として考えて、今はそれが帝人や杏里になっていた。沙樹のことを「本当に好きなのか」と疑って助けに行けなかったことがあって以来、沙樹に対してはトラウマを抱えていたのが前回までの話だったと思う。そして、今度は帝人や杏里のことを信じることのできない自分に直面し、もう少しで「今」の「帰るべき場所」を失うところっていう感じだった。守ろうと決意した帝人や杏里との楽しい日常も疑念で埋め尽くされ、黄巾賊に戻ってトラウマを払拭するために罪歌を倒すという目的も失われ、失意呆然の正臣っていう感じ。
 あちこちに電話をかけてもつながることのない正臣の姿が象徴的で良かった。彼らは携帯電話とかネットとか、不安定で危なげなメディアによってコミュニケーションを行っていた。その媒体が機能しなくなった瞬間の、呆然とする正臣の描写が冴え渡っていたと思う。顔を突き合わせて対話するのに比べて、ネットや携帯電話での会話から得られる情報は遥に扱いが難しい。そのことに無意識であったことが、あの望みを失った正臣の姿に投影されていたように思う。と、考えたいwとは言え、電話相手の黄巾賊とは直接の会話を行っていたわけだし、そんな演出意図はないのかもしれない。まぁ、携帯の連絡がつかないだけでコミュニケーションが断絶されたと絶望する様子っていうのは、どうにも滑稽ながら不安定なメディアに頼ってるなぁと思う。人のつながりって、そんなに希薄なものだったっけ?w

「あのとき、俺はなぜ動けなかったんだろう、何を迷ってたんだろう、何を怖がってたんだろう。」
(「逃げられないって。過去ってやつはお構いなしに、君のことを追い回す。」)

 トラウマを払拭するかしないかの瀬戸際な感じが良かったなぁ。沙樹を助けられなかったという事実に対する負い目もさりながら、一番の気がかりは正臣自身が沙樹のことを好きかどうか疑ってしまったことにあった。好きだという自信がなかったから助けに踏み込めなかったわけで、その自分自身の信念のなさに正臣は囚われていたんだと思う。それが迷いであり、動けなかった理由になる。
 そして、今回は走り出すことができた。帝人や杏里を大切な友達であると信じた瞬間でもあったと思う。そう信じるからこそ、彼らのために自分は行動するんだという動機を獲得することができたのかな。でもでも、今までの帝人や杏里に対するさんざんな疑念を解決しないまま、その二人を「友達」だと再確認して迷いを払うっていうのは不順だなぁ。相手が裏切っているのかどうかなど関係なく、自分の信じることを行うことが第一だっていうこと?なんだか『十二国記』の陽子が言っていたような考え方だなぁ。そこまで明確な表現がされているわけではないけど、そうでも考えないと正臣の動機の変化を追いかけることができない。なんだか表現が不十分なように思う。

「ヘイ、紀田ァ!どうした~のォ、顔色、景気悪いよォ。また、おなか空いてるか?」
「サイモン…。」
「紀田、元気なァい。おかしいよォ。」
「あのよぉ、サイモン。お前んとこの寿司は最高だぜ?俺の権限で、星五つどころか、星条旗でもくれてやるよ。あぁ、ロシア寿司はいつだっておいしかったぁ~。」
「これから、ケンカするのか?それとも誰か殺し、殺されるか!?」
「なっ…。なんだよ、なんでいきなりそんなこと言うんだよぉ。エスパー気取りかよぉ!」
「また臨也が、何か唆したのか。」
「そんなんじゃねぇよ。」
「殺す、殺される、よくないよ。私いたとこ、ケンカって言ったら、絶対死んでたァよ。紀田それ、これから死ぬ覚悟した人の目。同じネ。」
「サイモン…。」
「ダメ、ここ池袋。私の街と違うヨ。暖かいし、家がなくてもご飯配ってくれる人いる。ウォッカ飲まないで眠っても、全員凍って死んだりしないヨ。紀田みたいな子ども、殺し合いする必要ないヨ。」
「ゴメン…、俺、行かないと。」

 しかも、迷いを打ち消したならば、晴れやかな顔になるか、決意に満ちた表情になっているはず。なんだけど、死を覚悟した目って、どうにも違和感がある。いつもの軽口は置いたとしても、過去のトラウマを払拭しようと立ち向かう中で死を想定しているっていうことの文脈がわからない。それって、死んじゃったら、トラウマも友達も何もないじゃないかw正臣が死んでまで守ろうとしているものが何なのかわからない。それって、男気を示そうとして、筋を通そうとして、自分自身の生き方を真っ直ぐ貫こうっていうことなのかな?

「黄巾賊を首になった今の俺は、ただの軟派な高校生だ。好きな女を助けることもできなかった、ただのヘタレだ。そんな過去から目を背けて、普通の高校生をやれると思ってた、ただのバカだ。だから、ここへ来た。俺は、俺はただの紀田正臣だ。だから、ここへ来た!」
(俺を負い続けた俺の過去が、いつの間にか俺を追い抜いていきやがった。)
(逃げられないって。ひたすらひたすらひたすらひたすら、過去や思い出ってやつはとても寂しがりやでね?)
「だったら、今度は俺が自分の過去を追う番だろ?過去は寂しがりやらしいからよぉ、早く追いついてやらねぇとなぁ。」

「俺はな、殺される覚悟だけでここに来たわけじゃない。俺は、殺す覚悟をしてきたんだよ。」

「何を迷ってたんだろう。簡単なことだったのに。俺は俺。それだけのことだったのに。沙樹、俺はもう怖くない。追いつくぜ、もう少しで俺の過去に…。」

 要は、正臣は自立したっていうことだよね?黄巾賊という集団に頼ることもなく、沙樹へのしがらみを感じることもなく、帝人や杏里がなんと思っているのかも関係なく、自分自身の決意として実行するっていうことだと思う。大事なのは他人が自分をどう思っているのかではなく、自分がどうしたいのかなんだ。って感じ?それが「俺は俺」の意味なんじゃないだろうか。帝人が裏切っていようと、正臣は自分自身が帝人と友達でありたいと願った。だからこその今の行動だっていうことなんだろうか。過去においても、本来ならば自分自身が沙樹を好きでいるという気持ちを確かに持っていたならば、助けることもできたかもしれない。この時点で、正臣はトラウマを払拭することができたんだろうと思う。ようやく、主役級の三人の中で、初めて脱皮をすることができたw
 正臣がつながらない携帯電話を見つめる場面も良かったし、サイモンがセルティに口で伝えずにわざわざ「助けてやってくれ」とタイプして伝えた表現も良かった。良かったんだけど、良かったんだけど、前後の文脈とのつながりは薄いよねw惜しい表現だったと思う。このほかも含めて、どの表現も「要は」ってして、作中を飛び越えて敷衍しないと理解が進まない表現だった。いい表現はあるのに、文脈的に物語に絡み付いていないところが尽くされていない。もどかしい。惜しい。

■飛躍する帝人とセルティの会話

「どうして来たのかわかってます。あぁでもしないと、収拾が付かないと思ったんです。あぁするのが、一番ダラーズらしいと思ったんです。形だけでもっていうか、形がないのがダラーズだと思うんです。これでまた、無色透明に戻りますよ。切り裂き魔も黄巾賊も、大人しくなるんじゃないかな。大事なものも見つかりました。たぶん、これでいいんです。」

 セルティの来訪に驚かない帝人っていうのも面白いよね。だって、首なしライダーだよ?wまるでセルティが来ることを予見していただなんて、ただの構ってちゃんじゃないかw
 ただし、言っていることは至極まともだった。この「ダラーズらしい」っていう発想は鋭いと思う。最近の黄巾賊と事を構えているダラーズには大きな矛盾があった。前回までもずっと引っかかっていたんだけど、本来はネットのフィクショナルな関係でしかなく、リーダーも存在しない集団だったはずなのに、今となっては現実の集団である黄巾賊と変わらないような集団になってしまっていた。実体も存在せず、横のつながりだって希薄なダラーズにあって、リーダーの責任云々するのはお門違いだし、連帯感が生まれることについても疑問があった。これじゃぁ、黄巾賊のような実体を持つ組織と何も変わらなくなってしまう。そこに矛盾を感じていたけれど、帝人が「形がないのがダラーズ」だと言ったことによって合点がいった。本人も自覚があったんだねw創設者の意図を離れる方向に向かったために、解散してリセットしようとしたっていうことなんだろうか。帝人の言う「大事なもの」っていうのは前回にも同じセリフがあったけど、具体的に何を言っているのかは読み取れないなぁ。。なんだろ?
 そうそう、ダラーズの興味深い性質に関する考察は最終回に延ばします。本当は前回の感想で書けばよかったんだけど、気付いたのが遅かった。今回の文脈で言うのも流れがないので…(^_^;)まぁ、単にダラーズが模倣者の集団としてスタンド・アローン・コンプレックスを体現したような集団だって思っただけなんだけどw狩沢さん然り、カズターノ然り、滝口然り、ネットという瞬時に情報が共有される空間で個を特定することが難しい中、杏里救出という英雄像を模倣することによって自らオリジナルになろうとする現象があったと思う。ダラーズのメンバーサイトで共有される杏里救出の集団的総意に基づいて、それぞれがオリジナルの存在しない英雄像を模倣した感がある。わざわざ彼らが自らの手助けをサイト上に披露したのだって、ささやかながら自らのアイデンティティを主張するようなものだったように感じる。きっと、彼らはこう言うんだよ。「自分の意志で杏里を助けた」ってwそこらへんの検証も含めて、具体的な考察はたぶん最終回かなぁ。。もうダラーズ出てこなそうだしw

「お前は、園原杏里のことが好きか?紀田正臣のことを大切な友人と思っているか?」
「え、どういうことです?」

 セルティが知っていることを帝人に伝えたみたいだけど、その情報だけで帝人が「誰がそんなこと…。」って事態の背後にいる人物の影に気付くんだよね…。無理でしょ?この時点でセルティが知りえている情報はこんな感じだと思う。

①杏里は罪歌を宿す切り裂き魔の元締めであること
②正臣が黄巾賊のリーダーであること
③杏里は正臣の正体を知っているということ

 これくらい?前回は杏里が知っていることをセルティに打ち明けて、セルティが帝人から直接聞いたほうがいいと言ってこの状況に至っている。前回も背後にいる人物については触れられていなかったし、セルティが気付いた様子もなかった。加えて、これらの情報を知りえただけで「誰が…」と疑問に思うことは難しい。明らかな飛躍だと思うwもはや臨也とのつながりを演出するために、都合よく視聴者を誘導するセリフとしか思えない。確かに、こうまで出来すぎた状況になることは人為の介入を想定するべきなんだろうけど、その根拠がないままに犯人像を作ってしまうことは危険極まりない。これは、今まで三人が直接の対話をすることなく現在の誤解した関係に陥っていた原因を共有するものであり、その時点から何も進歩していないどころか、同じ過ちを繰り返しているようなものだと思う。

「人が悩んだり苦しんだりしているのを見るのが大好きな情報屋を一人知っている。ダラーズはお前の始めたことだ、好きにすればいい。だが、ダラーズが消えることにしたところで、お前たち三人の状況が変わるわけじゃない。」
「二人とも、なんで話してくれなかったのかな?」
「お前は、どうして話さなかった?」
「それは、ダラーズのこと、僕の問題だと思ってたから。」

 ここで臨也の影をセルティが持ち出すことだって、単なる憶測でしかない。懲りないねぇw今の状況を作り出した一番の原因である「憶測で勝手に悩んで行動する」に対して、何の疑いも持っていない。正臣は臨也から与えられた根拠も示されない情報に踊らされて疑心暗鬼に陥っていたし、杏里も対話をすることなく勝手に思いつめたために誤解されるような状況を自ら作り出していたし、帝人もチャットでの情報という信頼すべきソースではない場所から出た情報に惑わされていた。何も反省がないご様子だw一番の元凶は臨也ではなく、情報リテラシーのない君たちの感覚だw
 当然、この状況は本人たちが対話をすれば一発で解決するようなものだった。そんな一番有効な方法をセルティが指摘した。今までもずっと、なぜ対話しないのかと鬱屈した思いを我慢してきた、その停滞感も演出だったっていうことなのかなw
 ただし、セルティが帝人を諭している内容は眉唾物としか思えないし、帝人の言っている理由も信じられない。帝人は「大切な友達だから自分の抱えている問題を話して迷惑をかけたくない」と言いたいんだろうけど、そんな話は今までなかったじゃないかww帝人は今回の問題が起こる前からダラーズのメンバーサイトには参加していたわけだから、帝人の言う「僕の問題」はダラーズメンバーであることを打ち明けなかったこととは何の関係もない。それは後付的な理由でしかない。すでに滝口との会話からダラーズを打ち明けるタイミングは前半12話までの間にもあった。それは今回の問題が起こる前だったけれど、それでも帝人は正臣に自分がダラーズであるとは言わなかった。そんな経緯があるにも関わらず、帝人が「僕の問題」だと思っていたから話さなかったというのは具合が悪い。かっこつけたいだけの帝人の悪い癖が出ているっていうことなの?w
 正臣や杏里が話さなかった理由は納得のできるものだと思う。正臣は問題が起こってから活動を再開したわけだから打ち明けるタイミングは事後になるし、そもそも帝人と杏里を守るために動いていたわけだから話すわけにはいかなかった。杏里だって自分の正体を知られれば、友達の関係が壊れる可能性を感じた。二人とも話さない理由が正当にある中で、帝人だけは整合性のない理由付けとなっているように思う。

「二人も同じだろう。お前の目に見えているものが、現実とは限らない。誰にでも秘密はある。人に言えない思いがある。普通の人間なんて、どこにもいない。だから、恐れるな。杏里ちゃんと、紀田くんと、そして、お前自身の現実と向き合え。あの子が好きなら、お前のすべてを打ち明けろ。ダラーズでも、切り裂き魔でも、黄巾賊でもない。お前たち三人の問題を解決するんだ!」

 セルティのフォローも電波だなぁw何の根拠もない話で慰められても、まったくフォローにならないよね…。何を言ってるのか抽象的過ぎてわからないしwこれって、何かのカルト?wwって思うほど、まったく論理の通っていない浮付いた言葉になっている。セルティに啓発されそうだよww真っ直ぐなセルティらしいセリフと言えばセルティらしいんだけど、さすがに胡散臭い。っていうか、「二人も同じだろう」っていうのだって、何の根拠もない危ない情報だろうと思うwもう憶測で語るのはやめなさい!ww
 要は、自分の知りえている情報だけで考える全体の状況が真実とは限らないってことでしょ?それぞれに見えている物事は違うわけだし、必ずしもすべての情報が全員に共有されているわけではない。それはいいんだけど、なんだか抽象的なことばっかり言っているから、危ない言葉に聞こえるんだよね…。特に「普通の人間なんて」っていうのは意味がわからんwそれをデュラハンであるセルティが言っているから、さらにまどろっこしい。。なんだか飛躍が多すぎて、何を伝えたいのか考えるに困る感じ。
 あれ?あんまり帝人の内面が描かれてなかったねwここのところ帝人って状況に翻弄される様子が描かれるだけで、自分が主体的に行動する様子もメールしたくらいだったし、悩んだ様子も省略気味だったからなんとなくでしか見られなかった。蚊帳の外なのかな?

■ギャグ要員としての新羅

 言いつけを守って杏里に手を出していない新羅は偉いよw物語全体が疑心暗鬼に囚われて暗い雰囲気の中、新羅の言動がコミカルでいい感じに気の抜ける場面があった。

「っていうか、これで何で普通に立って歩いてんの?」
「なんでってお前、立って歩けるからに決まってんだろうがよ。」
「えっ、平和島さん、どうしてここに?」
「ん?あーやべぇ、誰だっけ?」

 え、静ちゃんってゾンビなの?痛みを感じず、死ぬこともないとは…。予想はしていたけれど、実際の絵で見ると笑っちゃうよねwしかも、麻酔なしで銃弾を摘出しているところがウケるw

「っていうか、杏里ちゃん、足、早っ!!」

 今回の新羅は「っていうか」にこだわってるよねw電話越しの新羅がテンパってて面白かった。静ちゃんを止めることができなかったのは仕方のないことだとして、杏里を止められなかったのはミスでしょ。使えねぇなぁw

■法螺田の背後に見え隠れする臨也

「いっそ俺も、泉井さんみたいに、アレやってみっか。てめぇの足の骨を折って、さて問題ですってよぉ。」

 上手いことブルースクウェアが黄巾賊を乗っ取ったのはよくわかった。静ちゃん殺害に際しても正臣の名前を出すことでトカゲのしっぽ切りをやったわけだし、正臣恩顧の黄巾賊を病院送りにしていたのだって周到だった。正臣がダラーズのリーダーとされる帝人と友達であるという情報を流したことだって、上手いこと正臣を黄巾賊から排除するタテマエとして効果的だった。
 とは言え、こんな計画を法螺田がやれるようには思えないwっていうかさ、法螺田に人望とか統率力ってあるの?彼が演説しているのを見て、ものすごく不自然だったんだけど…。法螺田をリーダーに担ぐ集団のほどが知れるwだからこそ、法螺田の力で今回の状況が作られたようには思えない。そもそも、法螺田が正臣と帝人の関係性を知り得たことだって、どこかからの口入があったからに違いない。っていうことは、十中八九は臨也であろうと考えられる。というか、そうやって考えて欲しいんだろうね。正臣が黄巾賊に対する大人の介入を嫌がっていた中で、どうしてあそこまでのブルースクウェア残党が入り込んでいたのかも不思議ではある。なんだか、筋書きが先行するあまりに細かい部分には強引さが残る感じがする。

■一人遊びをする臨也

「波江さん、こういうの何てんだろうねぇ。王手?チェックメイト!?それとも、あたり!!?…なんだぁ、いないのぉ。」

 妙に孤独感が出てるんだよね。なんでだろ?BGMもそうだし、一人でおままごとをやって喜んでいるように見えるwっていうか、臨也の目的は戦争状態にあってデュラハンの首を覚醒させることにあったんじゃなかったっけ?だったら、自分も首を持参して戦場に赴く必要があるんじゃないのかなぁ。いつまで盤上で遊んでるんだろう。

「興味深い。実に興味深い。それぞれの秘密を抱えていた仲のいい三人が、偶然とほんの少しの悪意が重なったばかりに、まさに理想に近い形で互いの秘密を知ることになった。まぁ、悪意の大半は俺なんだけどさぁ。でもねぇ、仕切り役のやつがねぇ。ちょっと器が小さくて、面白みに欠けるんだよねぇ。もっと役者を選んだほうがよかったかなぁ。ねぇ、波江さん。」

 いやいや、偶然ではなく作者の作為が満ち満ちていますよwここで言う仕切り役っていうのは法螺田のことだね。それにしても、波江は何におびえているんだろうか。
 セルティが臨也のことを「人が悩んだり苦しんだりしているのを見るのが大好きな情報屋」って言っていたけれど、これも当ってないよね。#02「一虚一実」では自分の想定外の行動をする人物を好む思考を見せていたから、自分の描いた通りに行動した帝人たちには、むしろ興味を失うはずなんだと思う。こんな仕組まれた状況において、臨也が人の精神の機微に興味を抱くとは思えない。そこにあるのは、ただ自分の思い通りに人が動くことの優越感しかないんじゃないのかなぁ。。どうも前半とはキャラクターが異なってきているように思う。臨也の目に人などは映っておらず、ただ一人で盤上のゲームを楽しんでいるようにしか見えない。

■リアリティを喪失したドラマ

 作為が満ち満ちているために、どんなに面白そうな状況になっても白けてしまうwそりゃぁ、狙ってるんだからそうなるよ。あまりにも手が加わって強引に進められているだけに、ドラマとしてのリアリティがなくなっている。
 たとえば、都合よく罪歌の子が街中にいないこと、ブルースクウェアの残党が全員で正臣に立ち向かわないこと、最初から助ければいいのにタイミングを見計らって手を出した罪歌の子、静ちゃんを追いかけて出たはずの杏里が静ちゃんを置いて先に舞台に登場したこと、などなど。他にも細かい部分で整合性を保てていない部分は多々見受けられるし、省略されてしまって何をしたいのかわからないままの部分もある。静ちゃんが生還したことはギャグとしていいにしても、さすがに正臣に対して数人しか襲い掛からないっていうのは水戸のご老公と同じ演出を感じた。
 上述の中でも触れたように、キャラクターの内面に関してもシナリオ優先で導かれてしまっているように感じるところがある。もしも彼らがキャラクターの「らしさ」を押し出していたならば、あんな言動にはならないはずだと思うんだけどなぁ。。キャラクターが板から離れちゃって、ハッピーエンドに向けて好きにいじられているように思う。

■残すところの伏線

「毎度、ロシア寿司です。」
「誰にかけたらいいのかわからなかったので、そちらにかけることにしました。」
「ん?どういうことだ!?」
「あの人が何を考えているのか、伝えたいと思って。」

 いやいや、沙樹がロシア寿司に電話するのだってご都合でしょwこれでサイモンが事態を把握することとなり、静ちゃんの抑止力として舞台に登場するっていうことだよね?wあたるかなぁ~w
 渡草のヒントで法螺田のことに気付き始めるドタチンや、正臣を倒しに出た静ちゃんだって、遅かれ早かれ黄巾賊のアジトに到着することになると思う。加えて、波江がどこに電話していたのかっていうのと、臨也の言っていたジョーカーが誰なのかっていうことかなぁ。。波江がネブラに内通していて、土壇場になって首を回収するっていうのも想定できるけど…。さて、どうなることやら。。。



 なんだか、盛り下がったw前半のセルティ編で感じた良さが偲ばれる。。単にオチをつけようとしているだけの、消化試合を見ている感じだぁ。。

テーマ:デュラララ!! - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/06/18(金) 06:34:32|
  2. デュラララ!!
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

こんにちは、いくつか疑問を持った箇所があったのでコメントさせていただきます。

罪歌の子が街中にいない→いなかったのは集会中の、黄巾族の罪歌の子では?
最初から助ければいいのにタイミングを見計らって手を出した→杏里が近づいてきたことがきっかけだととれる台詞があったはず
杏里が静雄より先に舞台に登場→原作は知りませんが、静雄が先に飛び出したと言ってました?

しかし首をひねらざるを得ないところも多かったですね。
リアリティというか、シナリオを円滑に進めるために、特に今回の話の中心にいる3人の頭がかなり悪くされているようで、多少イライラしました。
  1. 2010/06/18(金) 22:25:13 |
  2. URL |
  3. まー #-
  4. [ 編集 ]

まーさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

> 罪歌の子が街中にいない→いなかったのは集会中の、黄巾族の罪歌の子では?

 確かに、杏里が探していたのは黄巾賊に所属している罪歌の子でした。杏里の思考は「黄巾賊に所属している罪歌の子が街中にいない」⇒「黄巾賊はアジトに集結しているはず」という論理を導いたようです。黄巾賊に正臣の消息を聞こうとしたけれど、誰もいなかったということだと思います。ただ、法螺田が言っているように古くから正臣と一緒に行動していた仲間は「療養中」とのことなので、必ずしも黄巾賊のすべてがアジトに集結しているとは限らなかったということになります。むしろ、正臣を助けようと子の能力が発現したのはたったの一人だけだったこともあり、多くの黄巾賊所属の罪歌の子はアジトにいなかった可能性も考えられます。もしくは、多くの子がいたとしても、まずは一人だけを動かすことで命を取り留めさせ、後は杏里本人が突入するので多勢は必要ないと判断したのでしょうか。あるいは、たくさんの子が正臣を守っては面白みに欠ける、ということなんでしょうか。あまり好意的な解釈ではないですが、どうにも恣意的過ぎるきらいがあります(^_^;)
 一番引っかかるところは、罪歌の能力に関する設定が曖昧なままであり、杏里の子とのテレパス能力がどの範囲まで及ぶのかわからないところにあります。杏里が近付いたことで能力が発現したと思われる正臣を助けた罪歌の子も、あるいは杏里の能力範囲を考える手がかりなのかもしれません。しかし、贄川が登場したあたりで見られる罪歌の例から考えるに、罪歌の能力に範囲の限定があるとは考えにくいようにも思います。地理的な状況も、杏里の能力も、別に細かく規定する必要は物語として必要ないとは思います。とは言え、これらの展開を見ていると、物語を盛り上げるための恣意的な演出に思われ、他の部分との整合性が保たれなくなっているように思います。

> 最初から助ければいいのにタイミングを見計らって手を出した→杏里が近づいてきたことがきっかけだととれる台詞があったはず

 正臣を助けた罪歌の子は「母さん、すぐ近くに来てるみたいなんすゎ。」と言っていました。この発言を杏里の能力に範囲的な限定があると考える根拠にするならば、そのように考えることが正しいと思います。それにしても、杏里が近付いてくるタイミングそのものが見計らったようなものになりますので、どちらにしてもあのタイミングは意図的なものと思います。いや、意図的でない演出など存在しないのですが、あまりにもご都合的な展開が立て続けに用意されているために、リアリティが欠けるように感じただけです。

> 杏里が静雄より先に舞台に登場→原作は知りませんが、静雄が先に飛び出したと言ってました?

「もしもし、セルティ?今、走って追いかけてるんだけど、静雄が拳銃で撃たれてさぁ、杏里ちゃんが突然マンションを飛び出してさぁ、いや、それで飛び出したんじゃなくって、それに、命令したのが紀田正臣だっていう話になったからでさぁ。」

 確認してみたところ、静雄が先に飛び出したとは言っていませんでした(^_^;)つまり、正臣が静雄を撃つよう命令したという情報を知って、居ても立ってもいられずに杏里が飛び出したということなんでしょうか。てっきり、静雄が正臣をぶっ飛ばすと逸っていたので、きっと治療が終わってすぐに飛び出すに違いないという先入観を持っていましたw勘違いしていましたので、訂正しておきます。ご指摘ありがとうございました。
  1. 2010/06/19(土) 07:18:35 |
  2. URL |
  3. 土星蜥蜴 #-
  4. [ 編集 ]

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