土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『十二国記』#09「月の影 影の海 第九章」の感想。

「陽子がおいらを信じてねぇのはわかってた。でも、いつかわかってもらえると思ってた。」
「すまない…。」
「いやぁ、これはおいらの勝手なんだ。おいらは陽子に信じてもらいたかった。でも、おいらを信じるのも信じないのも、それは陽子の勝手だ。」
『十二国記』#09「月の影 影の海 第九章」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 あれ?なんで陽子と杉本は別行動してるの!?同じ船に乗っていたんだし、杉本のヒンマンだって取れたわけだし、杉本は陽子のことを助けようとする気持ちさえあったのに、二人が同行しない理由がわからない。いつの間にか陽子は杉本がいないような感じで船を降りて、楽俊との感動的な再会を果たしていたw筋が通っていないように感じられる。絵柄に関しても、陽子が楽俊に抱きついている場面は楽俊と陽子の大きさのバランスが崩れて楽俊が巨大に見えるし、楽俊の表情は相変わらず動かないし、いろいろと崩れかかっているところがある。変に原作に束縛されてしまっていて原作通りな部分もあれば、違いを出そうとして失敗している部分もある。どうにも杉本というキャラクターを上手く使えてない。小説とはメディアが違うんだから、もっと積極的にアニメらしい表現を入れたほうが良かったようにも思う。

■原作から自立できないアニメ版

「陽子がおいらを信じてねぇのはわかってた。でも、いつかわかってもらえると思ってた。」
「すまない…。」
「いやぁ、これはおいらの勝手なんだ。おいらは陽子に信じてもらいたかった。でも、おいらを信じるのも信じないのも、それは陽子の勝手だ。」

「私は本当に至らない。」
「陽子はよく頑張ったさぁ。いい旅をしてきたんだな。遠くからでも、すぐにわかった。なんだか目が素通りできねぇんだもん。」

 ここらへんのセリフは原作そのままだと思う。陽子が他人の顔色を窺って生きることをやめ、自分の至らなさに気付いたことを象徴するような場面になっている。要は、巧国を脱出したことによって物語の雰囲気が明るくなったのと同時に、陽子が成長を遂げて生まれ変わったということを印象付けるような場面だったんだと思う。ここに来て楽俊のことを初めて名前で呼んだし、初めて抱きついたw
 陽子が身に付けた考え方っていうのは、結局、人はそれぞれ勝手だという楽俊のセリフに凝縮されているように思う。それまでの陽子は相手がどう考えているのかといったことを気にするあまり、自分がどうしたいのかという主体性を持つことができていなかった。合わせて、自分の信じた人が自分を裏切ると、相手のことを責めて恨んでしまう性格をも持っていた。相手が自分を裏切るのも自分が相手を信じるのも、それぞれ人の勝手であるにも関わらず、そこには何かしらの依存した関係があるように捉えていた節がある。そういった感覚を楽俊を置き去りにしたという罪悪感が芽生えたことによって自ら否定し、自分の意志で行動する、自分の行動に責任を持つ、まさしく自立した瞬間が上手いこと描かれていたように思う。今回のセリフも、それを総括するようなものだった。
 とは言え、これは原作に忠実に行った結果のものであって、アニメ独特の表現でもなんでもない。やっぱりアニメにオリジナルで登場してくる杉本の存在が原作とは大きく異なる側面になる。
 でも、その杉本を使いこなせていないように思うwまぁ、杉本を陽子に同行させてしまったら面倒なことになるだろうし、これから巧王と陽子を引き合わせる簡単な方法が使えなくなっちゃうからねwそんな都合もあってか、違和感ありまくりな中で杉本を陽子から離したんじゃないかと思う。
 そうは言っても、やっぱり杉本が陽子と行動を共にしないことが納得できないよw役所で海客の受付をする場面にしても、原作では陽子を通して描かれる場面だった。ここでも杉本である必要性を感じないわけだし、なぜか杉本のときになって郵便番号が七桁になっていることを問い詰められるハプニングが起こるっていうのも不思議な感じがする。その前に陽子は無事に受付を済ませていたわけだし、あえて杉本が受付をしている段階で問題を起こさせ、六太に引き合わせるきっかけを作ったのかわからない。なんだろう、物語の展開をスムーズに導くために、半ば強引に事件や問題を起こさせているように思う。本来的な世界観や設定から考えたら、あんな展開にはなりえない。っていうかさ、海客の受付があんなにたくさん窓口を用意してるわけないじゃんwあれだったら、雁国は海客であふれかえってるくらいになっちゃうじゃんw

「あの人が王…。そんなことが、そんなことがあるわけがない。私は、この世界に招かれたんだ!」

 そして、杉本の陽子に対する嫉妬が再燃する。船の上では仲直りできそうなきっかけを掴んでいたにも関わらず、陽子こそが選ばれた人間だったということを知るに及んで、杉本は陽子に嫉妬することになる。そのことがきっかけで巧王を引き入れることになるんだけど、これも強引さは拭いきれない。

■無感動な陽子

 そういえば、陽子が景王であることが初めて知らされた。まだ不確定な部分はあるけれども、今までの出来事を重ね合わせると、その可能性は高いということで楽俊や壁落人が推察したことになる。
 ただ、その事実を聞いた陽子の感情が表に出てこないwなんだか無感動で、自分が王なのかもしれないと聞かされたにも関わらず、そんなに動揺している様子が描かれない。楽俊や壁落人は陽子への態度を変えたことによって変化が見られるも、陽子は他人行儀に振舞う楽俊にすらリアクションを取らないwあまりの途方も無い事態の展開に陽子は唖然としているのかもしれないけれど、それにしては反応が薄いようにも思える。



 楽俊に抱きつく陽子って面白いよねw確かにモフモフな楽俊に抱きつきたくなるのはわかるけど、楽俊が半獣で男性だということを失念している。いわゆる「慎みがねぇ」ってやつだねw同じ部屋に泊まって一緒にお風呂に入らないかと声をかける場面もそうだってけど、やけにアニメ版だとこのネタを押しているように見えるw

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/06/22(火) 00:01:00|
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