土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『機動戦艦ナデシコ』#13「『真実』は一つじゃない」の感想。

「戦争してるからって、偉いわけじゃない。一人の女の子を守って生きるのも、地球を守って生きるのも、同じ戦いでしょ!?」
『機動戦艦ナデシコ』#13「『真実』は一つじゃない」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 物語が進んだなぁ。。SFらしいボソンジャンプの要素と、アキトがなぜ地球にいるのかといった謎や、木星蜥蜴に関する新たな情報などなど、物語全体の構想に関わる伏線が張り巡らされているのを実感した回だった。アキトがなぜ戦いに参加するのかといった動機に関する描写もあり、いつも通りのラブコメ要素もあって、なかなか盛りだくさんだった。相変わらずの「能力は一流でも性格に問題があるクルー」っていう設定が生かされていて、アキトのような「お呼びじゃない」キャラクターが活躍してしまうストーリーがあって良かった。にしても、あのアキトと交代でナデシコに配属されたパイロットが完璧すぎるw性格もいいし、可愛いし、声は矢島さんだしで、非の打ち所が無いwいい人が一番最初に死ぬという慣例に従い、すぐさま退場なんだよね…。残念。

■半端者のアキト

「俺って、なんかになりたいってのはいいけど、結局、誰もお呼びじゃないんだよなぁ。」

 ナデシコという作品は半端者やあぶれ者の物語だと言える。ナデシコのクルーは「能力は一流であっても、性格に問題がある」というコンセプトで集められた…、いや、そういった人材しか残っていなかったために集まってしまった。艦長のユリカが典型的なキャラクターだと思う。戦闘中にも関わらずコスプレをしているくらいなんだから、正規の軍隊では採用されないよねwだからこそ賑やかな艦内の雰囲気を残しているし、単なる戦闘アニメに収まらない下地を持っているし、感情的な部分が出るから人間ドラマも生まれやすいし、そんな中途半端なキャラクターたちの成長を描くこともできる。まだまだ大人としていろんなことを割り切って考えることのできない子どもっぽさを見せる場面は多くあるし、そこから青春や思い出を大切にする雰囲気も出てくるんだと思う。
 中でも、アキトはその代表格に位置付けられる。っていうか、アキトの場合はパイロット能力も一流というわけでもなく、コックとしても半人前なままだし、何一つ条件を満たしていないwただ火星から跳んできた単独での生体ボソンジャンプ体験者であるっていう点で特異なだけで、性格は協調性のない青臭いものだし、能力も劣るしで、何も取り柄がない。主人公として成長や変化を描くには、やりやすい初期設定な感じ。

「そうかよ、要するに、俺やイネスさんはモルモットか!汚ねぇよ、ネルガルは!!」
「モルモット?いいじゃない!どうせあんた、半端なんでしょ?人類のため?いいじゃない。モルモットのほうが、よっぽど立派よ。」

 アキトはお呼びじゃないし、半端だし、モルモットよりも劣る。そんなアキトが自分にしかできないことを見つけ出そうと足掻くところがジュブナイルちっくだし、どうやって自分の生き方の動機を見つけ出すのかといった苦悩が描かれるところも良かったと思う。

「ナデシコのことは忘れて、私とクリスマスしてくれる約束でしょ?」
「でも…。」
「戦いたいんですか?」
「戦いたいんじゃないんだ。でも、俺、火星で…。これでナデシコがなくなったら、俺、守るものなくなっちゃう。」
「私じゃダメですか?私を守るんじゃダメですか?見てください。みんな楽しそう。暢気に見えます?でも、みんな必死なんです。みんな自分たちの場所で、自分たちの幸せを守るために一生懸命戦ってるんです。戦争してるからって、偉いわけじゃない。一人の女の子を守って生きるのも、地球を守って生きるのも、同じ戦いでしょ!?」

 ここでメグミよりもナデシコを選んだアキトっていうのが面白い。逃げるのが嫌だったのかな?戦争というデカい事件に関わるほうがカッコいいと思った?そこらへんの動機付けは今回の内容からは読み取ることができなかった。アキトにとってはメグミはナデシコの一部だったっていうことなのかな…?物語全体を通して、ナデシコという空間で起こった出来事を思い出として大切にする雰囲気はフクベ提督の発言でも提示されていた。そこを汲んで考えれば、アキトもナデシコでの思い出を守るために戦おうと決意したということなんだろうか。

「俺にできること…。俺にしかできないこと…。本当にあるのか?俺は何かになれるのか!?」

 星になりましたwとは行かず、生きてるんだよね…w何も能力のない状態から努力して成長を遂げるというわけでもなく、ただ先天的な火星生まれという能力によって自分の立ち位置を見つけようとするのは、少しズルいと思う。っていうか、主人公としてズルい感じが…wいや、主人公だからこそなのか…。なぜかメグミもナデシコに復帰しており、ここらへんのアキトの心情が変化した動機付けも不明瞭なまま、総集編を経て佳境へと入っていく。

■物語全体に張り巡らされた伏線

「あの日、あなたは跳んだんじゃない?火星から地球へ…。」

 話は第一話に遡る。アキトって、どうして火星にいたのに地球でコックしてるの?ってことなんだよね。火星でアイちゃんを守ろうと奮闘していたんだけど、木星蜥蜴の無人兵器に追い詰められていた。そのまま事態が展開したのならば、アキトは死んでいたはずだし、そもそも火星から脱出する術なんてないわけだから、なぜ地球にアキトがいるのか謎でしかない。その点、プロスペクターが何かを感付いて、それでナデシコにクルーとして採用されたんだよね。。初回で扱っておいた話ながら、ようやく展開させた感じがする。しかも、その火星から地球へと移動したのが単独での生体ボソンジャンプだって言うんだから、かなりびっくりな伏線だよね。。さすが。

「さっき、木星蜥蜴が生体ボソンジャンプの技術を得る前にって言ってたわね。つまり、彼らも私たちと同様、どこかで相転移エンジンやチューリップを手に入れたに過ぎない。」

 このイネスさんの分析って鋭いよね。さすが、説明オバサンと言われるだけのことはあるwしかも、このセリフをよくよく考えてみれば、木星蜥蜴が知能を持った存在だっていうことも推測できる。さらには、木星蜥蜴自身が何かオーバーテクノロジーを開発しているわけではなく、ただ単に技術を手に入れたというところが気になる。結局は、後々に木星蜥蜴がかつて地球を追い出された人類だっていうことがわかるわけだけど、それにつなげる上手い伏線になっている。加えて、今回の最後に木星蜥蜴の機体からゲキ・ガンガーのテーマ曲が流れていたとあっては、見ている側も想像力が働かされる感じだね。あんなヒューマン・インターフェイスを備えたコクピットがあるんだから、否応無く相手も人間なんじゃないかっていう発想を導き出されてしまう。楽しい展開だねw

「実験機がもしも、敵の母星まで到達していたとしたら、気付くわね。地球側のボソンジャンプ実験の開始を…。そうなれば考えられるのは、実験の妨害。そして、破壊。」

 この時点でイネスさんは木星蜥蜴が地球人であることを知っていたのかな?火星の極冠遺跡の研究に携わっていたこともあり、知ってそうな、知らなさそうな…。

「彼は跳んだのよ、二週間前の月へ…。」

 そして、このセリフがボソンジャンプを解き明かす最大のヒントなんだよね。従来のワープって空間移動のことを指していたけれど、ここでは時間移動も含めていることがわかる。ナデシコが火星から月軌道上に現れた事例と合わせて考えれば、ボソンジャンプが時空間移動であると考えるべきだということなのかな?まだまだ量子論をSF設定に用いていない時代だったからこその設定だと思う。もう少し事例が登場してから、量子論と比較しながら、タイムパラドックスの問題も含めて、ボソンジャンプについて検討する必要がありそうな感じ。

■ラブコメ要素

 物語が大きく進展している中で、賑やかな脇役たちは気にせずラブコメを続けている。どっちのクリスマスパーティーにアキトが参加するか聞き出そうとするリョーコもそうだし、友情を口実に二人っきりになろうと考えるリョーコもそうだし、ナデシコを降りる新婚夫婦みたいなアキトとメグミを見送るリョーコもそうだし、まったく相変わらずだった。あっちこっちに散りばめられているから、本筋では重いような内容を扱っているのに、なんだか軽い感じに見えちゃうんだよねw外はサクサク、中はモッチリって感じ。
 リョーコはいつものこととしても、今回はミナトとエリナがラブコメ要因として初参加したwいつのまにかゴートと社内恋愛をしていたミナトは、典型的な背伸びをしてネクタイを引っ張ってキスする場面をやっていたし、冷徹なキャラクターとしての印象しかなかったエリナもアキト争奪戦に名乗りを挙げた。ミナトとゴートの恋愛って、どこかのドラマの設定でありそうな感じなんだよね。。ナデシコに置いておくのが危険だからって、わざわざ内勤の辞令を持ってきているあたりがベタな感じ。ミナトの反応も含めて、本当にベタな感じだったw

■復活したルリのボヤき

「あぁ、でも、みんなアカツキさんのパーティーに行くって言ってたよ。」

 前回のホシノ・ルリ・サーガでは珍しくしおしおしたルリが見られた。あれがあったから、ちょっとは可愛らしくなったものかと思ったら…、まったく、いつも通りのボヤきっぷりだったwウリバタケ班長が気合いを入れて準備をしていたのに、終わってから言うあたりが意地悪だよね…。

「勘弁して!」

 たぶん、今回のラストが全編を通して一番のオチだったと思う。まさか木星蜥蜴の無人兵器からゲキ・ガンガーのテーマ曲が流れているとは思わなかった意外性とともに、脳裏に敵もゲキ・ガンガーを見ているのかという推測が思い浮かんだところに、すかさず「勘弁して!」というルリの冷たいツッコミが入った。これ以上、ナデシコが暑苦しくなるのは堪えられないって感じだよねw大爆笑だった。

★今日のマキ・イズミ★

「たまにはパーっとするのもいいかなって。」
「あなたはいつもパーっとして…w」

「メリーさんとこのクリ坊、謝る。メリー、クリ、すまんす。」

「母ちゃん、母ちゃん、車買っとくれよ。」
「バカだねぇ、この子は…。うちは借金、火の車だよ。」



 以前の戦艦で行った世界各国のお葬式のと言い、今回のクリスマスのホウメイ・ガールズの微妙なダンスと言い、どうにもノリが古いw見ていてむず痒くなる…。次回は熱血な回だ。

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2010/06/24(木) 00:01:00|
  2. 機動戦艦ナデシコ
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