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土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

『RDG レッドデータガール』#02「はじめての手のひら」の感想。

「東京の人ゴミにあてられて、気分が悪くなったとか。そういう話なのか?」
「簡単に言わないでよ。あんなに変なものがいっぱいいるのに…。」
「なんだよ、変なものって。」
「付け狙おうとする悪いもの。何か禍々しくて、黒い塊に見えるもの。」
『RDG レッドデータガール』#02「はじめての手のひら」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 まだまだ初期設定を丁寧に描写している段階だけど、少しずつ動き始めた感じだったかな。相変わらず、ボーイミーツガールで逃避行とかベタベタすぎる気はするけど…。なんだか二人が『天空の城ラピュタ』のパズーとシータに見えてきた。ちょうどオサゲだし。。っていうか、元ネタ?

■記号性を持たないキャラクター

 ここまで丁寧に初期設定を描写されると、却って、こんな手法があったのかと懐かしくなる。泉水子が触れる機械が何度も何度も壊れる場面、黒い塊を怖がって手をつなごうとする場面、深雪を前にして引っ込み思案ながら会話を進める場面、どれを取っても泉水子の性格や心情を具体的な表現で丁寧に描写しているように見える。
 アニメでは多くの場合はキャラクターが記号化されているために、初めて登場したとしても設定の説明が必要ない場合が多い。極端な例を挙げれば『ドラえもん』のキャラクターは特徴がはっきりと別れているため、なんの説明がなかったとしても、どんな人物なのかがわかりやすい。『涼宮ハルヒの憂鬱』にしても、主要な三人の女の子はそれぞれ極端なくらい特徴がバラけており、既にツンデレ・巨乳・メガネというような記号化が可能となっている。人物の特徴を極端に強めて「キャラ立ち」させるのはマンガやアニメの基本的な手法であるだろうし、それこそ「キャラクター」と呼ばれる所以でもある。
 今回の泉水子は「三つ編みのオサゲ」や「メガネ」や「引っ込み思案」といった記号性を帯びそうな特徴を持ってはいるものの、かと言って、その記号のままに解釈されることを嫌っているようにも見える。彼女を既存のイメージをもとに捉えられる「キャラクター」として扱われないよう、具体的かつ丁寧に初期設定を描写することで「泉水子」としての存在を作品内で確立させるためだろう。原作がライトノベルなどではないことの証明でもある。



 舞台が東京になってから、一気に写真レイアウトっぽいカットが増えた。熊野の森がきれいだっただけに、無機質な感じがしてしまった。そんな対比を印象付けたかった狙いもあったのかもしれないけど…。自動改札が一斉に閉じる場面はさすがに笑ってしまった。それにしても、和宮くんにだけ黒パラをかけすぎじゃない?背景のライティングから考えて、明らかにおかしいでしょw
 泉水子を付け狙う黒い塊が『電脳コイル』のイリーガルに見えて仕方なかった。なぜ泉水子には見えて、深雪には見えなかったのか…。それは、彼がメガネをしていないからに違いない。きっと東京は古い空間が多いに違いない!

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/03/24(日) 04:50:39|
  2. RDG レッドデータガール
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