土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『翠星のガルガンティア』#01「漂流者」の感想。

「永きに及んだ漂泊の時代は終わり、我ら人類は、あまねく銀河に繁栄の世界を手に入れた。それが、アヴァロン。麗しき理想郷。科学の叡智と、開拓の意志が築き上げた楽園の輝きを見よ。これこそが、諸君の故郷。4億7000万の全市民が、諸君の勇気と献身を讃え、栄誉ある兵士たちの名を胸に刻んでいる。讃えよ。人類銀河同盟に約束された、久遠の未来を。ここより、人類の飽くなき挑戦は始まっていくのだ。だが、諸君。忘れてはならない。この非情なる宇宙の深淵には、時に、容赦ない悪意が潜むことを。我ら人類の前途を脅かす、ヒリヤーズの跳梁を。断固として阻止すべし。かような下等生物に、人類の躍進を阻まれてはならない。英雄たちよ。大いなる試練のときに奮起せよ。無念のうちに散った幾多の犠牲を。今なお危機に瀕している、未来の同胞たちを忘れるな。」
『翠星のガルガンティア』#01「漂流者」冒頭部より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 キタ━━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━━ !!!!!
 すごい!すごいよ!!なんかキタよ!!!
 これはヤバイ予感しかしないよ。歓喜ですよ!アニメの歴史がまた更新されるに違いないのですよ!!
 こんなに初回からテンション上げ上げになったのはいつぶりだろう…。アニメアニメしたアニメに出会えた瞬間の喜びが半端ない。シナリオも映像もどこを見てもアニメの文脈を踏まえながら、さらには新しい要素を展開しようとしている気配が充満している。メカはアニメの専売特許みたいなジャンルではあるんだけど、しばらくヒット作に恵まれなかった。ここ数年の主要なメカものを掻い摘めば、『コードギアス 反逆のルルーシュ』(2006)、『ゼーガペイン』(2006)』、『天元突破グレンラガン』(2007)、『ぼくらの』(2007)、『機動戦士ガンダム00』(2007)、『コードギアス 反逆のルルーシュR2』(2008)、『マクロスF』(2008)、『鉄のラインバレル』(2008)、『亡念のザムド』(2008)、『バスカッシュ!』(2009)、『宇宙をかける少女』(2009)、『輪廻のラグランジェ』(2012)っていう感じ。2007年前後の盛り上がりの後は尻すぼみ状態だった。そして今、またメカものの系譜を継ぐアニメがやってきたのですよ!

■王道アニメの継承者として

 いろいろなセリフや映像を見聞きするにつけ、どれを取っても今までのアニメが積み重ねてきた内容が蘇ってくる。パロディーやモチーフないしはパクリと呼ばれるけれども、これこそアニメの築き上げている表現なんだと思う。つまり、過去の作品を下敷きにした表現に対し、自らの新しい考えを付加することにより、その表現が新旧二重の重奏的な意味合いを持つようになる。古典文学で言うところの「本歌取り」や「典故表現」がそれに近い。ただ、これはアニメをとことん見ている視聴者がいないと理解されない表現だし、だからこそアニメは見る人を選ぶ表現形態になっているところもある。現代文学・実写映画・漫画などなど、他の表現形態とは異なるアニメの得意とする表現方法だし、見ている側としても想像が止まらずにすごく楽しい。
 今回も冒頭の映像からツッコミどころ満載だった。だって、あのスケルトンな宇宙船は『マクロスF』で見たものと同じだし、敵の生物は『トップをねらえ!』なんかに出てくる宇宙怪獣そのものだった。そして、そのモチーフですらアニメ作品が連綿と繰り返し用いてきたガジェットでもある。ワープをする方法、重力を利用した兵器、メカの飛び方や構造、どれもこれも様々な作品の影響を感じさせるものだった。
 今回の中で目新しかったのは主人公が漂流したっていうことなんだろうか。それもあって、サブタイトルが「漂流者」だったのかな。だいたい敵が地球にやってくる系の作品が多いんだけど、主人公が未知の場へと漂流する類型に該当する作品は思いつかない。あちこち旅するのはあるけど…。いや、実写映画とかSFの領域には漂流するのはあるんだけど、それをアニメで取り入れたものがあったかな…。なかなか思いつかない。


■組織集団から解放されて個人となる主人公

「アヴァロンか…。一度、この目で見てみたいとは思っていたが、いざ行けるとなると、よくわからない。故郷ってなんなんだ…。」
「市民の権利が保証される場所である。貴官には、自由睡眠、自由飲食、並びに、生殖の自由が与えられる。」
「なんだかな…。どれも俺には難しすぎる。」
「貴官は、生存し、繁殖するにふさわしい優秀な人類であることが証明された。栄誉であり、歓喜すべき成果である。」
『翠星のガルガンティア』#01「漂流者」より

 物語は明らかに集団と個人の問題をテーマとしている。初回は徹底して、主人公のレドが「故郷」を知らない人物であり、集団や組織に対して柔軟に適応する能力のある人物であることを描いていた。

「最後の恐怖を感じたのはいつだろう。余計なものをすべて忘れ去ることで、俺は兵士として完成した。成し遂げるべき勝利の在処…。何もかもが明らかで、迷う必要など一切ない。俺が求めるもの、俺に求められるもののすべてがここにある。」
『翠星のガルガンティア』#01「漂流者」より

 集団や組織の論理における最善の行動をレドが取る。それは、ある意味においては主体性のなさを感じさせるものだし、一方では、公共性に富んだ優秀な組織の構成員でもある。組織が求めることを実行することが自らのアイデンティティーであり、組織の投げかける言葉に対する懐疑や批判といったものは感じられない。

「レド、お前だけでも着艦しろ!やつらは俺が足止めする!」
「クーゲル中佐、それでは軍紀違反です!!」
「お前はまだ若い。俺よりも多くの敵を殺せる。それが軍人の判断だ。人類銀河同盟に栄光あれ!達者でな…。」
『翠星のガルガンティア』#01「漂流者」より

 軍人の判断というよりは、人類という「種の論理」における最善を考えての行動と言ったほうがいいのかもしれない。とにかく、レドだけでなくクーゲルも組織の人間だった。攻撃の方法にしても徹底して組織的かつ論理的に行われる様子が描写されていたし、一糸乱れない編隊飛行だった。人類のためであれば自己犠牲も厭わない。そして、そんな種の論理と軍紀違反とを天秤にかけてしまう、要はマニュアル思考な主人公の姿も描かれていた。
 そして、物語は地球へと舞台を移し、チェインバーがレドに対して「パイロットの状況判断」を求める場面となった。ここに来て、集団と個人の対比が明確に打ち出されていると思う。あそこまで徹底して組織の論理で動いていたレドに対し、個人的な判断を求めるという皮肉が面白かった。これから地球人の行動や発言に対し、「理解できない」とか「論理的じゃない」とかいうセリフを乱発すること間違いない。
 結局は、なんにしても、アニメってだいたい自我の確立を描く作品になることが多い。それこそアニメが自ら選んだテーマなんだろうし、その問題を前進させることがアニメの使命でもあったりするのかもしれない。それも含めて、この作品がアニメの王道を進むものなんだろうと思う。

■技術的な進展

 ついにメカ内部のモニターが3D的な図柄になった!
 今までモニター画面は3Dで制作されることはあっても、その中身は平面的な発想によるものだった。宇宙なのに平面で機体位置を表示していたから、どうしても違和感があった。それが、今回は3Dの立体的な発想に基づいて表示されていたからびっくりした。ようやく宇宙的な表現になった気がする。
 ワープもなんだかカッコイイし、メカの動きも3Dをフルに活用したものになっているし、兵器もかっちょいいし、あちこち映像的にも新鮮だった。
 それにしても、あのメカデザインはどうなのかな。あんまりこだわりがないから気にならないけど、今までのメカデザインとはなんだか違う。3Dの論理で発想されたデザインって感じもするけど、どうなんだろう。地球に移ってからのメカのトメカットも3Dを下敷きにしていたっぽし、今までのデザインの発想法や運用と違う感じがする。
 それと、目についたのはアップ時の瞳の撮影処理。女の子の瞳がやけに輝いていた。あれって塗りだけじゃ無理じゃないのかな…。撮影でフレアを炊いたような感じだけど、そんなことできるのかな。


 チェインバーの論理的思考を追いかけるのが楽しい。あちこちサクサクと話を進めているけど、世界観を構築する論理面が整っているから安心して見ていられる。オチはどうなるのかなぁ…。ワープのときに時間まで漂流していて、実は過去でしたって場合とか。いや、主人公とチェインバーの主観時間はあてにしないとして。もしくは、多元宇宙論に基づいて、他の次元に来てしまっているとか…。どっちにしても、人類銀河同盟が未踏の理想郷っていう設定がなんとも怪しい。地球人たちの「銀河渡り」も気になる。毎週楽しみが増える~。

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/03/31(日) 01:52:59|
  2. 翠星のガルガンティア
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