土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』#01「出撃」の感想。

「無理しないと、ヒーローにはなれないだろっ!!」
「キャラじゃない…。」
「それ、お前のキャラと違うだろ。」
「なんだよ、その熱血。」
「ヒーローって、本気だったの?」
『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』#01「出撃」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 ギャグなのかシリアスなのか…。緊迫した状況にもダラダラと平静を保つ主人公たちの雰囲気が印象に残りはする。シリアスをやろうとしてるんだろうけど、そのシリアスなはずの場面でさえリアリティーに欠けるというか、なんだかジメっとしてる感じがする。原作付きとは言え、これも久しぶりのメカアニメであり、各セクションで実績のある人たちがスタッフとして参加し、かなり期待していた作品ではある。あるんだけど…、なんだろう、このモヤッと感は…。やっている内容はアニメアニメしたものではあるけれども、どうしようもなく古い!従来のアニメ的展開を反復するのはいいとして、そこに新たな付加要素がないと単なる縮小再生産になってしまう。これから何か新鮮なネタが仕込まれるのだろうか。正直なところ、グッと来るような作品ではなかった。

■おちこぼれの物語

「今回も最低戦績だな!チーム・ラビッツ!!さっすが、ザンネン5。」
『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』#01「出撃」より

「わかってるでしょうけど…。今期も成績は最低よ、あなたたち。個々の能力は決して低くない。なのに、チーム戦になるとボロボロ。お互いの足を引っ張り合ってる。」
『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』#01「出撃」より

 おちこぼれを主要な登場人物に据えるのはマンガやアニメでよく行われることでもある。そのほうが、ドラマになるというか、物語として都合がいいのかな。サブカルチャーであることの理由にもつながるだろうし、多様な価値観を描くという意味でも有効性を持つ。つまり、既存の価値体系からは評価されず、そこから逸脱した人々の物語として見ることができる。

「GDF本部、民間居住区にまだ人が残っています。」
「もう無理です…。」
「しかしっ!!」
「引き上げてください。彼らが乗る船はもうありません!」
『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』#01「出撃」より

 本来ならば、この命令に従って帰還するのが普通の人の判断だろうと思う。それが組織の命令であって、それに反することは組織からの逸脱につながってしまう。彼らは「おちこぼれ」のザンネン5だったからこそ、その命令に反して民間人の救助を行った。しかも、偶然なのかなんなのか、勝利するどころか、敵を撤退させるまでに追いやった。多様性の面目躍如たる結果なのかもしれないけれど、あまりに偶然過ぎてなんとも言えない感じがする…。

■アニメの文脈

 能力は高いのに人間性に問題がある人々が宇宙へと旅に出るのは『機動戦艦ナデシコ』で描かれた物語だった。敵が未確認であり木星界隈を舞台とするなら、ナデシコの影響は濃厚と考えざるを得ない。ナデシコも『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』や『うる星やつら』といった作品の影響を受けているわけであり、その意味も含めて『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』もアニメの文脈の支配下にあるものと考えていいと思う。戦場のど真ん中に補給部隊が出るアイデアも『ヴァンドレッド』で見られた。そもそも、おちこぼれというテーマを選んでいる時点で、それをテーマとしたマンガ・アニメの作品は多数あるわけだから、その流れを考えないわけにはいかなくなる。
 おちこぼれの物語と言えば、つい最近の『ガールズ&パンツァー』もそうだった。ちなみに、どちらもシリーズ構成は吉田玲子さん。それもあって、ここでの類似性も考えられてしまう。『ガールズ&パンツァー』でも「おちこぼれ」の認定を親から受けた主人公が、その判断をした親や姉を見返すような内容だった。さらには、キャラクターが多数登場して、しかも、それぞれが一部の能力にのみ特化したような人物ばかりが出る。搭乗するメカである戦車も特徴のあるものばかりで、そんな多様な人々とメカが協力して戦場を切り抜ける物語でもあった。かなり似ている。カットインを多用して次々とキャラクターの感想を並べ立てるあたり、その演出までも含めて『ガールズ&パンツァー』を想起してしまう。

■ザンネン5の仕組みとリンクする制作陣

 いや、別に制作陣が残念だと言いたいのではない!w
 むしろ、「個々の能力は決して低くない。なのに、チーム戦になるとボロボロ。」といった感じ。演出は演出、脚本は脚本、デザインはデザイン、作画は作画、3Dは3D、制作は制作っていう感じが微妙にしてしまう。それぞれ名のあるスタッフなんだけど、どうにも各セクションの有機的な連携が取れていないような印象を受ける場面がいくつか見られた。
 とにかく、致命的なのは手描きセルと3Dとの隔絶感が半端なかった。そもそも、3Dで発想された設定になっておらず、あくまで3Dをメカのアクションカットをカッコよく見せるための道具立てぐらいにしか考えてなさそうな感じがする。本当なら戦艦内部の構造なんかを3Dで見せる方法も模索されるべきだろうし、モニターグラフィックスが平面的な発想でしか設計されていないし、中途半端に爆発を手描きでなく3Dにしたために違和感丸出しで、手描きと3Dを融合させるための配慮がないから3Dのヌルヌルした動きがやたらと悪目立ちする。というか、3D的な考え方で美術設定とかを発想されていたならば、衛星映像をただ並べるだけみたいな芸のない不自然な指令所的な場所は作らないはず。
 メカが手描きっぽい雰囲気でデザインされているのは別にいい。それはそれで需要があるだろうし、むしろ3D的なデザインを嫌う人もいるだろうから、ありだと思う。ただ、3Dモデルの作り込みも質感がのっぺりしていて微妙な感じがした。だったら、メカも手描きにしちゃってカッコよく外連味たっぷり歪みあり嘘パースありの作画にしちゃえばいい。3D的にメカを扱いたいのか、手描きの強みを生かしたものにしたいのか、そこらへんの中途半端さが目立った。
 キャラクターも平井久司さんを起用しているだけに、手描きの風合いが濃いキャラクターになっている。これも古さを垣間見させる一因ではあるだろうけど、問題はこの作品がどこに向かっているのか微妙にわからないところ。それぞれのセクションがいい仕事をしていても、連携というか、向かっているところがバラバラというか、なんとも具合が悪い。まぁ、ザンネン5と同様に、多様性という強みを今後の展開で見せてくれるだろうに違いない!



 表情の崩しとかマンプの表現とか、やたらとマンガちっくな雰囲気を感じた。マンガなのかアニメなのか、そこらへんの中途半端さも感じてしまう。モヤッと感の正体はそこらへんにあるのかな…。あ~、動画工房の作画とオレンジの3Dに期待していたのに、まさしくザンネン5だわー。

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/04/05(金) 02:40:17|
  2. 銀河機攻隊 マジェスティックプリンス
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