土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『革命機ヴァルヴレイヴ』#01「世界を曝く」の感想。

「僕は勝ったり負けたり、そういうのがない世界がいいな。グラウンドだって、みんな半分こで使えばいいのに…。」
「お前はハムエッグの黄身も愛した女も、ナイフで半分に切り分けるのか?幸せは半分こになんてできない。」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#01「世界を曝く」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。




 いやいや、やっぱりメカアクションはサンライズに限る。今期は『翠星のガルガンティア』や『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』という同ジャンルの競合作があるなか、メカアクションではサンライズが他の追随を許さないことが確認された。圧倒的ではないか!メカのデザインも、3Dの使い方も、動かし方も、見せ方も、すべてにおいて段違いだった。映像や脚本の目新しさで言えば『翠星のガルガンティア』のほうが明らかに抜きんでるとは思う。とは言え、この安定感たるや守旧の誹りを受けようとも進んで拍手を贈りたくなる。ただし、メカアクション以外のところで手放しにテンション上げ上げにならないところがあったかな。

■ダークヒーローの裏返し

 現在的な社会問題をそのまま切り取ったような部分があった。領土問題だとか、平和主義とか、当事者意識を持たない国民とか、ビッグデータとか…。ただ、それらがなんとなく表面的に取り上げはするものの、果たして作品の内容にどれだけ結び付くものになるのか微妙にわからない。安直に取り上げただけみたいな受け取られ方をされかねないような提示だっただけに、なんだか不安になる。

「お前が戦いたくなくても、向こうが殴ってきたらどうする?へらへら笑って勝ちを譲るのか?譲れないなら、戦うしかない。」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#01「世界を曝く」より

 平和と戦争のコントラストが印象に残る演出がなされ、そこから主人公の動機付けが語られていた。平和でいられるうちは武器を持たなくてもいいけど、戦争が身近に迫ったからには戦いに臨んで勝ちに行かなければならない。今作ではヒロインが殺されたことによって、主人公は戦う動機を手に入れていた。本来ならお客気分の日和見ツイッターに投稿していた人々と主人公は同じ側の人間だったんだろうけど、そうやって戦いに巻き込まれる機会に遭ったことで物語の主人公となったんだと思う。あまりにもお約束が過ぎる気がする。
 この流れって今までも普通にやってきた内容だし、ベタと言えばベタで王道なんだけど、何かつまらない。というか、ここで挙げた領土問題・お客気分の民衆については『攻殻機動隊S.A.C. 2ndG.I.G.』できっちりとやってしまっている。確かに中国とかとの何やらで取沙汰される問題ではあるけど、ちょっと中身は終わってるネタ感がしてしまう。あるいは、たぶん『コードギアス 反逆のルルーシュ』の仕組みを反転させた風にも見えるかも。差し詰め、主人公のハルトがブリタニアで安穏と暮らしているノーマルな国民で、ドルシア軍の工作員として登場したエルエルフが地下活動をしている時点のルルーシュみたいな感じがする。
 そう考えると、この作品の意味も見えてくるんだろうか。要はダークヒーローに打倒される側の視点から描いた作品になるってことかもしれない。そうなると、主人公の立ち位置がどうなるのか、そこに新しい境地が拓けるかも。ダークヒーローものは世界の標準化(グローバリゼーション)や能力主義社会のもとに、各自が持ち合わせた資質を社会システムに否定され、それに対する反抗が描かれる。そこでの正義は人々の持ち合わせた生来の価値を守るところにあるし、悪はそれを公共の名のもとに否定する社会システムそのものになる。これを前提として、主人公の立場を社会システムの内部に置いたのが、今回の『革命機ヴァルヴレイヴ』なのかもしれない。シリーズ構成の大河内一楼さんが『コードギアス 反逆のルルーシュ』を更新しようと頑張っているのかもしれない。そうは言っても、まだ作品の大枠が見えてこないから、なんとも言えないのが正直なところ。

■下敷きにしているもの

 なんというか、ブツ切り感があった。登場人物の感情のラインがつながらないというか、いろんな要素を詰め込んだために滑らかさに欠けるというか、要素を詰め込むためにそれぞれが記号化されて中身がペラペラっとした感じになってるというか、ビジネスやツカミを優先したために拙速を尊んだ嫌いがある。確かに『新世紀エヴァンゲリオン』や『魔法少女まどか☆マギカ』は象徴的で何かありそうで何もないような表現の使用を一因として、多くの視聴者のハートをゲットしたような部分もあるかもしれないけど、なんだか違う。次回以降がどうなるかっていう感じ。

「譲れない、だから…!」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#01「世界を曝く」より

「手に入れた、力を、だから…!」
『コードギアス 反逆のルルーシュ』#01「魔神が生まれた日」より

 まぁ、脚本が同じ人だから、セリフも似たところが出るのは当然。主人公が戦う決意をする場面の言い回しがまったく同じだった。これを考えると、やっぱり『コードギアス 反逆のルルーシュ』を意識していないはずがないとは思う。
 そのほか、ベタな部分はたくさんある。主人公に彼女的な存在がいて、その彼女が殺されたり戦争に巻き込まれて、なぜか主人公がメカと出会って、メカがなかなか動かなくて、そして、戦闘の真っ最中に突如として主人公の能力が目覚めて活躍して敵を倒すみたいな。どこのガンダムだよ!みたいな。っていうか、この展開がそのまままったくもって『機動戦士ガンダムUC』でしかない。もうちょっと、なんとかならなかったのだろうか。

■メカアクションの本家として

 メカが新しくも古かった。超カッコイイ手描き発想のデザインで、それを3Dの技術を援用して上手く見せた感じがする。あくまで3Dを表現のための道具として使うものと考え、それを上手いこと使いこなしたように見えた。3Dのコマを落とすことはもちろんやってるだろうし、メカのパーツごとに躍動する雰囲気が感じ取れてすごく良かった。こいつ、関節がたくさんあるぞ!!みたいな。
 他に比べると、『翠星のガルガンティア』は3D発想のデザインや動かし方なんだけど、どことなくカッコ良さに欠けるツルッとしたデザインで不自然にヌルッと動く感じがする。映像的に新鮮だし見栄えもするんだけど、どことなく物足りなさを感じてしまうのも正直なところ。そして、『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』は手描き発想のデザインを3Dで運用しているんだけど、上手く手描き部分に馴染めずにいて、見せ方もメカを生かし切れていない感じがしてしまう。
 ヴァルヴレイヴの初戦闘シーンなんかは『機動戦士ガンダムUC』のクシャトリアの初戦闘シーンを思い出した。なにより、メカの重量感がいい。やっぱりサンライズはメカの本家なんだということを実感した。



 メカアニメをプレスコで作ったのって、他に思い当たらない。っていうか、そんな作り方をしちゃって、スケジュールは大丈夫なんだろうか。変則2クールらしいから、とりあえず1クールだけでも逃げ切っちゃえばなんとかなるのかな…。メカアクションは一安心っていう感じで、あとはシナリオとか世界観とか、そこらへんがどんな感じになるのか次回以降に期待。さて、主人公はヴァルヴレイヴとの契約をクーリングオフできるのだろうか。契約したときのモニターが妙に悪徳商法的な文面になっていたのが気になる…。

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/04/12(金) 20:16:36|
  2. 革命機 ヴァルヴレイヴ
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