土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『革命機ヴァルヴレイヴ』#04「人質はヴァルヴレイヴ」の感想。

「みんな!もう誰かにすがるのは止めよう。何かに頼るんじゃなく、自分の足で立つの!!独立するの!!私たちは今から独立するの。私たちの学校は、ドルシアともアルスとも対等の、独立国になります!!」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#04「人質はヴァルヴレイヴ」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承のうえお進みください。




 いや、これは来たでしょ。前話までは設定の展開やネタの放出にシフトした感じがしてモヤっと感があったけど、今回はいかにも大河内さんらしい感情ラインを押し出すような文脈の構築が見られたと思う。ショーコの独立宣言をもって、作品の仕組みが明確になったのもある。というか、これぞアニメの王道っていう感じ。さりげないメカアクションカットが、とんでもなくカロリーの高いものだったりもする…。なにげなく『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を連想させる表現もあったりする。まさに歴史的な作品が生まれ来る瞬間に立ち会えるゾクゾク感がたまらない!

■子どもたち、ジオールに立つ!

「みんな!もう誰かにすがるのは止めよう。何かに頼るんじゃなく、自分の足で立つの!!独立するの!!私たちは今から独立するの。私たちの学校は、ドルシアともアルスとも対等の、独立国になります!!」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#04「人質はヴァルヴレイヴ」より

 ここで注目すべきは独立の主語が「私たちの学校」となっていること。決してジオールではない。与えられたものではなく、自分たちで立ち上がろうという姿勢を示したのが良かった。これこそ、アニメが伝統的に更新させてきている内容でもある。新時代の子どもたちがどのように自己を確立し、どんな社会を構築し、そこに立ち現れる困難に立ち向かっていくのか。これがオリジナルアニメの王道と言ってもいいんじゃないのかな。『機動戦士ガンダム』だって、子どものアムロが自分の故郷を見つける物語だったわけだし、周囲の人間と自らのエゴとの間で葛藤するのが彼の売りでもあった。『機動戦艦ナデシコ』では天河アキトが「これは僕達の戦争なんだ!」と言い切ったこともあった。他の代表例を挙げれば、『新世紀エヴァンゲリオン』『無限のリヴァイアス』『交響詩篇エウレカセブン』『コードギアス 反逆のルルーシュ』『ガールズ&パンツァー』などなど、枚挙に遑がない。大人の作り上げた価値観に従わず、なんとか自らの生き方を打ち立てようとする姿が紡がれてきた。
 その流れを大きく整理すると、4段階に分けることができると思う。第1段階が「絶対悪」を相手取ったもので『マジンガーZ』とか『トップをねらえ!』なんかがそんな感じ。敵は人間ではなく、倒すことに躊躇いを持つことのない存在。正義の味方は「みんな」のために戦う感じ。第2段階は「相対悪」とでも呼ぶべき存在を敵として見る「それぞれの正義」の時代。相手は人間で、味方にも相手にも正義があって、どうしようもなく戦う感じ。その画期を作ったのが『機動戦士ガンダム』で、第1段階から第2段階への変遷を綺麗に整理したのが『機動戦艦ナデシコ』だった。第3段階は「社会悪」を敵とするもの。弱者を作り出すのが社会のルールや仕組みそのものだと気付き、自らの生来的な資質を発揮しようと社会の打倒を目指す感じ。いわゆるダークヒーローはここに当てはまる。『コードギアス 反逆のルルーシュ』がそれ。正義の味方は社会システムが作り出す弱者のために戦う。そして、第4段階は「公共の正義」とも言うべきもので、特に敵や味方は関係ない感じで、とにかくノブレスオブリゲーション』がキーワード。どうやって自己存在を社会の中で確立するのかと言えば、奉仕をすることによって他者に認められる方法を取るのが特徴かな。『東のエデン』や『輪廻のラグランジェ』なんかが当てはまる。
 さて、この流れの中において、この作品はどう打って出るのか。キーワードは「お客気分」と「自主自立」なんだとは思う。また、世界を曝く存在としてのヴァルヴレイヴも重要。下手をすると「核の傘」と同様の賛同し難いものに思えるけど、核汚染もなく、無差別殺傷を控えられ、組織による運用が可能で、単機のみで効果を発揮する。こんな理想的な抑止力は他にない。これを使って、どうやって彼らが自立していくのか、果たして、アニメの歴史を更新できるのかどうか。もはや鳥肌を立てるのも余裕でした。

■お客気分への反旗

 初回から徹底して違和感を与え続けてきたのが、ツイッターによる観客の無責任さや学生たちの非当事者意識だった。ハルトたちは戦争に巻き込まれているにも関わらず、できるだけ自分たちは戦争に関係ないよう装うとする風があった。ツイッターでは当事者ではない人々が、なんとなく戦争をツイッターを通して疑似体験的に感じたのか、親しく感想を投稿する様子が描かれていたように思う。彼らは当事者でないからには、あんな、あたかも自分たちまで戦場にいるかのような発言はできないはず。あるいは、お客さんの立場なのに、自分も参加者を気取っている感じ。そこには動機が存在するはずもないため、彼らは何を言っても非当事者でしかない。

「みんなで逃げようって言ってたじゃないですか!!」
「君たちを助けに来たのは本当だよ。ただ、優先順位が二番目だっただけさ。親切やボランティアというものはね、余ってる時間やお金でやる道楽、感謝されるゲームなんだ。」
「フィガロさん…、何を?」
「助けるかどうかは、僕らが決めるってことさ。」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#04「人質はヴァルヴレイヴ」より

 むしろ、この物語の中で最も主体性を見せていたのは議員のフィガロだった。彼は自らの動機に忠実であったし、そうでなければ行動しない人間として描かれている。あれこそ本当の意味での「大人」なのだと思う。別にボランティアを否定するつもりは毛頭ないけれども、フィガロの発言はハルトたちの非当事者意識に対して鮮烈なダメージを与えたものだった。ハルトたちは自分たちの意志をもって行動するべきであるし、そうであるならば、フィガロは彼らに利用されるべき人物だった。それを利用できなかったのはハルトたちの落ち度だろう。そうして、ショーコがフィガロに独立宣言をする場面へと移り、ハルトやショーコが主体性を獲得しようとする方向が見出されることになる。まさしく、自立への一歩なんじゃないのかな。

「ドルシアを革命する。大元を変えるしか、世界は変わらない。」
「君は…ドルシアの軍人じゃないのか?」
「お前の力とヴァルヴレイヴを組み込めば、俺の革命は五年は前倒せる。」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#04「人質はヴァルヴレイヴ」より

 どうやらエルエルフも「お客気分」に対する反感を持っているのかもしれない。ショーコが独立を宣言した後の興奮の笑顔は、なにやら彼の革命に通じるものを見出したんじゃないかという予感を与える表現だった。

「主義主張にこだわっている状況ではない。守りたいものがあるなら、汚れろ、時縞ハルト。」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#04「人質はヴァルヴレイヴ」より

 そう考えると、確かに、エルエルフはハルトに自立を促す発言をしている。ここでの「汚れろ」とは、BL的な妄想を掻きたてるための表現だけではなく、ハルトに自らの意志で自ら行動して自立しろというメッセージに他ならないと思う。結局、初回から主人公に確たる動機付けを与えていない狙いも、物語の後半でそれを獲得する模様を描くための布石と見受けられる。

■大河内さんの修辞法

 今回は大河内節が炸裂していたように感じた。ショーコがスカートを握りしめる表現と言い、エルエルフとショーコのピースサインと言い、修辞の有機性を上手く使った表現が見られた。

「バカみたいだ…、わたし。」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#04「人質はヴァルヴレイヴ」より

 ハルトに電話をしたも切られてしまい、ケンカしていたことを思い出すショーコの表情が良かった。ここで初めてスカートの裾を握ってモジモジする表現が使われる。その後も、何か考え事をするときにはスカートを握る動作が描かれ、その動作がショーコの心情を表すものとして有機的な意味合いを持つようになっていった。

「これからも、変わらぬ友好国として、宜しくお願いします!!」
『革命機ヴァルヴレイヴ』#04「人質はヴァルヴレイヴ」より

 そうした表現を積み重ね、最後にきっぱりと満面の笑顔を浮かべてハルトに向けてピースサインをした。ここまでのショーコの心情の持って生き方が良かった。
 そのピースサインに関しても、この話数の中において特別な意味を持つ表現だった。最初はエルエルフとハルトの間で交わされた約束の合図だった。ハルトにとってはその合図が平和という意味と戦闘という意味の両義に捉えられ皮肉に思われていたところ、最後にショーコがピースをすることによって、本当に「平和」の意味でのピースサインとなった。エルエルフとハルトの約束を知らないショーコがピースをしたということの意味が大きい。スカートの表現や、ピースサインの表現を含め、話数の中で有機的に構築された修辞が見事に決まっていたと思う。
 これこそ大河内さんらしい表現なんじゃないのかな。記憶に残っているものと言えば、『宇宙のステルヴィア』でアキラとジョイが大(まさる)の背後でこっそり手をつなぎ、同様に『OVERMAN キングゲイナー』でもゲイナーとサラがシンシアの背後でこっそり手をつないでいる表現があった。あれも、物語全体を通して構築されてきた2人の関係性を想像させる上手い表現だったと思う。
 スカートの裾を握る行為、ピースサインに込められた意味、背後で手をつなぐ理由、どれも作品の中における表現の積み重ねによって、独自の意味合いを獲得した仕草表現だった。大河内さんらしい表現じゃないのかな。好ましい。



 もうね、ショーコの笑顔が死亡フラグにしか見えなくて困る。どうせ、シャーリーたちと同様に後半で殺してしまうんじゃないだろうか。ハルトとエルエルフの関係もBL前提過ぎて…。今回は脚本の良さがすごかったこともあり、その分、演出のもっさり感が目立った。早く来週にならないかな~。。

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/05/03(金) 05:04:13|
  2. 革命機 ヴァルヴレイヴ
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◎革命機ヴァルヴレイヴ第4話「人質はヴァル...

>アルスの国力をいかしつつ防御にまわる。そして、この兵器を量産する>議決を、ジオールの兵器を奪取ししだい全面戦争をするハルト:ドルシアの軍人じゃないのか->エル:俺の革...
  1. 2014/01/14(火) 16:53:50 |
  2. ぺろぺろキャンディー

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