土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『革命機ヴァルヴレイヴ』#07「瓦礫の下のハルト」の感想。

「あれのおかげで守れたものもいっぱいあるけど、でも、恐いんです。発作が起きると獣になった気がして、いつも恐い。不死身の身体は他人の身体みたいで、ひょっとしたら僕は、死んでるんじゃないかって…。」

『革命機ヴァルヴレイヴ』#07「瓦礫の下のハルト」より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承のうえお進みください。




 大きく物語が展開した。やっぱり来ている。鳥肌。良作が生まれ出る瞬間に立ち会えている感覚というのは得難いもの。脚本・演出ともにシビれるものだった。従来の作品で成功した要素を上手く取り入れ、なおかつ斬新な要素も適度に配しつつ、さらには他ジャンルから手法を援用してもいて、そのバランス感覚も素晴らしい。決して作家性に特化しているわけではないけど、エンターテイメント性との共存を上手く図るような絶妙のバランスを取っているように感じた。

■分霊されるルルーシュ

 ハルトとエルエルフとサキの三人には『コードギアス 反逆のルルーシュ』のルルーシュの遺伝子が組み込まれているように感じる。というか、ルルーシュの要素を三人に分けたような感じ。主人公として世界を守ることと自身のアイデンティティーとの間で葛藤する姿をハルトに託し、その戦略的思考や社会に抑圧された悲哀などをエルエルフが引き継ぎ、世界に反逆して自身の価値を世に認めさせようとする主体的な行動をサキに付与した。前回はサキについてのルルーシュ性が描かれ、今回がエルエルフの持つルルーシュ性を提示したところだった。特に、エルエルフがハルトを出し抜いた「録音による時間差作戦」は『コードギアス 反逆のルルーシュ R2』#24「ダモクレスの空」で実際にルルーシュが用いた作戦でもあり、エルエルフの背後にルルーシュを想定するうえで裏付けとなるような表現だったと思う。
 それに、不死身の身体っていうのも、ギアス能力を得たルルーシュに重なる部分がある。そもそも、ギアス能力を得た人間は孤独になるという設定を『コードギアス 反逆のルルーシュ』は持っていた。ギアス能力はその特性ゆえに相手を意のままに操ることが可能であり、それは自分以外の他者を意志を持たない人形にするのと同様の結果を招くことになる。したがって、ギアス能力者は孤独になるとされ、実際にルルーシュもマオも孤独を嘆く場面が作中に用意されていた。今回のハルトの嘆きもこれと同様の流れを見てもいいんじゃないだろうか。「噛み付き=神憑き」としての能力を得たハルトは自分が人間ではない「バケモノ」になったわけであり、それは他者と交わることのない存在としての自覚をハルトに持たせることになる。この孤独さというのはギアスと共通するものだし、やはり、ハルトもルルーシュ性を持つ存在なんだという考えに行き着く。
 どうだろう、今のところ、この作品は『機動戦士ガンダムSEED』+『コードギアス 反逆のルルーシュ』+『無限のリヴァイアス』をライトノベル風味に仕立て上げたような感じなのかな。ハルトとエルエルフとアードライの三人が揃う場面を見ると新しい人間関係の構図を感じなくもないけど、まだまだ手放しに斬新さを前面に押し出すような段階には至らず、着実かつ周到に客引きをやっている感じ。

■徹底したライトノベルの取り込み

 今回はハルトがフラグを立てまくりだった。指南ショーコと流木野サキとエルエルフは言うに及ばず、櫻井アイナ然り、二宮タカヒ然り、アードライ然り、触れ合う相手はすべてヒロインと言わんばかりのフラグの立てっぷりだった。特に、二宮タカヒの恋心の描写は秀逸だった。わざわざ生徒会長の貴生川タクミを呼び出してキスしてみようとするも、サキの入ったハルトに迫られたときのようなドキドキ感が得られずにタカヒを突き放すとか、ああいう表現は割りと好きかも。みんなハルト大好きみたいな感じで、アードライもエルエルフがハルトを自分の腕だと言うに及んで、火がついちゃったに違いない。
 ライトノベルでは、主人公は主体性のない女性に振り回されることを特性とするキャラクターが選ばれる。とにかく、いろんなタイプの女性がいろんな状況と方法で主人公に絡み、さんざん振り回すような展開が多くのライトノベルで取られる。フラグを立てては折り、立てては折りを繰り返すのが、ライトノベルの主人公の宿命でもある。立てたフラグを成立させてしまったら、そこで物語は終わってしまう。
 今回のハルトも同じ性質を持っているように感じる。オリジナルアニメの主人公にしては主体性も存在感も希薄であるのは、そのためなんだろうか。物語の文脈を捨象して記号的な表現を多く取り入れている点もそうだし、このハルトのライトノベル的主人公性もそうだし、二次創作への利用を意識したキャラクターの配置やセリフ回しもそうだし、どれにしても、ライトノベルの手法を意識しているのは明らかだと思う。



 熊谷純さんって何物なんだろうか。すごく良かった。当然、大河内一楼さんがシリーズ構成として各話の監修をやってるんだろうけど、それにしても、今回の話数は脚本が良かったと思う。二宮タカヒの恋心の描写も良かったし、「尊いよ、お前の育ちの良さ。」っていうエルエルフのセリフは『機動戦士ガンダム』のシャアの「ボウヤだからさ!」っていう有名なセリフを下敷きにした表現でこれも良かったし、最後にエルエルフの身体に入ったハルトが女の子の写真を見て泣くという表現も倒錯的で良かった。あの女の子って、まさかエルエルフの妹で、ルルーシュで言うところのナナリーじゃないよね?さて、櫻井アイナを計21コマで瞬殺したからには、次回から『無限のリヴァイアス』よろしく、死と隣り合わせの鬱展開になるのかな。無重力空間でミニスカートとか、なんていうことなんだ!!

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2013/05/24(金) 04:15:50|
  2. 革命機 ヴァルヴレイヴ
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