土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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『東のエデン』#09「ハカナ過ギタ男」の感想。

「いーや、こんなこと思いつくのは、すでにアガリを決め込んだおっさんに決まってる!何が持てる者の義務だ。板津、お前だってニートの仇を取りたいって言ってたろ?俺も気持ちは同じなんだ。ニートってのは、そういったおっさんたちに対抗するために、一人一人が自発的に始めたテロ行為なんだろ?」
『東のエデン』#09「ハカナ過ギタ男」より


以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。


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ダークヒーローに言わせる本音、「あらすじ」だけのアニメ

 さて、物語はクライマックスに突き進んでますw残す話数は今回を含めて3話~4話なのかな?『攻殻機動隊S.A.C.』なんかでも残り5話くらいからがクライマックスって感じですよね。さて、どう落とすのか。。。ここに来て、セレソン携帯の解析から国家権力の関与や「うかつな月曜日」の背景が明らかにされそうになったり、セレソンの中でもNo.1物部大樹が率いるダークな英雄とNo.9滝沢朗=カッコイイ英雄?との対立軸が鮮明になってきたりと、めまぐるしく展開しています。やっぱり、物語の帰結に向けた「収束感」は神山さん独特な感じがします。というより、トマホークミサイル60発って…、どんなテロを考えてるんだろう。。。
 やっぱり「民意の誘導」なんて言葉が出てきました。なんだか『攻殻機動隊S.A.C.』の世界観を解体して仕切りなおした上で、改めて神山さんなりの目指すべきところを表現したように思います。「セレソン」が11人(サポーター含めれば12人)というのも「個別の11人」を想起させるものですし、さしずめ「Mr.OUTSIDER」が「合田一人」のポジションになるんでしょうか。そのテロや国家改造に向けた「演出(プロデュース)」の方法は色合いが異なりますが、「民意の誘導」なんていう大衆の思想誘導を用いて事を成そうとする点なんかは同じものを感じます。ただし、今回は「スタンドアローンコンプレックス」現象は登場しないと思う…、今のところは…w
 なんだか、神山さん自身や制作サイドそのものが「合田」だったり「Mr.OUTSIDER」だったりするんじゃないのかな?wアニメではしばしば悪役に本音を言わせることがありますから、ありえないことではない。むしろ、伝統的な方法と言えます。主人公には誰もが賛同できる「正義」を語らせておいて、悪役に「正義」に対する矛盾や少数派の実態なんかを語らせることで、その対立軸から社会の矛盾を浮き彫りにするなんて方法。こういった方法を用いるのが、言いたいこと言うには穏当なんですよね(^_^;)はっきり正義の味方に社会の問題点を言わせちゃうと、勘違いした視聴者がクレーム出しちゃいますからw悪役に言わせれば、「それは悪として主張させたまでですから」って逃げられます。。。その一方、別に強く主張している風には見せないまま、強い印象を視聴者に与えることができます。たとえば、『機動戦艦ナデシコ』では#25「『私らしく』自分らしく」でアカツキ・ナガレに「世のため、人のため、戦争をなくす?偉いよ、君達は!みんな、世のため、人のため、国のため、地球のため、そんな考え虫唾が走るんだよっ!!」なんてセリフを言わせてます。これも「みんなの正義」を否定した『機動戦艦ナデシコ』の根底に流れる主張ですから、アカツキ・ナガレという悪役が明確な否定を行うことでその主張をさらに印象付ける作用を持っています。詳しくは拙稿「トカゲ野郎の「土星蜥蜴」発言―『機動戦艦ナデシコ』の画期―」(2009年4月12日投稿記事)を参照してください。…、『機動戦艦ナデシコ』が多くてゴメンナサイwそういえば、劇場版ではホシノ・ルリが「アカツキさんて、いいものなんですか?わるものなんですか?」なんてアカツキ・ナガレに聞いてましたね…。意図的なのかな?
 とにかく、「悪役に本音を言わせるアニメ」として、次回はNo.1物部大樹を中心に大規模なテロ=「日本に穴を開ける」ことについて具体的なことがわかって、そこに制作サイドの本音が表れると思います。以前、黒羽が物部⇔滝沢それぞれの「空気を変える」方法に言及して、滝沢のほうが「好き」みたいなことを言っていましたけど、それと考え合わせれば、予めこの対立軸が用意されていたことは確かですし、今回の内容からも「空気を変える」方法としてNo.1一派がミサイルによる爆破テロによって国民を減らす方法を取ろうとしていることがわかります。公式サイトでも物部大樹の紹介に「無駄を切り捨て、少数精鋭の国家を目指す。」なんて書いてありますから、一致するでしょう。それに対抗する手段として滝沢が登場する。「うかつな月曜日」においても、ミサイルを投下したのはNo.10であって、たぶんNo.1一派。というより、京都在住の今回初登場だったセレソンがそうなのかな?そして、そのミサイルから住民が避難するように誘導したのが滝沢朗。どうも「英雄」っていう言葉が何回か登場していますし、ダークヒーローとカッコイイヒーローとで対立させたいようです。
 それにしても、最初は咲も滝沢のことを「私の王子様」なんて言ってましたけど、あのフリはなんだったんだろうw今になって、何にも機能していないセリフだなぁと思います。咲が就活なんかを行っていて、セレソンなんかをまったく知らない存在として、滝沢と恋愛関係に置きながら「大衆―英雄」という関係性において対置させるものだとばかり思っていました。ここのところ、話を展開させるための内容ばかりで、咲の心情を描写することもほとんどない。考えてみれば、ボトルショーもないため、登場人物の様子なんかを中心に描いた話がほとんどない。「あらすじ」だけのアニメになりつつあるような気もします。1クールで短いから仕方ないのかもしれないけど、ちょっと残念。せっかく作った作品なんだから、この世界観と登場人物でもうちょっと遊んで欲しい。。。
 ちなみに、同名のコミックを発見して読みました。杉浦日向子著『東のエデン』(青林堂 1989初版)です。でも、内容はまったくの別物。こちらは明治初頭を舞台に、初めて来日した欧米人の日本人に対する印象を描いたものでした。むしろ、紛らわしいから『神山のエデン』とかにすればよかったのにwどうやら小説版もあるようなので、こちらも注文してます。明日届くかな?

テーマ:東のエデン - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/06/05(金) 02:41:59|
  2. 東のエデン
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