土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

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2008年度文化庁メディア芸術祭

 新しく文化庁メディア芸術プラザへのリンクを張りました。受賞作品の歴史を紐解いてみるとなかなか面白いですねぇ。それにしても、2008年度審査委員会推薦作品に『ストライクウィッチーズ』が入っているとは…、推薦していいんだろうかwま、特に短編作品に無知な自分にとっては、情報源として頼もしい限りです。


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 2008年度のアニメーション部門には『カイバ』が入っていますね☆世界観の好きなアニメでしたし、記憶チップによる肉体の乗り換えや記憶の改竄なんてのは『攻殻機動隊』の脳殻の入れ替えと相俟ってなかなか刺激的な題材だったと思います。『神霊狩』とも合わせて、人格がどのように規定されるのかといった問題は難しいですね;『電脳コイル』もあることですし、身体と精神が分離するアニメがひとつのジャンルを作りつつあるのかなと思います。
 でも、IGファンとしては『精霊の守り人』(2007)が推薦作品に留まっているのは少し疑問です。それに、『神霊狩』(2007)は推薦作品にすら入っていません。『亡念のザムド』(2008)は選考対象に入っていたのでしょうか。歴代の受賞作を見ていると、どうも「作品としての完成度の高さ」や「統一された世界観によって構築された物語」が選考の際に重く受け止められているのかと感じますが、どうなんでしょう。短編はほとんど見たことないので…。その点、『神霊狩』は作品としては評価できない部分のあることは否めないとは思いますが、『精霊の守り人』『亡念のザムド』は入選してもおかしくないように感じます。
 ただ、アニメーションの部門総評に「長編部門は突出したものがなく」とあるのは確かに肯けます。2007年度は『電脳コイル』『天元突破グレンラガン』『精霊の守り人』『神霊狩』と粒揃いだったのに比べて、2008年度は目に付く作品が少なかったように思います。
 その一方、長編のジャンル講評に「『カイバ』『スカイ・クロラ』『ヘルズ エンジェルス』『ソウルイーター』『空の境界』『墓場鬼太郎』。驚くなかれ、これらの作品はすべて“彼岸”が舞台である。「死者と生者を分ける川辺」が2008年のキーワードだったようだ。」とするのは…、無理なんじゃw少なくとも、『カイバ』や『スカイ・クロラ』は彼岸作品とは言えないと思います。それとも、彼岸と虚構を混同しているのでしょうか。「彼岸作品」と言えば「あっちのミチコさん」が出てくる『電脳コイル』のようなものを言うんでしょうけど、『カイバ』や『スカイ・クロラ』では具体的にどのような部分が彼岸にあたるのかよくわかりません。
 彼岸を定義するならば、「現実世界=こっち=此岸」に対して「死後世界=あっち=彼岸」という対立軸をもったもので、作品としては彼岸を持ち出すことによって此岸の日常生活のもつ価値の見直しを行うことをひとつの要素として内包するものと言えばいいのでしょうか。『涼宮ハルヒの憂鬱』でも最終話にてキョンが日常生活の価値を再確認する場面があり、それは閉鎖空間という彼岸から此岸を見つめなおしたものでした。だからこそ、キョンは「俺は戻りたい。こんな状況に置かれて発見したよ。俺はなんだかんだ言って、今までの暮らしが結構好きだったんだなぁ。」と言うのでしょう。見事に彼岸と此岸の構図を取り入れたと思います。他にも、いわゆる「ハレ」と「ケ」という概念でこの問題が持ち出されることも多く、その仕組みは「祭り」や「盆」によく表れています。
 講評にある指摘は、むしろ、ネットの普及などにより一個人の人格が肉体に留まることなく他者との交流を可能としている現実世界の状況と重ねて、精神性を扱った作品が増えてると見るべきなのではないでしょうか。個人の人格を規定する場合にも、ネットが普及していなかった時代に比べて自他の境界は曖昧になってきているのは間違いないと思います。それこそ、『攻殻機動隊』で取り上げている「集合体無意識」「ゴースト」や合田一人の「個性という名の幻想的オリジナリティー」「動機なき者たち」にその典型が表れていると思います。何か怪異や霊的なものを想像させる「彼岸」という言葉で片付けるのではなく、むしろもっと「此岸」に接近したリアルな問題を扱う作品が増えてると見なければならないのではないでしょうか。少なからず、身体と精神の分離や乖離を題材とした作品が増えていると考えるのが穏当なように感じます。
  1. 2009/04/13(月) 23:04:52|
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