土星蜥蜴の「筆のすさび」

日々雑感。 アニメ文化に関する気ままな評論・感想を書き連ねます。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

『DERKER THAN BLACK 黒の契約者』全26話(1期)の感想。

「アンバー、俺は…」
「それ以上、聞きたくない…。。」
「さよなら、お兄ちゃん。」
「さよなら、シン。さよなら、みんな。さよなら、アンバー。」
『DERKER THAN BLACK 黒の契約者』より

以下、ネタバレが多分に含まれますので、ご了承の上でお進みください。


--------------------------------------------------------------

 こういう脚本・演出は大好きです!どうも『BLOOD+』の次に見たのも運命なのか、同じく異能者と一般ピープルの関わりをテーマに描いた作品でした。この作品も同様に設定には少しばかり無理があるようにも思うんだけど、そんなのどうでもいい。。オチに持っていくまでの見事な流れと粋な演出が素晴らしいため、無理な部分も気にならないんだな☆それに、作風に見合った菅野さんの音楽も最高だった。。結局、「ひとことアニメ便覧」では星四つにしました。

■見せる脚本・演出

 簡単に言えば、脚本は文脈表現で演出は映像表現って理解でいるけど、あってるのかな?ただ、作品によって、制作会社によって、その仕事はまちまちだろうから、一概に定義することに意味はないんだろうけど。脚本はセリフやト書を担当するから必然的に文脈に対して大きな主導権を持つことになるし、演出は絵コンテや原画に関わってくるから映像に関する表現に大きな役割を果たすことになるんだと思う。とにかく、両者が綿密な打ち合わせをやらないと、作品としてまとまったものにはならないんだろうから、実際にはそこまで仕事内容に明らかな分業が成り立つものでもないんだろうね。
 今回はそのどちらも良かった。もともと演出畑(って言うのかな?w)の岡村天斎さんが監督をやりつつシリーズ構成もやっているので、脚本・演出の連携は抜群だったんでしょうか。毎回二話ずつでセットになってるんだけど、そのオチや途中の映像表現が最高に良かった。気に入ったものをいくつか紹介しましょう。
 まず#14「銀色の夜、心は水面に揺れることなく…(後編)」のラスト。銀(イン)が黒(ヘイ)に対して笑いかけようと指を使って頬をくいっとあげた場面はよかった。笑いながらもゾクゾクしちゃったよwなんだか、感嘆って感じ。。いや、それほど褒めるもんでもないのかな?w銀はドールだから泣くこともなければ、そもそも感情や人格すら持たないものとして設定されてます。けど、その銀が自らの意志によって涙を流して、しかも「うれしい」という感情を表現するために頬を指であげるなんて!顔では表現できないからこそ、なんとかその気持ちを伝えようと考えて、指で表現しようとしたその銀の主体的な感情の表現にゾクゾクきた。。
 それに、#04「新星は東雲の空に煌く…(後編)」の柏木舞とその父親もよかった。父親はゲート内物質の研究に没頭するあまりに舞との関係を崩していたけど、それと言うのも舞が契約者として覚醒することを阻止するためのものだったっていう設定でした。それを下敷きにして、舞が父親を嫌いつつも父親の愛に餓えているようなところや、覚醒してしまった後になって二人して炎の中で抱き合うところとかは、残酷ながらもある種の美しささえ感じさせるようなものだった。
 他にも、#06 「災厄の紅き夢は東欧に消えて…(後編)」のハヴォックは契約者としての殺人能力を目覚めさせたくないと言いながら、黒のために過去を思い出そうとゲートに近付いた場面もよかったなぁ。能力が再び覚醒するかしないかの瀬戸際でハヴォックの心が揺れ動いているのがありありと描かれていた。それに、#10 「純白のドレスは、少女の夢と血に染まる…(後編)」ではアリス・王の心の中を語る魏志軍(ウェイ・チージュン)もよかった。

「あなたも罪な人だ。アリスを父親への依存から解放してしまった張本人だと、まだ気付いていないのですか?父親の権力を真っ向から否定されるなんて、彼女にとっては初めての経験だったのです。そして、彼女はあなたに新たな依存先を見出したのです。なのに、あなたは警察官になった。王少棠(ワンシャオタン)の娘とは絶対に相容れることのない世界の人間になったのです。」

 なんていうか、銀にとっての人間らしさとドールとしての性質、舞にとっての父親の愛と父親への嫌悪、ハヴォックにとっての卓越した殺人能力と殺したくないという人間らしい思い、アリスにとっての父親という依存先と霧原未咲という依存先、、、二つの相反する物事の間で葛藤する様がよく描かれていて、いい感じです。
 映像表現の面でも、#22 「粛正の街は涙に濡れて…(後編)」でジャック・サイモンことノーベンバー11の死ぬ場面がいいですよね。。だって、流れてくる血でタバコの火が消えるんですよ?その直前のセリフが「最後まで律儀に対価を払う必要もないか…」って、かっこよすぎでしょww
 いやいや、毎回「お~」って思わせるような場面がいくつもあって、かなり魅入られちゃいましたw他にも端々でゾクゾクする表現がいっぱいあって、何回見ても飽きない!アンバーが黒に対して見せた最後の表情が本当に最高だった。。。。あれを見るために全話を見てもいいと思うww見終わってから、久しぶりに充足した気分に浸ることができて幸せです。。

■他作品との関連というか似ている点

 一番よく思ったことは、『攻殻機動隊S.A.C.』の本筋に関係ない話の作りや雰囲気によく似ているってことでした。攻殻では原作や押井版で描かれなかった公安九課メンバーのキャラクターにスポットを当てたストーリーが「笑い男事件」や「個別の11人事件」の合間に挟んでありましたけど、その作風に似ているような…。んで、調べてみると、菅正太郎さんは攻殻にも脚本として携わっていたようで、関係があるんじゃないの?って感じです。まぁ、実は神山版の攻殻で好きなところって本筋よりもそっちなんですよね(^_^;)だからこそ、DTBを見ていても好きだなぁって思えちゃう。
 それに、#25 「死神の見る夢は、黒より暗い暗闇か?」で黒がアンバーと接触してから展開される黒の内面世界の描写は『新世紀エヴァンゲリオン』の#25「終わる世界」あたりで展開されたシンジの内面世界の描写と似ているんですよ。『交響詩篇エウレカセブン』でもそんな感じの場面はあったように思うけど。。ひとつの表現方法として受け継がれているんでしょうか。
 そして、アンバーはどう見ても『コードギアス 反逆のルルーシュ』のC.C.にしか見えない!!wたぶん、明るい緑色の長い髪の毛っていうだけで似ていると思っちゃうんだろうな。。それだけ、C.C.のキャラって大きいですよね。今後の作品で似たようなシルエットを使う場合には必ずと言っていいほどC.C.のイメージを喚起することになるんだと思う。だから、作る側も意識しなきゃいけないはず…、なんだけど、そんな意図は感じさせないんだよね(^_^;)制作の時期も一年くらい違うだけでそこまで離れていないし、影響関係はないただの偶然なのかな。。。それにしても、似ているww

■「合理的な判断」という虚構

「契約者は合理的に物事を考えると言われている。それは、いつ如何なる状況においても、つとめて冷静に最善の答えを導き出すことを示している。恐れを知らないから?そうじゃない。契約者だって、ちゃんとビビっている。感情的にならないだけだ。」(#22 「粛正の街は涙に濡れて…(後編)」より)

 この設定、無理でしょwだって、一般ピープルも合理的な判断を行うものだし、「合理的」っていうのも何を基準に判断するかで具体的な行動なり判断が変わってくるから、そもそも意味不明な感じ。っていうか、作中で使われている「合理的」っていうのが、多分にただ「冷徹」や「冷静」であることを表現しているようにしか受け止められなくって、どうにも違和感ありまくりだった。
 でも、そういった微妙に筋の通らない設定だったとしても、それを前提にして展開される物語のためだと考えれば納得もいく感じ。要は、契約者を「冷徹に物事を考えて必要に応じて人を殺すことも躊躇しないって思考を持つ存在」と位置付けることで、そんな人々が「なぜか」感情を持っているかのように殺人をためらったり、涙を流したり、自らの立ち位置を顧みずに他人を助けたりする。「あたかも」無感情なはずの契約者に心があるかのように描くことで、かえって人間らしい感情が浮き彫りになるっていう仕組みですね。。あくまで物語上の虚構として「合理的な判断」を冷徹に行う契約者を設定することで、こういった仕組みが成り立っていると見られます。っていうか、現実に即して考えてみれば、こんな「合理性」って意味不明だもん。
 そして、この設定は『BLOOD+』のシュバリエたちが翼手でありながら人間よりも人間らしい感情を発露させていたものと仕組みの上では同様のものなのかな?そして、どちらの作品も主人公が異能者であって、最後に行き着く先は人間と異能者の共存です。こういった世界観の出所ってどこなんだろ?普段は宇宙とかロボットとか電脳とかのジャンルを中心に見ているので、どうもよくわからない。この手の作品って、下手をすると動きのない単調なものになっちゃいますからね。。どうも手を付けるまでにためらっちゃうw



 いやぁ、二期が十月から始まるみたいでるから、期待して待っています。今シーズンのアニメはこっちで百合百合、あっちで百合百合、どうにも実のないアニメが多くて辟易しています。二期は二年後のロシアを舞台とした内容になるようで、あんまり想像がつかない。。。黒はあれからどうしたんだろう、アンバーは本当に死んじゃったのかな?まったく別の主人公を立てて話を進めるんだろうか。今からワクワク妄想を膨らませて待ってましょう☆

テーマ:見たアニメの感想 - ジャンル:アニメ・コミック

  1. 2009/08/26(水) 22:32:12|
  2. DERKER THAN BLACK-黒の契約者-
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

コメント

<%template_post\comment>


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://lizardofsuturn.blog40.fc2.com/tb.php/96-15de95bc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。